I was stage gazer

星を追う

ACCA 13区監察課

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品川クラブEXに初めて!来ました!円形ステージと通路と舞台という形状…A〜Dブロックでぐるっと囲んでAが下手側から始まってCがセンターかな?Dは完全に上手

プレミアムの範囲がどこまでなのか分からなかったけど運よく最前で見て来ました。視線に困る。客席降りというか客席から出ハケしたりむしろ会場中を舞台にした作りだったから舞台じゃないとこでもキャスト見る機会多くて面白かった。

ウィッグの色が凄いと思ったんだけど質は良いウイッグだった…あと荒木さん初めて見たんだけどカラコン入れてる瞳がむちゃくちゃ美しかった…役のせいもあるけど飄々としてて腹の内が見えないけど人当たりもよくてなんか好感を持ってしまうようやつだった…好きなのかな???(すぐ好きになる)

原作未履修でいったけどジーンが巡る13区を景色ではなく人と服装、歌(国歌みたいなもの)で現す演出が本当面白くて!舞台の上に各区の伝統的な衣装のマネキンがおいてあってジーンが今どこの区を訪れているのか分かるようにスポットライトが当てられる。

各区の代表の人たちはそのマネキンと同じ服装で登場して歌ったり踊ったりするんだけど五長官の出身区になると長官がマイク持って歌う(笑)歌詞の内容はよく覚えてないけど本当国歌みたいなそれぞれの区の歌みたいなもんなんだと思う。

13区はそれぞれ独立した国の様なものでそれぞれが議会で統治されたが国家なんだけどクーデターの疑いがあるって事でジーンが各区を巡って調査をしている。そのジーン自身にもクーデターに協力してるんじゃないかって疑いが掛けられているという二重の…ジーンも怪しいけど他にもいるかもしれないし何よりジーンを見張って誰かに報告しつづけている人物・ニーノがいる。ニーノはジーンの親友と言うけれど。

ニーノの曲者感とか得体のしれない感じとジーンの人当たりは良いのにやっぱりどっか読めないところがある感じは似ている様な似ていない様な。

ニーノはフリーライターのフリをしながら実はACCAの内務調査官だったりジーンがクーデターに協力しているんじゃないかという疑惑を調査していたり、ほほうってなったんだけど最終的にはジーンが王族の血を引く人間でニーノの父親がジーンの母親をずっと影で見守りつづけてきてニーノにもその任務が託されていたという話だった二重スパイみたいな…

そのジーンとニーノの話に王族ドーワー家の後継者問題、各区の抱える問題、クーデターを企てているのは誰か?みたいな事が絡んでくるんだけどもうちょっと細かく知りたいなと思う部分もありつつ、2時間と少しの舞台でうまく見せてるなと思った。

ジーンの出生が明らかになっていくシーンでのニーノの父親、ニーノの幼少期を姿と声で演じる役者さんを変えてたのが良かった!演じる役者さんと声を当てる役者さんが別っていうのはなんていうかこうとっても演劇的で面白いなと思ってしまう。ニーノの声はもちろんニーノの丘山さんが当ててるんだけど。

ニーノがCanonのフィルム一眼抱えてるのにちょっとテンションが上がったとか円形の舞台の下のあちこちに椅子が置かれてて主に五長官が座って客席側に顔を向けていたり舞台の上でのジーンやニーノの振る舞いを冷静に見ているのが怖かったし見ているのを見ているという二重構造!も面白いなーと思った。五長官が円形舞台を取り囲んでいるとこれから何かが召喚されそうな気がする!(魔法陣)とか威圧感がすごい!とか思っていた

全員腹の探り合いをしていて全員怪しい緊張感が走る…!

最終的にクーデターはドーワー家の王子が王位を継ぐ事を懸念した五長官によって仕掛けられていて実は王家の血を引くジーンを王として立てるために各区を回らせジーンにタバコを渡す=クーデターへの参加意思を表明になっている展開のはずが実はクーデターを起こそうと企てたフラワウ区出身のリーリウム長官が覇権を握ろうとしていたという目的が明らかになって実際クーデター実行の段になってリーリウム以外の五長官は裏切り、逆にリーリウムを追い詰めてドーワー家の王子にACCA継続を約束させる(元々クーデターの計画もドーワー王国の独裁を懸念してのもの)というどんでん返しがあってストーリー的にもすごく面白いなと思った。フラワウがACCAから脱退して独立国家になったとかフラワウが覇権を握ろうしていた理由がフラワウで採れる資源を他の区にも平等に与えばならないという事を理不尽に感じてだったけど。

ジーンがパン、ニーノがチョコが好物という設定があるんだけどそれぞれそれがなぜ好物なのか、の理由がそれぞれの親に関係する事なのが良かった…グッときた…

ジーンが失恋しました、ってモーヴ本部長に言うのがえっ好きだったの?ってなったんだけどグロッシュラー長官に失恋した訳はないからモーヴ本部長よね…

ジーンの監察報告という体で説明台詞をめっちゃ喋るというか序盤は物語の外にいてジーンを語り続けるだけのニーノが誰よりもジーンに寄り添いつづけて来た人物なのが良かったし中の人的には丘山さんが喋る台詞が膨大で大変だったろうなとか…あんまり日本語が得意でないイメージもあるから(日本人だけど)歌ったり踊ったりしないストプレの丘山さん初めて見たから勿体無い…ってちょっとなったけど体格の良さとか得体の知れない感じ(ニーノと同じく丘山さん自体が異分子)みたいなのも良かった

荒木さんは今回初めて拝見したけど本当凄かった何がというかいやー好きだよねみたいな感じが。すっごい魅力的な人だなぁと……

あと五長官のイケオジっぷりが最高だった………目の前で美中年をガン見する喜び(笑)格好良いんだよね〜人として魅力的というかやっぱり格好良い。素敵だった。

モーヴ本部長役の連城まことさんの紅一点の艶やかさとしなやかな美しさもすごく良かった!

若いキャストの皆さんはアンサンブル扱いの様な感じで各区の格好をして各区の人たちとして出てきて踊ったり歌ったりするからわー可愛いねみたいな感じなんだけどそこに五長官が錘の様に存在するという点もこの作品の魅力的なところだなと思った。

最前はちょくちょく見下ろされてる…っていう視線を感じるのが…良かった…(笑)

あと振り付けが可愛い(笑)BATIKの黒田郁代さんの振り付けだからバレエっぽいのかと思いきや可愛いかった!

感想書いてみて改めて面白かったんだね?ってなったから本当ならもう1回くらい見たかったな!

アダムスファミリー

♪チャラララ〜チャッチャッ〜チャラララ〜チャッチャッしてきました(伝わらないアダムスファミリーテーマ曲)

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大体のネタバレをかまされBW版(?)のアダムスファミリーを映像で見てミュージカル版のサントラを聴き大体のストーリーを把握していたからおおこうなるのか!みたいな驚きは全然なかったけどとても良い作品だった何よりキャストが豪華で楽しい。

村井さんが家族や恋人と見て欲しいってお勧めするのが分かるくらいには家族っていいなぁってなる話だった。一度バラバラになってしまったもまた元に戻れる分かり合える家族だものみたいな。ウェンズデーとルーカスはそんな家族を作っていくんだなあって言うラストが良かった〜!アダムスファミリーっぽいジョークも交えつつ…

"アダムスファミリー"で主人公がゴメスだけど家族の話としてゴメス↔︎モーティシア、ゴメス↔︎ウェンズデー、モーティシア↔︎パグズリー、パグズリー↔︎グランマ、ウェンズデー↔︎パグズリーの関係性が描かれてるのが良かった!夫婦とか父娘とか母娘とか来るものがある…基本的にフェスターは語り部の役なのでフェスター自身のシーン以外はそんなに絡みがなかったはず。

バイネッケ家は主に夫婦かなぁ…ルーカスが直接的に両親に働きかけるとかはあんまりなかった、かな?父ネッケがルーカスの姿を見て自分の態度を改める事はあった。言葉より態度で示そう。ウェンズデーに一生懸命な姿に絆されるというかそういうところはきっと出会った頃のパパママと同じなんだろうな〜って思ったしきっとルーカスもいつかはつまらない男って言われるようになるかもしれないし、妻に秘密を持つようになるかもしれないそれが家族…って感じがした。

あとルーカス君はお母さん呼びでお、お母さん…!!ウェンズデーちゃんがパパママ呼びなのと対比ですごく良いおかあさーん!っていうルーカス君好きです君は優しい子だ

まあそんな2人がかわいくてルーカス&ウェンズデーカップル …まあウェンズデーが主導権握ってますよね…ネクタイぐいっと引っ張ってチューするの本当好き…好みの女の子のタイプが気が強い女性なところがある私なので本当良いね〜!!!!!ってなる。余談だけど村井さんが演じてる役の相手役が大体気が強い女性だから大体私は好きになるんだありがとう好みです。

昆さんはやっぱりお歌が上手いしどっからどう見てもウェンズデーだしあのちょっと低めのトーンで喋るの良かった!

アダムス家は普通じゃないから普通に振舞って欲しいってお願いするウェンズデーとやらかさないでよね!ってお願いするルーカスとか"普通"に見えるバイネッケ家が全然普通じゃなかったとか家族にしか分からない我が家の普通じゃなさってあるよね

あとアンサンブルの人達すごい!ダンスが凄く多い&振り付けのジャンルが様々?なんだけどもうほんとうダンス凄くてご先祖様〜〜〜!!!!!あとめちゃくちゃハーモニーが美しい。本当にご先祖様達大活躍でご先祖様達がいないと出来ないシーンがたくさんある。白井さんのアンサンブルの使い方がうまい(村井さん談)ってこう言う事か〜!って納得した。

 以下は私が好きな演出ポイントとして書いたメモです。

・先祖がぐるぐる木のセットを持ってバイネッケ家の周りを回る

白井さんの演出って大掛かりなセットを使わずに大道具を移動させて空間を演出するのかな?って感じでご先祖様たち大活躍だった!このバイネッケ家の移動の時に周りの木が集まってみたり動いたりする事でその場から動いてなくてもバイネッケ家が移動してるのがわかりやすい!

・食卓の遠近法

確かBW版は横並びだったアダムス家の食卓が手前から奥の方へ小さくなっていく遠近法仕様でおお!ってなったし椅子の高さがちょっとずつ違うのも見えやすさのこだわりなんだろうなって実際全員が食卓についても凄く見やすかった!あとこの遠近法演出がゴメスの部屋のシーンでも使われてるの好きだった!

・映画っぽい字幕が出る

元々のアダムスファミリーの映画のイメージがあるから映画が始まるみたいなOP演出良かった!アダムスファミリーだ〜!ってテンションあがる。あとハンドの演出がここであるのも好き。

・嵐の演出

が色々あって帰ろうとしたバイネッケ家を返さないために先祖がハリケーンを起こすんだけどドアを開けると風が強くて色んなものが飛ぶ、閉じると収まるを何回か繰り返したんだけどここの演出がアナログな感じ!律儀に飛ぶナプキン(笑)

・鳥

ウェンズデーがルーカスに出会っておかしくなった小鳥を可愛いと思う、って歌う時の鳥w棒の先についてる鳥…!

・ウェンズデーがThursdayになったww

これはゴメスがウェンズデーが大人になったって言う時の台詞なんだけどツボってwウェンズデーがThursdayに…

 ・フェスターの恋からの月光浴の時のライティングと傘

フェスターは月に恋をしている→フェスターが月への恋心を歌う歌があるんだけどまあめちゃくちゃシュールだったのは置いといてその時に女性のご先祖様が水着を着て日光浴よろしく月光浴(!)をするんだけどその時に傘を使った演出があってそれがとても好きでうまく説明出来ない

・木に隠れて出てくるルーカス

これは本当そのまま…木に隠れて出てくるルーカス笑ってしまったwそうっと出てくる時のルーカスの存在感wwってなってしまったし本当こう言うちょっと地味な役村井さん本当似合う…

・ルーカスの頭の上のリンゴをウェンズデーがボウガンで撃ち墜とそうとする時の矢の軌跡

 ウェンズデーへの愛を証明するためにルーカスが目隠ししたウェンズデーにボウガンで撃たれようとする(正しくは頭の上のリンゴ)けど矢はご先祖様たちがリレーして、絶対ルーカスに当たる位置なのを是正してちゃんとリンゴに当たる様にしてくれるのが!ご先祖様!ルーカスとウェンズデーの恋を応援してくれるご先祖様達本当に良かった(正しくはウェンズデーが墓場に帰る鍵を奪ったので墓場に帰れないご先祖様達)

バイネッケ家を迎えるフェスター・グランマ・パグズリーがサウンドオブミュージックのパロディ(お休みの時の曲)をしてて笑ってしまったww

 今日のモーティシアは壮さんのモーティシア!で美しく強かったし凄く女性らしさも感じたけど真琴つばささんのモーティシアは次回見るのが楽しみ!

途中まであっ村井さんいたんだったwwって軽く忘れるくらい普通に村井さんいなくても楽しめる舞台だったな〜!っていやー白井さんの演出面白いな〜!すごいなー白井さん(全力で褒める)今年白井さんの手がける舞台見るのが3本目でどれも面白かったし本当に村井さんがお仕事する事がきっかけで見られて良かった!

アダムス家に比べるとバイネッケ家は歌わない踊らないけどふとした時のちょっとした振りが可愛いのとキレッキレの動きを見た時あっ村井さんだwwってなるのが面白かった(ルーカスはアリスに似てとろいってパパに言われるのに)

ミュージカルパジャマゲーム

未だに激推しミュージカルグランドホテルと同じ演出家さん(トム・サザーランド)が演出なので行ってきた。

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誰かあらすじを簡潔に説明してほしい気がするけど、

・舞台はパジャマ工場

・相手役の新しい工場長は他所者(今年3人目)

・ヒロインは苦情係

・7セント半の賃上げを要求中だけどなかなか折り合いがつかない

・ヒロインと工場長はお互い一目惚れだったけど立場上付き合う訳にはって躊躇していたら強引にグイグイ来られて工場の従業員公認の仲にされた

・なかなかうまくいかない賃上げ要求にしびれを切らして強硬策に出るベイブ(ヒロイン)

・私がやりました!と正直に申告してクビ

・シド(工場長)との別れを決意するベイブ

・何とかして従業員の要求を通したい、ベイブとやり直したい困ったシドが社長の帳簿に目をつける

・決起集会(賃上げかストライキか)

・帳簿から不正発覚、賃上げ要求が通る

・カテコで結婚しました〜なシドとベイブ(こんな感じです)

 

7セント半の賃上げ要求さもなければストライキっていう社会派コメディっぽい。

1950年代のお話だから衣装がオールディーズ(古き良きアメリカ)っぽさあって可愛いかった!

あと舞台セットは固定が背面の工場の背景っぽいやつだけであとは全部可動式でキャストの方がぐるぐる回したり女子キャストがミシン台でフォーメーション作るのが最高に気持ちよかった気持ち良いというかああいう動きが大好き…

あと森にピクニックに行くシーンで背景の木のセットを全部パジャマで作ってるのも茶目っ気あって好きだった。

大体フラットな舞台だったんだけどシドの執務室のシーンは可動式の四角い台を使って高さの違うそれぞれを組み合わせて執務室っぽさ出すのとかそれが工場の施設になったりするのとか面白かった

シドとベイブの恋が中心なんだけどベイブの出番意外と少ないな?大丈夫か?ってなるくらい工場の社員たち一人一人の見せ場が多くて!みんなそれぞれどんなキャラクターなのかって分かる見せ方で群像劇ではない…?軍属劇なのかな…?ピクニックのシーンはほぼシドとベイブがデート中でいないから社員たち各々の見せ場って感じで縄跳びしたり高跳びしたり凄く可愛かったしこうやってちゃんと見せ場があるの良いな〜っていう気持ち。人物一人一人の描き方が丁寧だなぁという印象。

アクロバティックだったりする動きとかダンスも格好良いな〜ってなったんだけど足に二人三脚の紐つけたまま踊るのとかシドとベイブを取り囲んで椅子を使って踊る振り付けがめっちゃ良かった!あと秘密のバー(ジョーに聞いたが合言葉のバー)でのタンゴっぽい振り付け(なのかな?)とか男女組み合わせのカップルダンスみたいなのが結構多かった気がする男女同数だったし。タップダンスもどっかであったし振り付け良いな〜素敵だった。

歌が別に悪かったとかではなく曲よりも振り付けの方が好きというか印象に残る感じ。

リプライズというか同じ歌を別の人が歌うのが結構多くて良かった。

シド・ベイブ・チャーリーが三角関係なんだけどこの3人が同じ歌を歌うのも良き〜〜〜〜ってなった好き。

チャーリーがひたすら良いやつで…単にいいやつなのかと思ったらベイブが好きだったらしく(早く言えよ!!!!!)いや〜好きな女の幸せが俺の幸せとか言ってる場合じゃないからな????自分の幸せが1番だからな????彼には可愛い彼女見つかって欲しいね〜

よくある田舎の工場〜って感じの狭い範囲での人間関係がドロドロしてて地獄かよって感じもあったけど(工事内にカップル3組ぐらいいる・そのうち1組は不倫カップル)ベイブがシドと初めて出会ってすぐ恋に落ちるんだけどみんなすぐ噂する〜みたいな歌があってちょっと話したら好きなの?とか付き合ってるの?とか本当田舎は人の恋愛くらいしか娯楽がないの地獄…ってなっちゃった……近所の人が噂話してるとか…やだ…

まあそんな田舎で噂話が趣味の女とセンスの悪い男しかいないようなところで出会う知的なシカゴ生まれの男と(シカゴも田舎では?)苦情委員会で上層部に立ち向かう勇気のある強い女が出会うんですよ…

ピクニックでナイフ投げの男の被験者?になるベイブにシドが怒るんだけど本当に向こう見ずって感じじゃなくて危なっかしい…まあナイフ投げの男を信用しているから(名前忘れた)でも丸い板に縛り付けられてぐるぐる回されるのつらくないのかな…

シドの格好良さとプレッツの下半身緩すぎる問題とナイフ投げのヤキモチ焼きの男とチャーリーは優しすぎたんだな…ベイブには少し強引な男の方が良かったんだな…と(田舎の男ろくな奴がいない)

まあ噂好きの女子ーズめっちゃ可愛くてストライキの一環でノロノロ作戦を実行する時の喋り方もスローになる感じとかタバコもスパスパ吸っちゃうようなはすっぱ感(古い)のある女子ーズ本当一人一人個性的で可愛かった!スカートの下にちゃんとパニエ?か何か履いてて裾持って踊るの本当に可愛かった〜ドレスも可愛いしお着替え多くてテンション上がる。

あと女子ーズはミシン台のフォーメーションの作り方が本当凄くて斜めに二列からの横一列そっからまた斜め二列に戻るのとか丸くなって時間管理担当のナイフ投げの男を囲むのとか。フォーメーションの美しさは本当凄かったあれは良いものですね…!!!!

社長さんが明らかに悪い奴で笑ってしまったんだけど(二重帳簿を持ってて役員には従業員の賃上げしたって報告してた)工場長ってそんなに権限あるんですねというかシドがただのいい男すぎて(でもベイブを解雇したりするから失敗もしてる)

あと北翔さんて退団したばかりなのにそんなすぐキスシーンのある役で大丈夫???ってちょっと心配になったのと二幕明けと最後のカテコでの服装がえっちすぎて心配になった(二幕明けはつなぎ?からの見せブラ+すけすけの黒い服、カテコは彼シャツ上だけ)

カテコでパジャマ着て出てくる女子ーズもめっちゃ可愛かったんだけどなぜか男性キャストが半ズボン履いてる人たちのおみ脚がすごく綺麗(つるつる)で気になった。

中劇場の使い方というかなるほどこういう風に見せるのかというのが面白かった!前は大劇場で見たから、中劇場はこう使うんだというのが面白かった〜劇場に備え付けの幕じゃなくてセットとしての幕を用意して使ってたのも面白かったなこだわりだな〜使ってる布が洋服の切れ端を使ってますみたいなので可愛かった

演出目当てで行ったからあんまり個々のキャストの感想とかは特にというか…ただ全体的に可愛かったな〜っていうのと一人一人の描写が本当に細かい。別の作品だけど海外の演出家さんにモブ(本役じゃない時)でもちゃんと役の設定を自分で考えてプレゼンしてこいって言われた話を思い出した。何かそういう演じてる役者さんの自主性というか一人一人が役を作り込んでいる感じがすごく素敵だった!

振付ニック・ウィンストン(Nick Winston)
現在、ロンドンミュージカル界で、トップ10に入る振付家として注目を集める。

紹介文がすごい。(本当にすごい人だと思う)

ハッピー明るいミュージカルなのに社会的なテーマを内包していて(賃上げ要求)とても良い作品だと思ったんだけどなんかこう全体的に……(好みの問題)演出も面白かったし振り付け好きだな〜と思ったんだけど曲があんまり印象に残らなかったからなのかな…?お芝居はキャッチボールだから舞台の上から投げられるものをちゃんと受け止めようという気持ちが大事という事を教わったんだけどそれがうまく実践できていなかったので反省……

オーランドー

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嵐の中を見に来たら電車が運転見合せなのでその隙に書いています。嵐の中芝居を観に来るのは速水真澄くらいだと思ってたら客席すごく埋まっててみんな速水真澄なんだと思う(終演後の運転見合せですのアナウンスにどよめいていたけど)

 

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すごく面白かった!毎回言うけど凄く面白かった。オーランドーは性別も時代も飛び越えるって事で時代は16〜21世紀、オーランドーの16際から36歳、オーランドーは30歳の時に女性になる。16世紀から始まって21世紀で終わるんだけど時代の移り変わり、途中で性別が変わる事によってオーランドー自身が社会に対してどう向き合うか、社会からどう扱われるかみたいな事がどんどん変化していってオーランドー自身は何も変わっていない様にもその時々で柔軟に変化し続けてる様にも見えて面白かった。

 

16世紀の少年のオーランドーはサーシャというロシアの姫に出会って恋をするんだけど17世紀に裏切られて、オーランドー自身は18世紀に女性になって(二幕から女性で登場するオーランドー)19世紀で恋人を求めて結婚して20世紀でまたサーシャを求めて21世紀のオーランドーは詩を書いた

全くもってお話が意味不明にしか説明出来ないけどこれ多分文章で読んでも意味不明だろうなと思うから原作の小説を読む気にはなれないんだけどお芝居でならまた観たい。余裕さえあれば2回くらい観たかった。日本初演って事でこれから再演も期待できるのかな?

難しい?と言えば難しいのかもしれないけど理解するよりももっとなんか色々楽しんでしまった。何よりビジュアルとか役者さんの演技とか。台詞が三人称"オーランドーは〜"とか"彼女は〜"で語られるの面白かったオーランドー以外は彼女を語るために存在するみたいな。

オーランドー自身でさえもオーランドーを語るための存在の様な、オーランドーは詩人でずっと様々な時代を生きる中でも同じ詩をずっと書き続けようとしている。

詩を完成させようとしているオーランドーの話?と思えばいいのかなよく分からないけど

会話よりは説明する台詞の方が多くて多分文字にしたら膨大な量なんだろうなと思う台詞をすらすら喋り捲る役者さんたちの力がめっちゃ強いというか台詞をちゃんと自分の言葉にしてるのが好きだなぁと思った文語口調で喋り捲るのに文章じゃなくて言葉として存在するというか。

私は書き言葉も喋る言葉とそんなに変わらないけど喋る言葉と書く言葉は本来別物で書き言葉を喋る難しさというかそれが音声で入って来ても何となくすらっと聞き流しちゃうんだけどまあ台詞回しが良かったよねという話

ロシアの姫サーシャとオーランドーがフランス語で会話をするから周りの人間が通訳します!って言って説明されるの面白かった

ロシア語フランス語イタリア語出て来たしイケテツさんは美声を披露するし最高

若い女優さんたちとベテランおじさんたちなの素晴らしいキャスティング

主役の多部さんは(多部未華子)映像で見てる時も好きだったけどサロメの舞台をやっているの映像で見てこの人のお芝居生で見たい!と思っていたし生で見てやっぱり凄く良かった。好きだ。(元々好きなタイプなのはわかっていた)

少年のオーランドーから青年のオーランドー、貴婦人のオーランドー、近代女性のオーランドー、現代のオーランドーを変化と変化しない部分の演じ分けというかオーランドーはずっと死への憧憬があるとか、時々憂鬱にとらわれるとか、時代が変わっても性別が変わってもそれだけは変わらないオーランドー。

周囲の人たちは役も色々変化していくんだけどオーランドーはオーランドーのままで。何とも不思議な役だなぁと思った。

16世紀のオーランドーは短髪17世紀世紀のオーランドーは長髪、18世紀のオーランドーは貴婦人(高く結い上げた髪型)、19世紀のオーランドーはビクトリア調、20世紀のオーランドーはモダンガールっぽく、21世紀のオーランドーはドレスを着て多部さんの現在にも近い感じで16世紀世紀のオーランドーと17世紀のオーランドーの瑞々しさがイチオシ…オーランドーが女の子の絡みも最高のやつ…あと影絵で見る情事のシーンがめっちゃエロかったしそのあと女になったオーランドーが一糸まとわぬ姿で〜にすごくどきっとした…

 青年オーランドーが情欲?を覚えるシーンで股間を抑えるのがすごくえっちくて良かった…股間を抑える多部ちゃん.......

2幕からオーランドーが女性になって登場するんだけど男性から女性になって戸惑うオーランドーの態度がすごく倒錯的だったし、元々演じている多部さんは女性で男性を演じて男性から女性になった人を演じているという構造が複雑化していく感じがすごく良かったし宝塚の男役の人みたいでもあった。

男性っぽい仕草・態度はわざとらしくないのに女性らしい仕草・態度はわざとらしく演じるとか。

オーランドーが今生きている時代によって己を形作られているみたいな台詞があってなんていうかすごく印象的であったけど自分がどうある事を求められるか、みたいなオーランドーは男性であった時に女性に求めたものを女性になった時に求めていた振る舞いができないとか。時代によってその性別のあり方というか振る舞いが違うとか。

オーランドーは男でもあり女でもあったとかそういう台詞がすごく面白くてシェイクスピア劇の様なお芝居でもあった様な。文語調の言い回しだったからかな。

演出的にすごく好きだー!ってなったのはサーシャがスケートを滑りながらくるくる回ってくるところとかサーシャとオーランドーが2人ですべてってロンドンへ行くところ、凍ったテムズ川をビニールで表現するのも面白かった。

舞台の演出は画面(舞台の上)の構成力がすごく大事だと思ってるんだけどお客さんの視点を固定出来るわけじゃないから隅から隅までどこを見ても楽しめる様にしておかないといけないというか。映像は視点を固定して見せる事が出来るけど舞台はどこを見ても自由だからそこをどうするかに演出の面白さみたいなものが出るのかなと思っていて白井さんの演出はそういう構成力みたいなものがすごく好きだなと思った。偉そうな事を言ってしまったけど

あの作品を6人で構成している事がとにかくすごいなーってなったんだけどオーランドーさえいれば出来る物語なのかもと思ったし本当に不思議な作品だったなというのとそういうところと演出と役者さん含めてとても面白い舞台だった。もう1回見たら自分の中でもっと手繰り寄せる事が出来るのかなと思うくらいに自分の中でこの作品に対する理解というか輪郭みたいなものがあやふやで掴めないものという感じがする。

現代のオーランドーは何かを納得した様なラストだったんだけど。 

あらすじだけを説明するのも見た人だけにしか伝わらない感想書くのもなと思うんだけどどっちもできなくて中途半端になってしまうなといつも思う…

 

 

Headwig and the angry inch special show

www.hedwig2017.jp

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東京3日間、大阪1日だけの幻か???と思うようなスペシャルショー!本当にミュージカルでもライブでもないストーリーを極力削ったライブ+パフォーマンスって感じが1番分かりやすいかも。大体のストーリーはやるんだけど細かいところはばっさりカットだったけどでもこっちの方が分かりやすいなと思う部分もたくさんあって良かったし、何より生でオリジナルのヘドウィグ観られたことが純粋に凄い。

バンドのアングリーインチ以外の出演者はヘドウィグのジョン・キャメロン・ミッチェルとイツァークの中村中さんだけ。中村中さんがヘドウィグの代弁(語りの部分を日本語で)したりイツァークやったり、トミー・ノーシスやったりする。

ヘドウィグアンドザアングリーインチのジャパンツアーって言ってたけどまさにそんな感じ。大阪城ホールではトミー・ノーシスのライブやってるらしい(その様子をちょこちょこ挟む)東京はトミー・ノーシスはどこの会場使ってたんだろうな…(笑)

元々ヘドウィグの映画が好きで日本版でもミュージカルでやってると後から知って見に行きたいなーいつかはと思っていたからまさかこんな風にジョン・キャメロン・ミッチェルのヘドウィグを見ることにはなるとは思わなかった本当にヘドウィグだ!以外の感想が見つからないくらいにはヘドウィグだった

客席降りしてお客さんに絡んでいったりお客さんの膝の上に乗っちゃったり(ご褒美だ!)する振る舞いも本当ヘドウィグだー!って感動するしきりで…イツァークに対する態度の酷さとか。ヘドウィグって自分勝手だな〜とか思う部分と求めても手に入らない幸せとか悲しいなって部分もあって好きになれるとこばかりじゃないけど本当に魅力的な人だなって言うのを改めて思った。

本当に美しくて悲しくて寂しくて格好良くて生で観られた事が夢かな???ってなるくらいの凄い時間だった。最後の言葉がグッとしみた。着飾ってないそのままの自分で、みたいな感じのお話。

中村中さんのパフォーマンスも凄く良かった!1人で足りない分を全然補うって感じの活躍っぷり!トミー・ノーシスの声も中村中さんで笑った。

最後はオリジンオブラブ(愛の起源)の対になる曲End of Loveでの締めなのも凄く良かった

いや本当ジョン・キャメロン・ミッチェルは凄い…もの凄くキュートだしクールだしお茶目だし…夢みたいな時間だった…

ところでヘドウィグ見るとこの絵本を思い出す

www.ehonnavi.net

ジョン・キャメロン・ミッチェルはおいくつなんだ本当美しかった…

オリジナルをこの目で見ると思わなかったしオリジナル見たからには日本版も見たいなー!これフラグじゃないの??やる??って言っておく

オーファンズ 2017

2017年のオーファンズ初日を見てきました

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2016年のオーファンズも見てるのでキャスト・演出違いで再び。やっぱりこのお話がすごい好きだなーってなるのとこんなお話だったっけ?って思ってやっぱり全然違う。細貝さんと佐藤さんの兄弟はめちゃくちゃガタイが良い。加藤さんが小柄だから余計に…ハロルドは大体小柄な俳優さんが演じられるのかなと思うけれど。濃密なというか3人芝居の会話劇で1人分の台詞が凄く多くて大変そうだな…って汗びっしゃびしゃだった。あと初日だから独特の緊張感。

本当に大変だろうな〜と思うしアフタートークで失敗しても誰も助けられないという話があって本当に大変だな〜って…会場が大分広くなってもうちょっときゅっとしたところで見たいんだよな〜と思ったのはあれど本当に良い作品なのでぜひ

ネタバレしない感想としては細貝さんがめっちゃ美人だったって事を主張しておきたい33歳になったばっかりって言ってたけど美人…

 

 

と言うことでネタバレ

オーファンズはまずハロルドが1番好きで、っていう話をしたいんだけどあんな愛のあるおじさんなかなかいない…出会った瞬間にこいつらに愛を与えてあげられるのは俺だけだって思うおじさん…おじさん…デットエンドキッズ…っていうところが本当にツボで、ハロルドはデットエンドキッズってトリートに呼びかけるけどそれは昔の自分に対する呼びかけでもあるかなと思う。あと死んでいった仲間たちとか。

トリートはフィリップから全部奪って抑えつける事でフィリップを自分の側に置こうと、自分から離れていってしまう事を恐れて、何もかも奪ってるんだけどそんなフィリップに全てを与えて広い世界を見せようとするのがハロルドなんだけどお兄ちゃんからしたらハロルドからフィリップに与えられるものって全て自分が奪ってきたものだし、自分から離れてしまう要因になるかもしれないものばっかりで不安で不安でしょうがないっていうトリートの焦燥感とか孤独とかが凄く好きなんだけどそれを全部怒りと暴力にぶつけて誤魔化してるトリートを見抜いてトリートにも与え続けるけど、トリートには与えるだけじゃなくて自覚させることが必要で、トリートを"変化"させる事は凄く難しくて反発したままハロルドから与えられ続けてた愛をやっと素直に受け入れられるのがハロルドが死んだ後っていうのが何ともこのお話の淋しいとこなんだけどやっぱり凄く好き。最後に泣き叫ぶトリートとそれを後ろから抱き締めるフィリップで終わるんだけどハロルドによって与える愛を教えて貰ったフィリップだからできるんだよね…と言うところが凄く愛おしい……兄ちゃんが守ってやるからな、だけじゃなくてフィリップも本当はトリートにしてあげたい事があったんじゃないか何もできないと思わされてきただけじゃないか、みたいな事とか。

ハロルドがよく元気付けてやる〜って言ってやる肩を抱く動作をすんなり受け入れるフィリップと頑なに拒んで触るな!って逃げ回るトリート、ハロルドが死んだ後に触った事なかったって凄く愛おしそうに触るトリート…にやっぱり凄くグッとくるし細貝さんのトリートがめちゃくちゃ美人でハッとした。

1幕は貧乏な孤児で2幕は良いスーツを着せられてパリッとしたのちの2幕後半での取り乱しっぷりがやばいんだけどそのパリっとしたスーツを着ていながらも細貝さん美人だな?ってなったから美人力が強い

あとスーツにガンホルダーで性癖を貫かれる人めちゃくちゃいるでしよってなったのでとても良かった。スーツに帽子でマフィアって感じなんだけど細貝さんはどこかしら女優感というかああいう格好してても滲み出る女性っぽさというか柔らかさがあるのなんでだろうってちょっとに思ったので細貝さん推しの方に教えて欲しい。

細貝さん以外のお2人の話もしたいんだけど加藤さんも佐藤さんも初めて拝見して佐藤さんのフィリップめちゃくちゃ大っきくない?と思ったけど大型犬ぽさあった髪型もふわふわだし2幕で髪ペタッとしてるのも可愛いけどバス中の黒人を再現しろ〜のとこでめっちゃ強くて笑ってしまった生成くんのフィリップはあそこでめちゃくちゃ頑張ってるイメージあったんだけど佐藤さんのフィリップ普通にめっちゃ強い

加藤さんのハロルドはこのハロルドがお料理作ってくれるの可愛くない???ってなったしアフタートークで話してた猿轡外しチャレンジの成功率が低すぎて笑った。あの猿轡と縄はずしのシーンの前にめちゃくちゃちゃんと縛られてるよ!って言うのを見せられるからフィリップと話してるうちに外せてしまうハロルドにフィリップも見てる側も一気に惹きつけられてしまうのがとても好きなんだけど。

トリートの兄ちゃんは〜って言うのがめちゃくちゃツボで…去年はトリートの"兄貴"だったから兄ちゃんって自分で言うのかの兄ちゃんって感じがよりフィリップの"兄ちゃん"でい続けないといけなかったというかそれしかなかったお兄ちゃんって感じで良かった

女も教育も外の世界もトリートにとっては全てが自分からフィリップを奪うものでしかなかったって大分弟依存の強いお兄ちゃんだなと思ったんだけど全てを取り上げられてもなお求め続けたフィリップに対してトリートの方がやっぱり弱い人間だからかな、トリートがフィリップに与えられるものより奪ってるものが多いのが辛いんだけどトリートは"与えられなかった"子供だから"与えられない"っていうのが

トリートとフィリップの世界って凄く小さな2人だけの世界で2人だけで作ってきたその小さな世界にやすやすと足を踏みいれるハロルド、あっさり受け入れてしまうフィリップってトリートにとって本当に一晩で人生がまるで逆転してしまう様な自分がフィリップにとっていらない人間になってしまったんじゃないかっていう疎外感とかトリートに感情移入してしまうところが多い。フィリップがいなくなってしまってかもしれないと思ったときにクローゼットからママのコートを出して縋り付く”幼児”のトリートとかが本当に好きなんでトリートがあんなに暴力的で威圧的なのか、がそこで分かる気がする。

"孤児"が生き続ける事は難しい、から生きてるだけでえらいみたいな事を言いつづけてフィリップを褒めるハロルドと、なかなか自分を認めくれようとしない、信頼を欲しがるトリートの関係が本当親子みたいだし、フィリップ・トリートのママの話とか女は好きか?の話題とか本当に男臭い話なんだけどそういうとこも擬似親子っぽくて良い。

孤児たちによる家族ごっこって言ってもいいような感じ。

 何故か2016年版の時よりも食べものが存在感が減った気がしてしまったんだけど(去年は見終わった後に凄くキャベツとコンビーフ煮込み食べたくなった)ブイヤベースはちゃんと中身が入ってたみたいなのに何でだろ…

あとセットの違いなんだけどフィリップが窓を開けてハイヒール取りに行くシーンが裏で行われてたのがちょっと残念だった

後ラスト付近の演出がちょっとくどいかなと言う感じもしたけどそれは個人的な好みの問題として。シーン変えが多くて暗転が多いのも人によっては好みが分かれるかなこればっかりはシーン替えが多いからってなるけど

翻訳劇において外国人っぽい喋り方だな?ってなるのは役者さんが翻訳口調の台詞に合わせちゃうのかそれともそう言う演出をつけるのか分からないけどかなり外国人っぽさのある台詞回しだったけどアメリカ〜!って感じがして良かったのかもしれない。

 何度でもキャスト違い演出違いで見たい〜!ってなるのはこのお話が凄く良くできた作品だからだと思うんだけどまた色んな役者さんで見たい!オーファンズがこれからも上演されつづけて欲しい!

あやめ十八番 三英花 煙夕空

前々から評判を聞いて気になっていたあやめ十八番が初の地方公演ということで行ってきた

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Next Stage | あやめ十八番

あらすじ

骨董商・尼子鬼平は眼が見えぬ。故に、彼は惑わない。
贋作家たちの緻密な細工も、精巧な色遣いも、尼子は見ようとしなかった。    
“真贋は釉薬の下に潜んでいる。”
若い尼子は既に、骨董の真理に迫っていた。

或る夜、尼子の師・織部雨左衛門が自室で殺害される。
容疑をかけられたのは、雨左衛門の妻・やゑ。妻は、犯行を認めている。
尼子は、やゑを見ようとしなかった。
一人、釉薬の下に隠された真贋を見極めようとしている。


黄昏時、尼子は事件の目撃者たちを集め、話を聞くことにした。

証言台に上ったのは、日本刀、壺、幽霊絵。

とりあえず言いたいことは凄く好きなタイプのお芝居だった!色々ぐだぐだ感想を書いてしまうけど本当に好きなお芝居だったという事だけ先に書いておきたい。

好きだ!面白い!ってシンプルに言うだけでも良いなって思うしでもこねくりまわしたい性分なので詳細を解説しながら感想を書いてしまうでも本当にシンプルに面白かった

面白かったし、場所(会場がお寺のホール、裏が墓地)の雰囲気と作品の雰囲気が相まってすごく呪術的なお芝居だなと思ったんだけど古典芸能には祓い、場を清めると言う意味のある演目もあるしそういう古典芸能の要素を感じるなと思ったし落語みたいだなと思う部分もあったんだけどまさに狙いがある様で納得した

ayame-no18.com

歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の
古典芸能を基礎とし、古典のエッセンスを
盗み現代劇の中に昇華することと、
現代人の感覚で古典演劇を再構築する
ことの、両面から創作活動を行っている。

三方囲み舞台で会場にはお寺の御本尊が鎮座していて、あの会場に御本尊があるのも初めて知ったんだけどいつもは隠した状態で劇場として使っているから見える状態でお芝居を上演するのは初という事らしくでも作品の雰囲気ととても合っているというかその状態だからこそまた感じる雰囲気を作り出していて良かった。ちょっと厳かな気持ちになるという不思議。海外だと教会でお芝居をする事はあるんだろうか…?教会をホールしてコンサートやるところはあるけれど

舞台セットというセットはなくて床面に盤面が引かれていたけどお話の中で将棋を指すシーンが出てきてそれで盤面がモチーフなのかと思ったのとお話も相手の裏を読むとか腹の探り合いをするみたいなまるで将棋の差し合いの様に進んでいったり、1人の登場人物を複数の役者の声色で発声したり(本人はその役以外の役で声を使うのでそこで本人の声を使わないのかもしれない)腹話術、操り人形的な演出も凄く好きだったのと、登場人物(?)に骨董品の壺、幽霊絵の掛け軸、幽霊斬りの刀が出てくるけどそれを演じる役者さんは人の見た目のままで、その表象を影絵を使って現すというのも凄く良かった。あと蔵に住み着いている蜘蛛がストーリーテラーの様なラストのオチの鍵を握っていたけどそれも影絵で出てきたり、指を使って表現したり、小劇場というかこの空間ならではの演出の面白さというかを感じて面白かった。東京での劇場も凄く凝ったところだったようで確かに上演する会場を選んだ方が面白いだろうし、映像にも残らないらしいので生で見られて良かった。多分あの会場なら席をもっと置ける様なきがするけどあの舞台にするためにかなり減らしているのかな?と思った。

小劇場でのお芝居ってセットが簡素だったりする分役者さんの想像して見せる力と見る側の想像して見る側のイメージがそれぞれの脳内で共有できないと表現できないところが凄く好きでそこの部分の噛み合わせがうまくいかないと全くつまらないお芝居になってしまうから大劇場で見る豪奢なお芝居も好きだけど小劇場ならではの作品に巻き込まれるというか呑み込まれてしまう感じもとても好き。

今回の作品については呪われたという気がしたけれど。

幽霊斬りの刀が銘は違えどにっかり青江をモデルにしているようで、某オンラインゲームで青江が好きなのでとても喜んでしまったこんなところで出会うとは。その刀は本当の幽霊斬りの刀ではなく贋作だったけれど守り刀として主人に大切にされたからたとえ贋作といえどこの家の守り刀でいたいという気持ちが凄く良かった。モノに命が宿る、付喪神という概念がある日本ならではというかモノを演じるって役者さんも凄いよくよく考えたら擬人化なのだし本当に日本の面白い文化だとしみじみ

盤面のセットの四隅でなく六ヶ所かな?に灯が灯されていてまるで怪談噺を聞いている様でもあったし、生演奏だったけど演奏されている方が役者でもあったし他の役者の方も楽器演奏したりして本当に呪術みたいなお芝居だった。最初と最後のシーンが一緒で呪いを閉じて終わるみたいな感じも面白かった

あやめ十八番代表の堀越さんがWキャストで出演されていたのだけど女性の役をやったり詐欺師の様な人を欺く骨董屋だったり(ちょっと京極堂を思い出した)凄く役者としての表現も好きだったんだけどさらに作・演出されてるのが凄い、全体的に動きというか会話劇というか台詞の言い回しが凄く好きだったんだけど結構な台詞量でまくしたてられるからそれも単純に凄いなと思ったんだけどなにより発声がとても良かったあの台詞量でも聞き続けられるの凄いなと思ったり単純に言葉を重視してお芝居を見ているというのもあるけど

盲目の役を演じていて某作品を見てから盲目の役の演じ方についてどう演じるのか興味があって凄く見てたんだけどこちらを向いているのに目が合わないのは本当に見えていないという気がしたしやっぱり見えているのに見えていない様に演じる方がいいのではとか…(某作品で本当に見えていない状態で演じていたのを踏まえて)

お芝居を見る事、についての自分の姿勢というかを最近迷っていたりしたけどやっぱり見たいと思う面白そうな見るという方向性でいいんじゃないかなと思う素敵な出会いだったのでこれからのあやめ十八番の活動も気にしていきたい

 

ちなみに見に行こうと思ったきっかけが谷賢一さんのブログで絶賛されていた事なのでそのツイートを参照しておく

 知り合いの方が谷さんのファンで去年のオーファンズが谷さんの翻訳で今年白蟻の巣で初めて演出を見たんだけどもっと見てみたい