I was stage gazer

星を追う

RENT2017

総括的な記録をつけたいと思っていてなんだかんだと時間がかかってしまったので割とぐだっている。とりあえず言いたい事をぶちまけただけなので長い。

2015年に見た時はただひたすらに曲が格好いいなってテンションが上がった、のとエンジェル…エンジェルと思ったしマークが傍観者で寂しすぎて死ぬと思ったし、村井さんを目当てで行ったから主演?主演とはあんなものなのか?と思った。RENTはそれぞれ濃いキャストが多いしその中でのマークの立ち位置って本当に難しいというか、間違えると本当に物語の外にいる人になっちゃって前回は完全にお客さんの側にいるような本当に存在が消えてしまうようなマークでそれはそれで良かったのかもしれないし、前回が評価されて今回続投したわけでもあるから決して悪かった訳ではないけど、今回のRENTでも物語の外から見る視点にいるマークである事はそうなんだけど、でも1人ぼっちではなかった。ちゃんと仲間が居たし、何かを生み出そうとするエネルギーというか自分がここにいる意味、自分が何をしたいのかするのかの葛藤がすごく見えるマークだった。マークの感情が見えるのが凄くいいなと思った。

自分に何ができるのか、とか。フィルムの中に僕はいない、なぜ僕は傍観者なのか、マークは色々考えて自分を見つめる、何がしたいのか何ができるのか?やっぱり寂しさは滲むけどでも迷いながらもちゃんと自分の道を進めるマークで本当に良かった。What You Own の前半と後半でマークのあり方が変わってるのに初めて気づいたり、魂捨てろ〜からのあのやめたっ!がすごく力強かった。ロジャーに対しての働きかけとか、エンジェルのお葬式での語りとかにすごく感情がリアルに見えるマークだなという印象もあってこの時どう思ってるのか、がよく分かる。あとマークがメインになるところじゃなくてもマークをずっと追ってるとマークの感情の揺れがすごく分かる。細かい部分の表現とか。村井さんによる”マーク”に対する理解が深まった結果なんだろうなと思って2017年の本当に最高のマークだった。

このマークが、村井さんが座長としているからこその今年のRENT、という評を見て本当にその通りだなと思った。RENTという作品を深く愛して理解してこの作品をたくさんの人に届けたいって思ってくれたのが本当に素晴らしかったし、ちゃんとその愛を受け取ったし、たくさんの人に届いたんじゃないかな。

まあ控えめに言って最高でした!ありがとう村井マーク!!

 やっぱり続投組の安定感と解釈が深まっている事がとても良かったし、新キャストが入る事での刺激というか変化がある事も凄く良かった。自分の中のRENTという作品のイメージがまた少し変わる様な。

RENTの物語の中で人との出会いでそれぞれ変化するのは勿論みんなそうだし群像劇ではあるけどその中でもロジャーとマークの関係ってあの物語の核になる部分だし、そのWロジャーが続投、マークである村井さんが信頼を置いて背中を預けられる相手なのがとても良かった。これまでもこれからも多分その時々に見たものが最高だと思うからとりあえず今年のRENT最高だったな!って言わせて欲しい。また2年後に上演されるならまたその時のRENTは最高だと思う。その時々に見るものが最高の組み合わせで最高のRENTなんじゃないかと思う。

で、ロジャーの話を…2015年に見たのは堂珍ロジャーだけでそれも回数も少なかったしWhat you own が凄く格好良かった、とか村井さんが歌う事自体に長けているタイプではないからその対比が凄く面白かったという印象で(改めて思ったのは村井さんはミュージカルでもストプレの用法で演じる人なんだなという、悪い意味じゃなくてミュージカルっぽさがない歌と台詞の境目がないというか)歌手を本業にされている方が多かったから全体的にライブみたいな感じで本当に楽しかったしロジャーは自分勝手に追い出しておいて追いかけていってでも結局別れを選んで後悔して…みたいないい加減にしろよ!みたいなイメージしかなかった。あときっとこの人はマークを残して先に逝ってしまうから、とか。マークはひとりぼっちになるとか。結局何もかもマークに帰結してしまう事しか考えられなかった。

今年の私の初日は堂珍ロジャーから、でその後もユナクロジャーよりも堂珍ロジャーを見る事がが多くて、回数のせいではないと思うけど個人的な好みとして堂珍ロジャーが凄く好きだった。何より熱いロジャーで。でも堂珍ロジャーが感情をむき出しにする相手ってマークだけなんじゃないかなと思った。どっかで遠慮がちな一歩引いて隠してしまう部分あるのかなって。でもマークだけにはそうじゃなかった気がして。Wロジャーは多分どっちも熱いんだけど熱さの種類が違うという印象。まず"RENT"を聞いた時の二人の熱の高まっていく様に凄くドキドキしたし何度見てもどこでみても変わらぬ熱量で本当に熱かった。多分2015年時点で1番好きなのはエンジェルだったんだけど2017を経て凄くロジャーが好きになった。好きになると理解したいと思う派なのでロジャーについてあれこれ捏ねくりまわしたくなるもので。

堂珍ロジャーは末っ子だの思春期だのというのが私の解釈(怒られたくない)

堂珍ロジャーは凄く弱くて、弱さゆえに心を閉ざして誰にも踏み込ませようとしなくて内に内にこもるタイプで、優しくないけど凄く優しい子だなと思う。人を傷つけた事をきちんとわかる子だなー自分の弱さも相手の弱さもちゃんと理解しているという気がすると堂珍ロジャーで聞く素敵な春を”とか”秋は嫌いだ”とか”電話する”が凄く優しくてとても愛おしくなる…あのシーンの傷ついた自分を全く隠そうとしない感じが好きだ…傷ついたんだって姿を見せるだけで結局そこから踏み込もうとしないし、また自分の殻に閉じこもるだけのロジャーなんだけど…結局何も変わらなくてうまくいかない。

マークとかコリンズに心配されている堂珍ロジャーはまるで末っ子の様で聞き分けのなさをしょうがないなあって見守る家族のような感じがする。2人に肩に手を置かれるとかとかそんな感じ。そんな3人をBoys like me~っていうエンジェルも好きだ。

対してユナロジャはもっと開放的というか引きこもりなんだけど内には篭ってなくてもうちょっと朗らかというか堂珍ロジャーのような頑なさはなくて、あと優しいなと思う。優しくて強い。多分ユナロジャにとって最後の曲は生きる希望、この曲を残すために俺は生きてるって感じ。堂珍ロジャーだと残したいけど時間がもうないかもしれないって不安に思う様な残りの時間はどれくらちだ?ってイメージ。

マークに対しても堂珍ロジャーの様にちょっと甘えたところはないかなという印象、しっかりしたロジャー…!結構感情を表に出すタイプでもあるなと思う。すごく素直というか。ベニーからの電話が掛かってるところから既にヒートアップしているロジャー。結構あそこのシーン力強い…と思った。マークに対する当たりが強いのもユナロジャ。でもなぜかミミからの当たりが強いのは堂珍ロジャー(笑)ミミに吹っ飛ばされるとこが明らかにユナロジャより堂珍ロジャーの方が吹っ飛ばされてる…どっちのミミも堂珍ロジャーに対しての方がグイグイ強めに行くと印象があって堂珍ロジャーが頑なだからより態度が強くなるんだろうなという気がする。マークにお前は誰だ?って尋ねるユナロジャはめっちゃ熱い…熱いんだけどどっかクールなイメージもある前半からのあれはめっちゃ熱い。あそこでやっとむき出しのロジャーになるって感じがするむしろ2幕のミミにお母さんの手伝いだよな〜とか散歩に行ってたんだよながめちゃくちゃ怒ってて、怖いくらいなんだけどあれが自分の感情を誤魔化してないユナロジャだと思うと裏切られて傷ついた!みたいな堂珍ロジャーよりもよっぽどミミの事を考えているなと思った。怒るって相手への優しさだなみたいな気もする…優しさってこれ以上傷つかないための、傷つけないための処世術なのかなみたいなところもあるんだけどあそこで怒るユナロジャはやっぱり優しいと思う。

堂珍ロジャーはミミに救われたくて、ユナロジャはミミを救いたいみたいなイメージがある。ユナロジャの場合は救えなかった彼女(エイプリル)にミミを重ねてるみたいなイメージもあって堂珍ロジャーはミミの弱さを自分に重ねてるイメージがある。なんとなくうまく言えないけどそういう風に見えるというイメージ。

正直ユナロジャの事はよく分かってないというか自分の中のイメージだけが膨らんでいる感じがする、誰に対してもそれはそうなんだけどやっぱりもっと見たかったな…。ファンの人から見るユナロジャのイメージと私が個人的に感じたイメージがやっぱり違って面白いなーと思った。

そしてミミ!ジェニミミはもう本当俺たちのミミでしかない…俺たちのミミ…強くてセクシー!でもクスリに逃げてしまう弱さのあるミミ。堂珍ロジャージェニミミの火花出そうなくらいのぶつかり合いをするロジャミミが好き…何気ないことでもすごい喧嘩に発展しそうなロジャミミ…でもロジャーの孤独を分かち合える相手はミミだけだと思う…やっぱりどっかで似ているなと思う。相手の気持ちが分かるからこそ受け入れられないみたいな。寂しい時にはっきり”寂しい”って言葉に出来ない寂しさをロジャーもミミも抱えているんだなとかなんとか。若さ故の怖いもの知らずなミミだけどジェニミミだと危ない事が分かっててやってる気がしてOut Tonight もすごく楽しいんだけど紗穂ミミだと大丈夫?セット結構グラグラしてるけど大丈夫?とかハラハラしちゃってこの違いがWキャストで面白いところなんだろうなと思った。紗穂ミミでも堂珍ロジャーへの当たりは強くてどっちのミミでも堂珍ロジャーへの態度が強くて笑ってしまった。ちょこちょと聞く裏話でも堂珍さんの扱い…ってなる事が多くて本人への態度がそのまま役に反映されているのを感じて堂珍さんの扱い…

ここまで書いてこの調子で書き続けるのは無理だからやめようと思ったけどエンジェルの話をしたいのでエンジェルの話をします。

エンジェルの話は散々したけど本当に”愛”についての解釈がきっと違うWエンジェルなんだろうなという気がしていて、平間エンジェルの包み込む様な本当に体の何倍もの大きな愛で包んでくれる様なエンジェル、包容力!みたいなイメージかな、I'll be your blancket のイメージ分かる。あのエンジェルに後ろから抱きしめられるコリンズ見たかった。丘山さんのエンジェルはいっぱい愛を抱えていて手渡してくれる様なエンジェルだなと思っていて面白かった。どっちのエンジェルもすごく好きなんだけどさすがに平間さんは凄く余裕がある、リラックスしているというか遊びが多くてそういうところも凄く楽しかった。Today 4 Uでロジャーにちょっかいかけたり、サンタフェでワインを注がれた時の動きが毎回違うとか、La vie~で自由すぎるとか。La vie~はちょっと色々ありすぎて本当にやめてくださいwwってなるエンジェルだった

平間さんのエンジェルは男でも女でもない多分性別が別れてない感じ性別がないのも天使だよねという気がして丘山さんのエンジェルは男でも女でもあってそこが凄く人間っぽいなあという感じがする。平間さんのエンジェルは本当に天から降って来た様なエンジェルで、丘山さんのエンジェルはこれまでの生きていた人生を凄く感じさせるというか。ドラァグクイーンぽいと言われるのを結構見かけたけど本当に人間臭い感じのするエンジェルというか。

平間さんのエンジェルは10代かな?ミミと同世代くらいかな?と思うのに対して丘山さんのエンジェルはマークたちと同世代の様な気がしてコリンズとの年齢差がWキャストでかなり幅があるなと思った印象がある。

紗穂ミミ丘山エンジェルの姉妹感があるエンジェルミミも本当に”親友”って感じのジェニミミ平間エンジェルも凄く良かった…平間エンジェル紗穂ミミ、丘山エンジェルジェニミミだとまた印象が違って、あと好きだったのはエンジェルモーリーン。丘山エンジェルと上木モーリーンの組み合わせの時のエンジェルの彼女感とモーリーンの彼氏感とか平間エンジェル上木モーリーンだとモーリンのポーズを見よう見真似でやるエンジェルがすっごい可愛かった…あと丘山エンジェルだとロジャーとミミの喧嘩を止める時にミミのポニテを掬う動きしてたのも可愛かったんだけどうまく説明はできない…

エンジェルが好きでしょうがないんだけどまたこのWエンジェルを見て本当に素敵な役だなと思ったしまた面白いWキャストを揃えてくださった事に感謝…

身長差もあるからコリンズにすっぽり抱きしめられるエンジェルとコリンズより身長が高くなっちゃってたまに屈むエンジェルどっちも本当好き。丘山エンジェルだとコリンズが肩に顎乗せてたのも可愛かった。

どっちのエンジェルもばっきばきに踊れる人だな?という印象が始まる前からあったけどもう本当ばっきばきに踊る…各々の解釈で踊るから同じ振りで踊るのに印象がまったくがらっと変わるのも面白かった。願わくばWエンジェル揃った姿が本当に見たかった

ここまで書いたら割と気が済んだけどコリンズ・ジョアンヌ・モーリーン・ベニーの話もいつかしたい…あとゴードンのWill Iが好きすぎる話とContactでのナロさん・直生さん、ナロさん・由佳さんのダンスめちゃくちゃ格好良すぎて毎回好き…(アクロバットでめっちゃ格好いい)ってなってた話と岡本さんを見るたび売人だー!ってなっちゃうのとでも終盤のChiristmas Bellで新井さんと岡本さんの絡みがめちゃくちゃ可愛かった話とWhat you own でセットをぐるぐる回す新井さんと岡本さんがにっこにこしてたり、二人の息の合わせ方がとても好きでいつもめっちゃ見ちゃうってなってた話はいつかしたい…本当に今年はRENTをたくさん見られて幸せだった。

きっと今回のキャストが今後揃ったRENTは絶対見られないと思うから本当に見られて良かったなってしみじみと幸せを感じる。