I was stage gazer

星を追う

スーツの男たち

3/20 マチネ 高円寺アトリエファンファーレ

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ガッツリ濃密な3人芝居。

出演されている方も演出の方もほぼ存じあげなくて制作会社(CATプロデュース)への期待値のみで見に行った。何より少人数でのお芝居が大好きなのもあるしあらすじを読んでもおもしろそうだったし。結果、とても面白かった!期待を裏切らないCATプロデュース(褒め倒す)

 

 

ネタバレ有りの感想

安西さんの演じるマックスの知的で繊細、でもとても優しい所とか、章平さんのボビーの大型犬の様な…でも小心者で"任務"を行う前は落ち着かなくてはおしゃべりになってしまう。ぐるぐるとマックスが座る椅子の周りを回りながら不安でしょうがないって感じのボビーとても可愛いかった。うんこしてる時は凄く個人的な空間だ!って言うのと新陳代謝が言えなくて色々バリエーション豊かに言い間違えるのとか。

そうこの二人の関係性がとても可愛くて好きでこう言うのに弱いですね…好きです…ただの仕事上の相棒にしてはマックスがボビーを見捨てられない感じ、もっと愛情を持って接している感じなの何でだろうと思ったら2人は幼馴染でマックスの方が組織でも高位で優位に立ってるんだけどなんだかんだ我儘を聞いてあげたりするのが可愛い…そうか君たち幼馴染なのか…。

2人の立場が逆転するところ、マックスがボビーをかばってあげなきゃみたいなところから実はマックスの方が危うい立場にいる、みたいな2人の関係の変化も面白い。

2人でいる時は緊張しつつも割ときゃっきゃしてるというか幼馴染故の気安さもありどうやってボスに言い訳するのか2人で一生懸命考えていて(ボビーはあんまり考えてない)とても2人の関係性の感じとかにほのぼのしてしまうんだけど割と笑えるところも多い前半に対してボスが出て来た瞬間の空気がピリピリする感じ、本当にガラッと変わる。ボスだけ三揃のスーツなのがボスの前時代感を感じるけど。マックスは新しい男なんだよな…そしてボビーとボスだけにある仲間意識とか。あのボスのマックスと引き離してボビーをこちら側に引き込もうとするのずるい!そりゃあ簡単な方を引き込んで危険な方を消す方が楽ですよね!まあ逃げる事を察していたのかもしれないけど。ボスは本当はどこまで知っていたのだろう?

ボビーが仲間たちの名前を羅列してあいつはこうなった〜ってあげていくの面白かったんだけどそれがマックスが書いているという小説の伏線というか…何というか。よく覚えてるなボビー…

フィラデルフィアの話をする時の2人の仲良し感が本当に可愛い。あの出来事があったから2人の信頼関係の厚くなったのかな…。こいつはやっぱり助けてくれるみたいな。それからのあのラスト!あの悲鳴と電車の音の使い方が怖い!あと最初の場面にまた戻るのが!関係が変化してしまった2人!(ミュージカルのリプライズって感じ)ボビーの口数はどうだろう多かったのかな…?でもそれに気づかないマックス。

こんな結末になるなんて誰が思った!うわぁぁぁぁん酷いよー!という気持ち…でも死に顔がとても綺麗です。マックス。あとマックスの髪を撫で付けてあげるボビーにお前ってやつはー!と思う。お前ってやつはー!いつまでも相棒としていて欲しかったんだなって。普通の幸せを望んでしまったマックス。逆っぽいのになぁいつも怖がっている何回人を殺しても慣れないボビーといつも冷静なマックス。でも本当はマックスの方が繊細でずっと怖かったんだなって。80席くらいの会場で舞台も本当にシンプルでセットも椅子と背景くらいで本当にお芝居をがっつり見る!という感じ。2人のバーモントへの道すがらがロードムービーっぽい。ずっとあの時間が続けば良かったと思ってしまった。

とても面白かった!濃密なお芝居でした。