I was stage gazer

星を追う

リチャード三世

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秋の観劇強化週間最後の作品はこれ!『リチャード三世』

東京公演でのあまりの評判の高さ、というか見た役者さんたちが絶対見た方が良いっていうからそれにつられてうっかり当日券をと思ったら立ち見しかなくて寝不足には辛いと思っていたら開演10分前くらいに席出せますと言われて座って見られたので良かった

演出はルーマニアの鬼才シルヴィウ・プルカレーテ

好きとかじゃなくてなんていうかすごい物を見た、というか他ではこういう物は見られないかもしれないみたいな物珍しさみたいな事を感じた。だから好きとか嫌いとかそういうことじゃなくて見られて良かったなみたいな話。だからお芝居の楽しみ方としてはちょっと邪道というか何が正当なのかよく分からないけど。

リチャード三世自体も読んだことも見たこともないんだけど非道な王の話として有名なんですね…リチャード三世が最初は普通に立っているのに障害者のふりをしたり道化のふりをしたするのが不思議だったんだけどむしろそっちがよく知られているリチャード三世だと知ってへえってなった。他人を欺いている人としては今回の方がわかりやすい。

リチャード三世が誰かを処刑しようとする時ビニール袋に包んでぐるぐる巻きにしてストレッチャーに載せていくんだけどこれを見てホラー映画かな???と思ったしさらにチェーンソーも出てきてホラー映画かな???と思った音楽もホラー映画っぽかったし。

最初の狂乱の宴〜みたいなシーンから始まるところで管楽器を演奏されている方達も舞台上に出演者としていらっしゃるのがすごく格好良かった。

セットは石壁の模様を描いた布で囲まれているだけなんだけどたまに出てくる錆びついた鉄の扉がやっぱりホラー映画を思わせるそれでSAWとかそういう(見たことない)

シェイクスピアなのに随分現代的な演出だなと思ったと思った、顔を白塗りにしているのは逆にそれとはちぐはくで古典ぽさがあるんだけど

小姓の子がセリフはないけどずっと舞台上にいるのは気になる最後ちょっとだけしゃべるけどあの子たまにモップじゃないもので床拭いててこれなんか意味あるんだろうな〜と思ったけど(よくわからない)

2幕後半の王座を手に入れてからのシーンがほぼ佐々木蔵之介さんの一人芝居ですごいなあと思った。誰も信じられないし、いつ誰かに玉座を奪われるんじゃないかとびくびくしている。色んな所から玉座を狙われる。これまで手にかけてきた人たちの亡霊に悩まされるとか。この時の🎶この世に思いを絶って死ね〜がキャッチーすぎたんだけどこれ他の翻訳だと”絶望して死ね”とかあるらしく気になるな〜

あと玉座を手に入れて座る時に玉座の椅子にビニールがかけられててそのビニールがついたままビニールの中に入ってから王座に座るんだけど、これが今まで殺してきた人たちをビニール袋の中に入れて殺すみたいなのとデジャビュで、どういう意味なのかな〜って。玉座に囚われてるみたいな自らの自殺行為みたいな、こうやって人を殺して手に入れた玉座だとか。

もうとにかくサクサク人が死ぬしあれ今誰が死んだ!?どういう関係の人!?どの親戚関係!?みたいな事が追いつかなくてリチャード三世予習必須だったかなってまずはスタンダードを押さえておくべきだったと思うこの作品については。

女性役をやってる方達がとても良かった。みんな白塗りで、見た目の女性らしさといえば服装だけなんだけど本当に”女性”で。美しかったし母親だった。

あと一番好きだったのはマーガレットかな魔女。不気味で怖かった。亡霊のように出てきて意味ありげな事を言うみたいな役割…?

日本で見る、海外戯曲の、日本人の役者が演じて、演出を外国の方がつけているってもうなんとも混じる感じがすごく不思議で日本人の書いた戯曲を日本人が演じて日本人が演出をつけるのがわかりやすさとしては一番だとおもうけどわかりにくい事とか、伝わりにくい事とかそういうものを日本人の役者さんの身体を使って演じられている事はすごく面白いなと思う。最近表に出ろいっ!を見たからそれと比較してこうかと思う部分もあるし。やっぱりお芝居って不思議だなと思うし面白いなと思う。ただちょっと詰め込みすぎて疲れた。

2時間前