I was stage gazer

星を追う

朱と煤という作品の話

どうしてもこの作品の話をブログに記事として置いておきたくて、消してしまったのでまた改めて。

 

タイトルは”(あかとくろ)

エムキチビートという劇団が2014年に吉祥シアターで11月に上演した作品。

13thACT_akatokuro 略称はあかくろ

スタンダール赤と黒を原作に場所を日本、時代を明治に設定

さらに主人公の煤(秋沢栄太)には色が分からないという設定がつく。

ストレートプレイを主とする劇団の初めてのミュージカル(音劇)

この作品を見てから初めて宝塚版の赤と黒を拝見してオリジナルのストーリーをしったんだけど大分違う。

でも、あらすじはほとんど一緒でところどころの追加設定が、という感じ。

朱と煤で特筆すべきはその世界観の作り方、と音楽。

音楽は岩崎廉さん

主人公の煤(栄太)には色が分からないから朱と煤の世界は全て白と黒で表現される。煤から見た世界、という事で。

www.youtube.com

とりあえずこの世界を見て欲しい

エムキチビート - 時代は明治、その場所は東京の裁判所。 その時、ある男の裁判が行われていた。... | Facebook

私は平野くんの歌がすごく好きなので、このボリューム(全23曲)で平野くんの歌声が聴けるのが本当に幸せで、あとすごく難しいのが分かるので本当にすごいなと思うのと今の平野良にも演じてみて欲しい。

とりあえず見て欲しいんだけど買うしか見られる方法がないのでもうちょっと語りたい。

お話は二重構造、というか栄太が裁判にかけられている(現在)と事件当夜、さらに事件が起こるまでの回想が交互に描かれる。

なぜ栄太は事件を起こしたのか、あの夜栄太が事件を起こすまでに何があったのか。

栄太はなぜ弁解することなく罪を受け入れようとするのか。

赤と黒、原作のお話からも分かるように、決して明るい話ではないけれどこれはただひたすらに栄太が懸命に生きたお話である、というところがすごく魅力的で栄太はただ生きた、ただ一生懸命に生きた。

栄太は虚栄心が強くて、小狡くて、賢くて、愛に飢えている、とても人間臭くて好きでただ愛されたくて愛だけが欲しかったのかなとも受け取れる。

いくつか見た平野くんの演じる役の中で煤ちゃんがいちばん好きかも知れない、というのがこの作品の好きなところでもあり、映像でしかみた事がないけれど本当に好きで煤が朱禰、と呼びかける声も、立身出世を夢見て決意の心情を歌うシーンもとても良い。

とりあえず見て欲しいしか言えないけど煤の本名は秋沢栄太、で限られた人たちに対して”煤”は僕を記号する名前です、と”煤”と呼ばせる。

この”煤”という名前は幼い頃に色が分からない事で兄弟から”煤かぶり”と馬鹿にされた事が由来なんだけどなんでこの名前を気に入っているのかはよく分からない。多分そこはそれぞの解釈で、という事なのかな。

エムキチは美術セットと音楽、あと名前への拘りがいつも面白いなと思うんだけど

煤(秋沢栄太)を取り巻く、栄太を愛する女性は全て色の名前がつく。

朱禰(原作ではレナール夫人)、碧子(原作のマチルド)、橙子(エリザ)紫子(碧子の妹)

この紫子が曲者で、言われなければ紫子が栄太を愛する女性とは気づかない。

橙子の役割もエリザとは大分異なっていて赤と黒を見たときちょっとびっくりした。

朱煤のキーパーソン。

栄太は度々母から小さい頃に朱がいちばん美しい色だと教えられていて、何よりも朱を見たいと望む。

栄太が本当に望んだ事は何か、とも考えてしまうけれど必死になって生きる栄太がただひたすらに愛おしくなる。

ameblo.jp

まあ作演の元吉さんのあとがきによる解釈によるところも大きく。

そう、影というもう一人の秋沢栄太が居るけどこの影を演じるKENさんと平野くんの歌声の相性も良く、男声の二重唱とても素敵です。

朱と煤見てください。