I was stage gazer

星を追う

I love a piano

一台のピアノとそのピアノに惹かれた作曲家とその恋人の話、って感のお話。40年をさらっと1時間半で綴るミュージカル。使われてる曲が全部既存曲というか、ある1人の作曲家の曲、らしい。このお話のために作られた曲ではないんだろうな〜って言うのを感じるとショーっぽい

公演詳細 | StageGate [ステージゲート]

ショーでいいのか?

作曲家が恋人にプレゼントするために作ってる曲がホワイトクリスマス、だったからこれクリスマスの時期にやればぴったりだったのでは〜〜!恋人と見るミュージカル!!!!!とか余計な事を考えてしまった。タイトル通りにいつもピアノのの側で物語が進んで行くんだけどピアノめっちゃ動かしてたから形はオルガン型だけど多分電子ピアノだろうなとか余計な事を考えていた。オールディーズというか古き良きアメリカ〜(ピアノは1926年生まれ)って感じの選曲で、すごく楽しかったけどミュージカルというよりショーとして見るのがしっくりくるかなぁって。物語がないわけではないだ随分さらっと進むから。恋人のサリーと出会い、別れ、ピアノを手放し、音楽家の夢を叶えて、戦争に行き、ピアノと再会したと思ったらサリーにも再会して、サリーにプレゼントするはずだった曲を完成させてプレゼント。

物語としてはとてもさらっとしていて、もっとガツンと起承転結が欲しいと思ってしまうんだけどショーでいいのかな?でも一応ストーリーはあるんだよって、って私がちょっと戸惑った。良い曲が多いし、ソシアルダンスもタップもあって本当に見所たくさんあって楽しい。禁酒法大恐慌、太平洋戦争(真珠湾攻撃)とかアメリカの近代史を辿る様でもあるし。

演出がYGCBの小林さんだからか、ところどころYGCBを思い出したりタップ指導がSHOWル・リアンの演出の本間さんと聞いてル・リアンを思い出したり。

お衣装も代わる代わる、レオンとサリーも男性キャスト、女性キャストがそれぞれの年代を演じる、ちょこちょこ挟まれる小ネタ(気づいたのは乳首ドリル、上沼●美子的な番組名)とかも細かい…細かい

男性陣は全員拝見した事がある、(むしろ上口さんと屋良さんを拝見したくて行った)女性陣は全員初めて拝見したのだけど樹里さんのコメディエンヌっぷりと流石の元ジェンヌっぷりが凄くてアダムスファミリーにもご出演される様なので楽しみ。

あと吉沢梨絵さんに目を惹かれた好みなのかな…ハンプトン(上沼●美子的な)がとても素敵だった。可愛らしくて。

イキウメ / 天の敵

去年太陽で初めて見たけど面白かったから次も見るぞ〜!と思って天の敵控えめに言ってめっちゃ面白かった…イキウメは良いぞ…面白いところを話すのネタバレになるからイキウメは良いぞ…って伝えて回りたいイキウメは良いぞ…

 

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とりあえずあらすじはこんな感じ

ライターの寺泊は、食事療法の取材中、戦後まもない1947年に「完全食と不食」について論文を書いた医師、長谷川卯太郎を知る。
その卯太郎の写真が料理家の橋本和夫に酷似していたことで、寺泊は二人の血縁を疑い、橋本に取材を申し込む。
菜食の料理家として人気を博す橋本のルーツは、食事療法を推進していた医師、卯太郎にあると考えたのだ。
「いや …… 長谷川卯太郎は私です。今年で122歳になる」
(引用:イキウメ公式HP)

長生ものとくれば不死身か?そうでないのか?が気になる深刻な繭期。太陽の時も繭期の人は好きだから見てって勧めたけど繭期の人は見よう。こう色々と刺さるものがあるぞ…橋本和夫のキッチンアトリエはファルスの研究室っぽい(イメージ)

 

ネタバレしながらしか感想が書けないので、"完全食"を探していた橋本和夫こと長谷川卯太郎がたどり着いたのが"血液"それも人間の!医者として科学者として、一線を超えてみた。血を飲み始めると、代償に他の食べ物を受け付けなくなる、太陽の下を歩けなくなる。生命が宿るものにはそれだけエネルギーがあると言う話になるほど〜ってなったんだけど血液は物凄く汚い、と聞いたことがあるのでそこらへんは個人的には抵抗がある…〇〇より汚いみたいな話があるけどうん…吸血鬼ではなく、飲血者と表現する。

血を飲むことで若さを保ち、病気を克服して、身体能力を高められる、だけど生殖能力はない、飲食という娯楽がない。ご飯を食べる事を楽しみに生きてる人間としては無理だ…と思う。あとこの設定は太陽のノクスとキュリオだな〜って。老化も寿命も受け入れて人間らしく生きるか、不老と健康を手に入れて人間らしさを失うか。こうざっくり言っちゃうのは乱暴な気がするし、他にもいろんな要素があるのだけど

卯太郎は自分の事を"観察者"と言うけど本当に最初の料理を作るシーンから寺泊の様子を見ているのとか本当に"観察者"という雰囲気ずーっと見てるあれは本当の事を話すかどうか見極めている節もあるのだろうけど。あと死を受け入れた者の顔を見ている。寺泊が持病、について受け入れてるといった時の卯太郎の表情の変化があったのだろうか細かいところもうちょっと見たい

現在の卯太郎と寺泊が話しているシーンがメインだからほぼ2人芝居なのでは?他のキャストの方どうするんだろうと思ったら2人が話している現在、と卯太郎のこれまでの人生(過去)のシーンが重なって繰り広げられて皆さん色んな役をしてらっしゃるし、現在がちょこちょこ過去に干渉する時間軸なのが面白かった

それにしても卯太郎と玉田にアーーッてなるやつだった「太陽」的な配役の意味で…玉田は飲血を望んだかな〜…科学的な挑戦のため、から不老を失えなくなってしまった卯太郎が愛する者の失う悲しみ(最初の奥さん名前なんだったっけ)また再び失うかもしれない事を断ち切るために飲血をやめると言う決断に至るのがとても良きでしたね…めぐみだけは飲血をしないって言う保証があるとは限らないけれど…とても2人の関係が愛おしかった。あと写真を撮るのがこうこの〜〜〜〜って感じ。その写真渡してくれっていうのも…不老者が自分の意思で不老者をやめる事で出来て良かった優しい世界。それが出来ないから不老不死ものは辛いのよね

ベジタリアンの血で太陽を克服してしまったのがノクスが越えられなかった一線を越えてしまった、でもきっと生殖能力はその必要がないから多分絶対無理なんだろうな飲血者が増えるとまた血を巡って戦争が起こるだろうという予見は何かこう色々考えされられるところがある…

人間は太陽を作り出してしまった、がこう1番何かこう…と思った。

イキウメの描くそんなに遠いところにあるわけでない少し不思議(SF)な世界という気がして見終わったあとにう〜〜〜〜ん…って考える心地良さがある。面白いな〜。時枝のお話も不思議だった…人間ではないものになった時枝…

パチンパチンとフラッシュの焚かれる音と光と共にお話が切り替わって展開していく感じが最初ちょっとぞくっとした。少しずつ切り取られた世界なのかな〜

太陽のノクスは吸血鬼みたい〜ってなるけど今回完全に吸血鬼だったのに笑ってしまった吸血鬼、ではなく飲血者、だけど。不完全な人間、という生き物に対しての愛を感じるのがめちゃくちゃ好きだ。

イキウメはまた見たいな〜〜 と思うのと未だにオークボヒトエさんの年齢不詳感が凄い…本当に10代かと思う…玉田めっちゃよかったあとめぐみ〜〜めぐみ〜〜髪の毛下ろしてるのとあげてるので大分イメージ変わるめぐみ。村岡希美さんをもしかしたらキネマと恋人ぶりに見たのでは?と存在感の面白い女優さんだ〜〜冒頭の料理番組のタレントが好き。

とりあえずプレイヤーのチケットはすでに確保済みなのと散歩する侵略者と、関数ドミノと、とめちゃくちゃイキウメの作品上映予定があるので逃さず見に行こうと思うイキウメは良いぞ

 

6/11追記

千秋楽で最前ドセンの席がご用意されて3秒クッキングで前に出てくる時近いなーってなるお席だった。前に出てくる時と舞台中央に戻る時の照明の切り替え方が細かくて面白かった。2回目見ると卯太郎が糸魚川に飲血を勧めたけれど断られて、どこかへ行こうとした時にヒロアキが現れてまた卯太郎を必要とした、だから卯太郎は死ななかったんだなと思うけど医学に貢献しないと救われない気持ちと。寺泊が救われたかったんですか?って聞くけど卯太郎は救われたかったんだと思う。医学的に何か有益な事が見つかるとか。ただ私欲の為に飲血を始めたヒロアキたちが引き金になったのか、めぐみが老いていく事を実感してめぐみの時間は有限である事に気付いたからか。とかまたぼんやり考えてしまった。最後の大丈夫、大丈夫がどんな意味を含んでいるのか考え出すとちょっと怖い。

 

全然関係ないけど村井さんはイキウメ好きじゃなかろうかと思ってしまうSF的な意味で…あの世界観に似合うだろうなとかもふと思ってしまうやつ…D-BOYSは前川さんの作品に出られて羨ましいさすが大手事務所…

CLUBSEVEN ZERO

連日遊び倒している。お誘い頂いたのでCLUBSEVEN ZEROを見てきた。

誘ってくれた方の推しは吉野さん、他の知り合いの方の推しは原田さんという知り合いの推しが出ている舞台。

GEMCLUBを見た事はあったけどCLUBSEVENは初めてでレジェンド!を見るのを楽しみにしていたら予想以上に笑いがシュールだった、ハマればめちゃくちゃ面白い、ハマらなかったら辛いだろうな〜…ネタが多すぎて頭がついて行ってない。見たのはAバージョンだったからご長寿クイズ!とあとミュージカル家族がめっちゃ好き。あれはもっと見たい。あと女装が多くて噴く。香寿たつきさんがめちゃくちゃお美しい&本当年齢詐称で凄いな〜と男性陣が年相応に渋い感じなのを考えると本当に年齢詐称…東山さんと西村さんは初めて拝見したけど東山さんは体の軸のブレなさがめっちゃダンサー!って感じがするし西村さんはお茶目な方だ。蘭乃さんはヤンキー組じゃないの?って言われてるのが笑ったヤンキー…

役に入ってない時の吉野さんを拝見するのが初めてであんなにお茶目でふわふわ不思議ちゃんだとは思わなくて衝撃的だった。何でもやります!って感じの人なんだなイメージが、とか心配しなくて大丈夫?PPAPのモノマネをする吉野圭吾とかパーフェクトヒューマンを歌う吉野圭吾は予想してなかったよ?

3時間あっという間に終わってしまってびっくりしたとにかく歌いまくって踊りまくってなおかつコントを繰り広げるカオスさ。今まで1番平均年齢の高いCLUBSEVENらしいけど本当に体力的にも凄いな〜。歌の分量をもうちょっと…って1幕で思った部分をばっちり50音順メドレーできっちり補完する。

とにかく早着替えが多くて大変だろうな〜ってあまりに情報量が多くてわ〜って思ってるうちに終わる…。

 J-POPを歌うミュージカル俳優って確かに他では見られないな〜というのがCLUBSEVENの楽しさなのかな〜それにしてもコントが多いミュージカルコントも多いけど。

何とはなしに原田さんを勧められて見に行く事が多いんだけどお歌が好きだ〜と改めて思ったからまた見に行く機会が欲しいな〜と東宝さん仕事ください!って言ってたけど本当に東宝系のお仕事をというかCLUBSEVENも東宝系のお仕事では?

誰かが推しているというだけで信頼感が増すのだけど人の推しを見に行く事はよって自分の推しも見にきてくれよなって言えるから結局は人の推しを見る事は自分の推しの為になる情けは人の為ならず(?)

アフタートークで吉野さんが毎日千秋楽だと思ってる、初日はない!って仰っていて初日クォリティ…と思わせない自信と自負があるってとても素敵だな〜と思って、いつでも誰かの千秋楽だから見にくるお客さんにとって初日も何も無いわけで(気持ちの部分ではあるけど)初日クォリティwwって思わせないで欲しいな〜ってしみじみ思ってしまった。

モノモース エンドルフィン

エンドルフィンとは

エンドルフィン(endorphin)は、脳内で機能する神経伝達物質のひとつである。内在性オピオイドであり、モルヒネ同様の作用を示す。特に、脳内の「報酬系」に多く分布する。内在性鎮痛系にかかわり、また多幸感をもたらすと考えられている。そのため脳内麻薬と呼ばれることもある。

エンドルフィン - Wikipedia

このエンドルフィンの項目が後からじわじわ効いてくる作中でも説明されるけど。

 

ネタバレあり

トーリーはざっくり言うとゴミの島(希望の島、通称絶望の島)で生きる少年の話

絶望の島で生への希望を持って生きるとか。自分と同じく島に捨てられた少女に希望の島なんだって言って聞かせる。

島で少年が生きていた事を知っていた&知っていて少女を捨てたあの男はなんだったのだろうか

生への執着とか誰かに覚えてて貰う、生きていた事を知って貰う事で生を肯定されるという部分がめっちゃ好きだ。誰かに生きてた事を知って貰う、誰かの存在によって自分の存在を証明されるのとか。

ただ仕事帰りの状態で見る作品じゃないなってくらいにメンタルがゴリゴリ削られる仕事帰りの観劇は見て笑って帰れるやつを選ぼう。

夕陽+盲目の女の子、でアイワズライトをゴミの島でヴルルの島を思い出すやつなんだけど本当にメンタルの抉られ方が比じゃない痛覚の話は割と無理…想像力の問題で言えば精神的に痛いよりも肉体的に痛い方が辛い。まあその両方かな。

3人芝居だけど序盤の3人が1人を演じるところが凄く良かったまたそれぞれの役に戻っていくんだけど。客席に訴えてくる感じも割と辛かった私たちにも役割が与えられているのだな〜。

あと舞台セットが全部お洋服で出来ていて小道具はトランクがあったり額があったりするんだけど食べ物は全部布だったのが面白かった表現が凄いし本当に演技も凄いんだけど本当に胃が気持ち悪くなるやつ…血が美味しいみたいな演技が本当すっげえってなる…最初のネコとか、トラックに轢かれる話から割と無理だったから腕を切るシーンが死角であんまり見えなくて良かった。絶叫が辛いのかもしれない。

何となく大塚さんとか玉置さん拝見したいという気持ちで言ったんだけど大塚さんの瞳の冷たさとか、玉置さんの少年の声色の変え方が本当前半と後半で全然違って序盤の少年がとても可愛かった声で経年が分かるのが凄いなぁと思った。

アフタートークはあんちゅ(NMB48の石塚朱里さん)と脚本演出の山崎彬さんだったけどあんちゅさんが物を大事にしよう!っていうのを感じたって言ってて凄いな〜ってそのメンタルが凄い。

お話のあらすじを説明出来ないんだけどこのエンドルフィンのタイトルの意味は死ぬ直前に謎の男に出会って死ぬ前に何がしたいって聞かれて自分の生きていた記録をスマホのボイスメモに残そうとするんだけど誰かに生きていた事を知って貰うって事が何よりも叶えたかった欲望=生への欲望って事ででスマホのボイスメモに自分の人生を話して聞かせる間幸福を感じていたと言う事なのか。何より生への欲望とか渇望が凄い。人と関わる事の幸福感とかかなとか。そう言う部分はめちゃくちゃ好きです。事前のあらすじから大分お話が変わってて詐欺なのか?ってなった

春のめざめ

enterstage.jp

性に目覚める14歳って何か露骨な…大人になる事への目覚めというか、新しい自分のめざめ、っていう感じだった。ずっと思春期っぽい閉塞感に満ちたお芝居なのかと思ったら最後の終わり方が大分開放感、というかすっきりした感じで終わるなぁと思った。中盤あたりが見ていて一番息苦しくなるような感じがした。

女の子の方が男の子より早く大人になるというか自覚させられる気がするんだけどヴェントラは随分子供だったなと思った、あと子供でいて欲しい親の気持ちもあるだろうけど子供への大人の変化に自分自身もそうだし親がそれを認められずに抑えつけようとするとか、127年前の戯曲で〜っていう話をされていたけどそいう部分は時代が変化しても普遍的な部分だし、同じ経験をした事がなくてても思春期のあの感覚は誰しもが経験するものだからやっぱり自分の事を思い出さずにはいられないな、と思った。どんなお芝居を見ても自分の中にあるものを思い返してしまう事はよくあるけどこう言う題材においては特に。

何となく見ながらbareとかリリィシュシュのすべてとか、あと別に堅苦しい言い回しが多いとかではないんだけど現代っぽい音楽との組み合わせ的になのかマームとジブシーのロミオとジュリエットを思い出した。bareはロミオとジュリエットをモチーフとして入れているし、女の子を妊娠させてしまう、とか親からの抑圧みたいなところでもすごく近いものがあるなと思った。ヴェントラが干草小屋で寝転がっただけよ、っていうのは14歳の母ってこんな感じなのかなとかそれは見てないけど

あと私は過ぎてしまった時間の事を思い出すだけなんだけど前の列にしそんくん目当てだと思われる女子中学生のグループがいてどう思うんだろうなとかちょっと気になった露骨なシーン結構あるけど大丈夫?とか。終演後のポストパフォーマンストークで白井さんが露骨なシーンがあるから実際14歳の子たちに演じてもらうわけには〜ってお話してたけど見る側に実際若い子たちがいるのはどうなんだろうな。今は何も思わなくても何年後かに思い出したりするのかな。

個人的に自家発電シーンで女神!っていう言い回しがすごく好きで女の子たちが次に生まれ変わるなら絶対男がいい〜って言うのすごく分かると思った。あの男の子にしか分からないんだろうなって感覚が結構羨ましかったりする。また女に生まれたいっていうヴェントラはすごく幸せに育ってきたんだろうなと思ったしやっぱりまだ子供なんだなっていうにも思った。

モーリッツが自殺する前にホイップを添えなくちゃっていうのも何かすごく好きだった。死ぬ前に凄く生を感じる行為をするのかって。

白い塗料を壁にベタッと塗りつけるのを最初見た時は壁に落書きとかするようなちょっと悪ガキなのかと思ってたんだけどお話が進んでいくごとにそのシーンがめちゃくちゃ出てくるから何となくあの塗料の意味もわかってくるんだけどそれにしても青少年凄い。百科事典には知りたい事が載ってない!とか時代を感じさせる…今の子は何でも間でもネットで調べられるし触れる機会も多いもんな…

舞台がぐるっとアクリル板で囲まれているだけのセットであと上に通路?があるくらいでどうやって出ハケするんだろうと思ったら結構客席使って出たり入ったりしてて2階席に座ってたから見えなかったけど客席まで巻き込まれる感じは1階席の方が強いんだろうなと思った。何となく2階席から見るとメルヒオールの放校処分を決める学校の教師たちみたいな目線の気がする。子供じゃなくて大人の目線、というか。あのアクリル板越しに見えるもの、の演出も面白かったんだけどアクリル板越しだから声も届かないのだろうかとか、あと壁に向かってばんばんうちつけるのとか。思春期…!教師たちが仮面?をつけているの恐ろしかった、表情が見えなくて同じ顔を貼り付けている大人たち怖い。親たちは素顔で向き合ってくれるけど教師たちは”教師”という体裁を持ってしか接してくれない。

モーリッツの葬式のシーンで大人たちはモーリッツの事よりも両親についての話をする、男の子たちは伝言ゲームのようにもーリッツの死体の話をしたあとにまた何事もなかったかのように宿題の話をする、女の子たちはちょっと感傷的に死を悼んでいるのかなという感じがしてこの作品を見る側の年齢、性別によってこの作品をどう見るかっていう感覚の違いを劇中で見せられた様な気がした。

30年後には笑い草だろうなの彼らが凄く好きで砂糖とシナモンの〜飲み干してしまえばいい、とか笑い草だろうなって皮肉りつつそれでも愛してるよ、っていうのとかあの刹那の感じが凄く愛おしかった。基本的にメルヒオールが自分の事しか考えてない、というか自己愛の強い子で何だかな〜と思ってしまったからからあの子達がいちばん好きだった。結局メルヒオールは自分自身を赦せる、し救えるし。行き場のない閉塞感から解放される。

まあみんな自分勝手だなと思うんだけどそれにしてもヴェントラを幼く汚れない存在に描きすぎかなと…あの時代的にはあの人物描写で全然おかしくないのかな…

メルヒオールの母親がそれまでは庇っていたのにヴェントラの事と、イギリスへ行こうとしていた事を知った時のばっさり切る感じがとても好きだな〜と思ったヴェントラの件で嫌悪を示したのかどっちだったのか覚えてないけど可愛い息子から”男”だと知った瞬間の、子供をおもちゃだと思ってる、って事はないんだろうけどやっぱり子供だと思ってるから許容出来ている範囲の事を子供じゃない、って思わされてバッサリいくのは親というか女でもある、っていう感じがする。

モーリッツの栗原さんをTake me outぶりに拝見したのだけど役にも本人を見てしまう感じがする演じられてる役が自分を否定する様な、自信がないみたいな役が多いせいなのかもしれないけどそこが面白いなとも思うし全然違う本人を思い起こさせない役でも拝見してみたいのだけど。あとラストシーンで白塗りだからカテコの前に他の人が挨拶している時に後ろで顔をゴシゴシ拭いてたのが何か可愛かった白塗りの間前では出られませんもんね…そしてそのあとその布がずっと放置されていたのが気になった。

それにしてもしそんくんの人気っぷりにびっくりした…メディアに出てる子ってやっぱり強いんだな〜って。劇場に客を呼べる役者、みたいな話を最近むらいさんが某びじゅぼ日記に書いていた事もあってこう言う事かって。作品の内容的にそんなに人が呼べる内容ではないと思うんだけど、しそんくんで客が呼べるの本当に凄い。しそんくんの一挙手一投足に沸く感じすごかった(トークの時に)

アダムスファミリーで拝見する予定のある白井さんの演出を一足先に見てみたいと思って見に行ったんだけどあのライトの使い方がとても印象的だった、あと特にセットを作らず想像力に〜っていうのも見てる側にそれぞれ想像させる意図なのは分かったし、脚本と役者を生かそうという演出なのかなって感じて、でもアダムスは全然違うタイプの作品だろうしと思って見るのが楽しみになった。

個人的に衣装のズボンが七部丈でくるぶしと靴下が見えるのつぼったんだけどあれは成長して丈が足りなくなったのかそれとも元々あの長さなのかどちらにしろ少年って感じのするいい丈の長さ…

男水

\ 男 水 /

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スタミュミュが面白かったから同じ演出の方(吉谷光太郎さん)と聞いて男水を見に行った。原作もドラマもまったく未見の状態で演出を楽しみに行ったけど本当に面白かった〜!と思えたのは原作を知らないから解釈違いを起こさなかったからか演出が好みだからなのか特に思い入れある役者がいないからか。その全部か。後方席だったけど見やすいお席でここの表情が見たい〜とかなくて持って行った双眼鏡がただのお荷物になった。演出を全体的に見たいと思うと双眼鏡つかわないな〜って。OPがドラマみたいにキャストの名前ででん!って出るのが良かった!役名と名前全く一致してなかったからありがたい。

階段のセットとか飛び込み台のついた四角い箱の様なセットをこまめにアンサンブルの皆様が動かしているのも面白かったしこの四角い箱みたいなセットのなかに大樹とかが入るのも可愛かったし箱に水面の様子を映したみたいな映像が投影されるのも本当に良くて水中の中にいるような気持ちにたびたびなってそこが本当に良かった。あと背景に空が映し出されるんだけどそれが本当にプールの中から見る空ってこんなんだよな〜ってむかーし水泳に通っていた頃の自分の感覚が呼び起こされたのも面白かった。

カワサキリョウスケが憧れの存在だった秀平がその憧れの人と同じ目線に立っているというか二人が乗ってる階段がぐるぐる回って合わさるのも同じ位置に立った!ってなるのは大変エモいなぁと思った(そればっかり)

やっぱり2時間にぎゅぎゅっとするのは難しいのだな〜と思って、幼馴染組の関係性を描く事と東ヶ丘のメンバーの変化みたいなのを中心に描いたんだろうけどやや性急すぎるところがあったり。2.5作品って難しいのだな〜

とにかく演出が好みだ…と思って楽しかったので吉谷さんの演出をまた拝見したいなと思った。メインキャストも人数多いのに、アンサンブルも同じくらいの人数居て多すぎやしないか?と思ったんだけどあの人数ならではの演出が面白いし。大人数での群舞とかではないんだけどなんていうか。とにかく画面の作り方が好きだな、と思った。舞台は誰を見るか、で視点は切り替えられるけど全体を見た時の画面の作り方が好みに合う事って結構大事かなって。どこ見ても楽しい、みたいな。

とにかく演出が好みだな〜と思ったからまた吉谷さんの手がけられる作品見たいなと思った。お話的にはもうちょっとまとまりのいいところで切って良かったかなというか2時間休憩なしが辛いのか途中ででうーん…ってなってしまうところがちょいちょいあったり登場人物があまり好きでないからかもというかいちばん好きなのはれおくんだし大樹のナチュラルクズっぽさが…いや悪い子ではないけどみんなれおくんの気持ち考えてよ!今更だよ!?って。あの世界には弱ペダの坂道くんが必要だと思うから坂道くんを連れてきてくれ。はるみちゃんはいじめられて(?)水泳をやめたんだろうけどそれでも水泳から離れられないくらい水泳が好きならまた泳げばいいのにと思ってしまったんだけど…スイムスーツみたいなのとかあるし…そういう問題じゃないのか。あと誉先輩はすごい、すごい。

開演前から舞台の両端に鏡?みたいものがあってなんなんだろうと思ったらガラスの中で空気がでる装置みたいなものだったらしくてその装置越しに泳ぐ様子を見せるのがめちゃくちゃ好きだった。ずっとぶくぶくと空気の泡が出ていてそれを見てるだけでも水中にいる様な気持ちになってとても好きだった。

あとダンスがめちゃくちゃ多い。すっごい踊る。メインキャストというよりアンサンブルの人たちがほとんど踊ってるんだけどこの時の彼の心情をダンスで〜みたいな抽象的感じじゃなくてこのダンスにちゃんと意味があって好きだな〜と思った。めちゃくちゃ踊る。ミュージカルかってくらい踊る。アンサンブルの方たち本当にすごいな〜と。セットも動かすしあと幼馴染組の回想シーンを本人たちとアンサンブルの人たちをつかって場面を2重に表現するのが不思議で面白かった。結構過去話というか回想シーンも多かったな〜。あと布の使い方がスタミュミュでも面白いな〜と思ったんだけど袖に布をつけて水泳の泳ぐシーンを表現していたのが面白かったのとカラーガード?フラッグ?をレースのシーンで使っててそれもとても面白かったし開演してすぐ紗幕がかかっている?と思ったらプロジェクションマッピングを使ってプールの映像を投影してて映像使いすぎるのは好きじゃないけどいいバランスで使っていたのではと思うとにかく演出が好きだと思った。上手から見たからセンターからもっと余すところなく見たかった。あと本当にキャストの方が飛び込むからそこはスタントとか(?)使わないんだ…?って少し心配になった。ペダステくらいキャストの体力勝負なお芝居だなと思って。スポーツものの2.5を見たのがペダステぐらいだからどうしても比べてしまうんだけどペダステは最小人数で作るお芝居なのに対して男水はめちゃくちゃ人数がおおくて対照的だな〜と思ったしでもどっちも面白いし好きだな〜。完全に演出のファンだと思ったからこれからも機会があれば見たいな〜

布の使い方〜と思ったし、あんなに幕が降りる舞台も初めて見た。うまい使い方だなと思ったけど本当に演出が面白い…

ほとんどキャストの方を初めて拝見したのだけどスーツの男たちぶりに見た安西さんはやっぱりこういう役似合うなあと思ったしカテコでの中の人は年相応に可愛らしい感じだったあと原田ダニエルがとても良かったダニエルはいい子だ…

あとみんな体毛がないすごい!とおもったら水泳選手は水の抵抗をなくすために体毛剃るんだったと思ってそういうところも忠実で良かった(?)

しかし海パン姿の男の子たちがポーズ付けてるのを見るとTRUMPのダリちゃんの人間椅子を思い出して1人でふふっとしてしまった

水泳のフォームとかよくわからないけどみんなよく研究されたフォームだ!と思ったし体力的にもすごく大変だろうなと思ったので怪我なく千秋楽を終えられますように…

舞台の上にいる内8割方海パン姿っていう作品を見ることってあまりないのだろうなと思っていい経験をした。

関西で乳首ドリルは鉄板ネタなのかここ1年くらいの間に3回くらい乳首ドリルネタを見てる…

とにかく演出のここが好きー!ってなるポイントが多くて演出の好みが合うってストレスなく見られるな〜というか原作もキャストも知らなくても演出見るだけで楽しかった。

吉谷さんの演出と知ってもどうしてもミュージカルふしぎ遊戯は見るのをちゅうちょしてしまう…音楽も朱と煤の岩崎さんと聞いて気になってはいるけれど…ふしミュ…

ミュージカル王家の紋章

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イズミル:宮野真守 キャロル:宮澤佐江回を (敬称略)を観てきた。

原作は昔ちょろっと読んだ程度かな?キャロルが古代エジプトにタイムスリップしてしまう話、と言う事を知っている程度ほとんど知らない。原作何巻分だろうか?って思うくらいの省略っぷりを感じたのだけどミュージカルで3時間程度に収めるためにはうまいまとめ方なのかな〜。原作のファンだったら省略しすぎだし!ってなりそうかな〜って。曲が格好良い〜ミュージカルって感じ(当たり前)格好良い…

でもちょっと引っかかったのはミタムン王女の使い方はあれでいいのか…?1幕の序盤で死んで、ダンサー扱いっていう感じだった…時々亡霊として死んだ時の姿でふらふら出てくる…踊る時はめちゃくちゃ格好良かったし、1幕で死んでから出番なしだったらそれもそれで無駄遣いだな〜ってなる様な気もするし。

メンフィス・キャロルを中心に見た方が良いんだろうけどアイシスの存在感の大きさ…主演アイシスじゃないよね?ってめっちゃ思った。濱田さんのお歌が凄く良いのもあるし本当に凄い…姉としての弟溺愛というか自分たちをイシスとオシスになぞらえるくらいだし運命の相手と言う感じなのだろうな〜運命は味方してくれなかった。祭司なのになあ…あと今回ので描かれなかったけどアイシスが上エジプトの女王ならいずれアイシス側とメンフィス側の戦いが起こるんだよな〜、イズミルも諦めたわけじゃないだろうしイズミルアイシスを敵に回すキャロル・メンフィス大変だな〜

すっごく好きだったのがエジプトとヒッタイトの戦争のシーンでの剣を使った群舞、めちゃくちゃ格好良かった。殺陣よりもああ言うダンスで表現する方が好きかも。あと剣に赤い布が付いてて、血が流れた〜みたいな表現になってるのも凄く好きだった。

キャロルがイズミルに誘拐される時にキャロルに布をくるくる巻き付けて身動きが取れない様にされている〜っていう演出も好きだったしああいう表現好きだ〜

でも、ミタムンがアイシスに殺される時に油をかけられて火をつけられて殺されるんだけどミタムンが燃える表現をミタムンに何が赤い毛の塊を巻きつけて表現してるのは正直ダサ…いや照明だけで表現しても良かったかな〜って。 あと新体操のリボン(棒の先に布がついててくるくる〜ってやるやつ)でもやっててあのリボン久しぶりに見た。

物語をどう運ぶか、もそうだしどうこの世界を創り上げるのか、表現するのかって凄く大事で面白いなと思うしセットの使い方とか演出をまた別の方がやったらどう表現するのかな〜ってめっちゃ妄想してしまう。

大掛かりなセットがあんまりまくて周辺のヒエログリフが書かれた壁みたいなセット、で色んなセットが出たり入ったりするんだけど全体的な群舞が多かったりするから可動式のセットにして割とフラットな造りにしているのかな〜って。グランドミュージカルを見る時はセットドーン!ってなってるのをイメージしがちだったからそう言うところも面白かった。セットどうやって動かしてるんだろうなと思うくらい動きがスムーズで、でも機械とか使って動かしてる様子もなくて裏で人力で動かしてたのだろうか不思議…。

ライアン・イズミル・メンフィスが横並びで歌うのめっちゃミュージカル!って感じで好きだったのとメンフィス・アイシスのデュエット(歌詞違い)もミュージカル!って感じで凄く好き…ミュージカルのこう言うところが好きだという基本的な事をまた思った。(2人同時に歌うから歌詞は聞き取れんのだけど)

あと疑問点はイムホテップはナレーション役なのだろうか…?ここまでのお話をまとめましょう!(別にまとめてもないけどって感じだった)

よくツイッターで矢田さんがテニミュから帝劇への進出で、夢があるみたいな話をよく見かけてたんだけど本当にルカは良い役もらえてるな〜って。結構良い役というかエジプト側に潜むヒッタイト側のスパイ(イズミルの側近)だからめちゃくちゃ重要な役じゃないですか…こう言う時羨ましくなるな〜とも思ったし。大きい舞台に立つ姿を見られるファンの皆様は幸せですね。

歴史を変えちゃいけない!って言ってたキャロルがメンフィスへの愛を自覚したあたりからの歴史なんてどうでもいいからメンフィスを助けたいし絶対に死なせないって言うエゴ丸出し感がすっごい面白かったまあそこの苦悩みたいなのって原作だともっと時間割かれてるのかなと思うけどミュージカルだと省略するしかないから…ね…。戦争はだめだって言いながらメンフィスの為かどうか知らないけど余計な犠牲増えている?のでは…?あとキャロルが一旦現代に戻ってからまだ古代エジプトに戻るシーンの省略感…!どうやって戻ったのか気になるから原作を読んだ方がいいのかな。

キャロルは古代エジプトの人たちと何語で喋ってるんだろうか…?(ヘブライ語とかかな?)

キャロルによって歴史が改変されているので歴史改変阻止部隊を派遣したい、古代エジプトに。

ハッピーエンドきらきら〜って終わり方で、メンフィスとキャロルの婚姻のシーンで終わるんだけどその婚姻のシーンにルカ(イズミルの部下)が参加しててそいつはスパイだぞーー!ってめっちゃ突っ込みたくなった。古代エジプトはこれからも混乱が待っている。これで終わりと思うなよって感じですね。

浦井さんも初めて拝見したのだけどちょっと鼻にかかる様な歌い方されるな〜って言うので前に平野くんの歌い方が浦井さんに似ているって言ってる方がいてへえと思ってたんだけどちょっと分かる…と思った(全然似てないわ!と言うファンの方いたらすみません)

ミュージカルに出てほしいよねぇ…(しゃばけあるけども)

最近ちょっと観劇欲が落ちているな〜と思ったんだけど凄く面白かった。2.5次元、漫画が原作のミュージカルって日本オリジナルのものなんだよなと言うのがしみじみ良いなって思ったしこう言う作品は2.5って言われてない様な気もするけどもっと日本のオリジナルミュージカルもっと見たいなと思った。

Wキャストもう一方も見たかった…!平方さんのイズミルを見たいと思ってたのになぜか宮野さんのイズミル回のチケットを手に入れていたなぜだろう…?

王家の紋章がいけるなら天は赤い河のほとりとか蒼の封印とかも舞台化行けるのでは!?と思ったしらそういえば去年ガラスの仮面を見た。

日本には良い漫画がたくさんある…へうげものとかもどうですかねあとイノサンが舞台化されるのめっちゃ待ってる。宝塚あたりで。イノサンは作画宝塚だから。と言う妄想が深まった。

アドリブ入れたり、笑いを取りに行くシーンがなかった気がして徹頭徹尾真面目なお芝居だった…!それで飽きたりとかいう事もなく本当に作品の世界を大事に作っているんだなと思ったけど最近そういう感じの作品を見ていなって気づいてびっくりした。笑いのシーンがあるなし、アドリブを入れる入れないが作品の世界感を壊したりという事にまああまり関係は?あるようなないような?ここらへんは難しいところ…。

推しがいない舞台見るの楽しい〜ってなったし余計な事を考えずに作品として楽しめるの本当に良いな〜と思ったしこんなおっきい舞台に立ってる姿が見たいと思うのもやっぱりあって。オタクだな〜ってまた思った。