I was stage gazer

星を追う

マームとジプシー ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと――――――

mum-gypsy10th

10周年全国ツアー中のマームとジプシー、去年のロミオとジュリエットを見てWOWOWCocoonを見て以来、舞台は3面囲みでフラット中央に載せてある板がぐるぐる回る。

マームとジプシーの作品は言語化するのがすごく難しいもっと感覚的な感じ。

映画やドラマと違って目の前で行われている演劇は場面の切り替え場所の切り替えがすごく難しいそれこそセット使うか役者の演技によって今がどのシーンかって切り替えさせる事が大事なんだと思うけどマームとジプシーはその画面の作り方がすごく上手いなと思うし演劇的な面白さがあると思ってしまう。ちょっと偉そうな言い方だけど。

”家”が題材になっていて実際に”家”の枠組みだけのセットを組んだりバラしたりして使っていて最後に”家”が解体されるときもその”家”の枠組みのセットをバラして重ねて家が失くなってしまった表現に使っていて好きだった。

”家”、帰る場所場所そのものでもあるし、そこに集まる人たち、そこで過ごした時間とか記憶とか即物的じゃなくて曖昧なものなんだなという感傷に浸るというか、実家を離れて生活している身としては”帰る場所”ってどこなのかなとか考えてしまった。旅人が帰る場所があるから旅がで出来る、というけれどまさにその通りで帰る場所から離れているから旅なのであって帰る場所がなければただの放浪になっちゃう…すごく感傷的というか郷愁を誘われたんだけど従姉妹たちのやりとりが可愛かったり姉妹が語りあうシーンの”家族”、”家”みたいな意識についてなんかぼんやり考えてたくなって、やっぱりなんか凄く感覚的な話になってしまうけどマームとジプシーは劇団員となる役者がいなくて作品にあった役者を起用するという話を聞いたけれど誰が演じていても”マームとジプシー”らしさがあるのが本当にすごい。あの台詞の抑揚の感じとか役者の個性を消してる様にも見えるんだけど役者は本人ではなくあくまで”役”としてしかそこに存在していないんだなって感じる感じが凄く面白いなと思う。

客層を見ると男女比とか年齢層がお芝居好きというよりは”サブカル好き”(語弊があるけど)、現代アートを好む様な人たちだなあと思ったのが面白くて舞台は誰とこの時間を共有するか、でも面白さが変わると思ってるからそれも含めてとても面白かった。衣装がSuzuki Takayuki だったり音楽が石橋英子さんだったりするからかな…前のめりでの観劇はおやめください…(笑)

ロミオとジュリエットの時に買ったCDでの藤田さん、というかマームとジプシーのお芝居の作り方の話が凄く面白かったからまた見たいなと思うしやっぱり演出が凄く面白い…今回食卓がテーマ(?)になってる事もあって料理とか食材とかいっぱい出てきて調理を真ん中でお芝居やってて、サイドで実際に食材切ったりしている様子をスクリーンに映したりしているのが面白かった。