I was stage gazer

星を追う

雪組・ひかりふる路〜革命家マクシミリアン・ロべスピエール〜

kageki.hankyu.co.jp

1789・スカピンとロベスピエールが出てくる演目をいくつか見ていてとうとうロベピエ主演作か〜!面白そうだし行ってみるか〜!雪組も初めて見るし月組から組み替えされた朝美絢さん好きだしという単純な理由で見に行ったらすごく好きなタイプのお話だったので1789・スカピンを見てロベピ気になるなと思った方には是非見て欲しい…革命を起こし恐怖政治を行なったロベスピエールの目指した理想とはみたいなお話です。ちなみにロベピはマクシムと呼ばれてるらしいですがロベピと呼んでいます。

ポスター撮り忘れたのでロビーのフランスカラーのお花の写真

f:id:a9azzzzz:20171119221533j:image

 

 

と言うことでネタバレ

とりあえずめちゃくちゃ泣いたのでちょっと顔がべしゃべしゃになるくらい泣いたので全く覚悟してなかったのでびっくりした…ロベピが革命の理想に燃える若者みたいな青春ものなのでは?と事前に予想を立てていたけれど青春というよりはロベピが理想を追い求めて孤独になっていくお話だった。孤独になったロベピは自らを振り返り粛清されるべきは私だと覚悟を決めてロベピ処刑エンド。

ロベピ処刑エンド…ロベピひかりふる路とは処刑台へと続く路だったのか……???と思うくらいには鬱エンドだな〜と思ったけどこういう話大好きなので…あとロベピは親友を失い、恋人を失ってしまったけど最後には恋人と和解できたので魂だけは救われたみたいな感じがとても好きだし、自分で死を選べたロベピは幸せだったと思うという自分で死を選べる主人公ハッピーエンド教です。

ひかりふる路は自由・平等を求めたロベピが見た理想の世界、という事かな。今では当たり前にある権利だけどそれを勝ち取るために戦った人は、というお話だと考えると…劇中にも権利〜とか平等の話が出てきてさすが人権宣言の国という気がするフランス万歳。

まず革命が成功して国王を処刑するシーンから始まる国王を処刑するなんて国際社会が許さないぞ〜のシーンから国王を裁判にかける処刑の流れからの、ラストシーンでロベピが裁判にかけられる、牢獄に入れられる、処刑の流れにしていて最初と最後が同じ様なシーンで終わるの最高だなってなりました。ロベピは恐怖政治というか独裁者的なイメージもあって、かつての革命仲間をどんどんギロチン台送りにしたとか反革命派を片っ端から処刑したとか。このお話ではロベピは恐怖政治を行いたかった訳ではなくて理想を追い求め続けて"政治"を行うよりも理想を実家させようとして独裁になってしまった、という感じ。結果論、あと周りが盛り立てているというかロベピの信奉者サンジュストがロベピをトップにしたくてしょうがないという気持ちを反革命派に利用されたりしていたけどサン=ジュストはそれで良かったんだろうな…革命を支持しているというよりロベピに心酔している。ロベピがトップに立って権力を握るべきだし、ロベピの理想を実現させる事が望みを叶える事だけが自分のすべき事だと思っている感じ。

このサン=ジュストのロベピに心酔しているという表情とロベピが権力を握るたびに、にやって嬉しそうに悪そうな顔で笑うの本当に好きで。うっかりサン=ジュストを追う人になってしまった。

ヒロインが主役を殺そうとするお話は中々珍しいのでは?と思うくらいマリー=アンヌはロベピの命を狙っているし、愛してしまったけれど恐怖政治を始めたロベピにまた大切な人たちを奪われてロベピを殺害しようとする。最初はロベピの掲げた理想に希望を見たけど恐怖政治を始めてしまったロベピには絶望した、でも愛しているというのが良かった…愛しているから結局殺せなかった。

二人が監獄で再び再会するけどお互いへの気持ちを確かめ合ったあとでこんな風に出会っていなければ、とifの話をするんだけどこんな風に出会わなければ出会えてなかったというのもまた良い…結局2人でいる幸せな世界を想像する事さえ許されない2人。悲恋だなという気もするしこんな風に主演とヒロインが全く幸せになれなくていいのか???お披露目公演ぞ…???と思ったけど個人的にすごく好みなお話だったので本当に良かったもう1回見たい…

処刑、はもちろんギロチンなんだけどそのギロチンで処刑されたという演出も面白かった〜最初からばっさり舞台の上に斜めの線が入っているのだけど。

デムラーン役の沙央くらまさんがこの公演を持って退団されるという事が寂しい…くらまさんのデムラーンはふわふわした優しい感じのダントンとロベピの間にふんわりいる感じがして好き…

孤児として育って、革命を共にする仲間が出来て、革命を起こした後にまた孤独になっていくロベピに感情移入して泣いてしまったけど本当に革命の理想のためにボロボロになっていくロベピが見ていられなかったしとても好きだった…ロベピは革命そのものだったけど革命を終わらせる事が出来なかった、自分の死を持って革命を終わらせた。革命はロベピの死を持って終わってしまったかもしれないけどロベピの理想の精神の部分みたいなところはなくならずに人々の心に残ったのかなと思うと本当にロベピが愛おしくて、ってなるくらい本当に良い作品だったのでぜひ見て欲しい…私もまた見たい…

宝塚に見目の麗しいイケメンと美女を見に行ってるみたいな気持ちでいるのでこんなに好みのお話をぶつけられると思わなくて本当にぶん殴られた様な気持ちで本当に良かった……………………

SUPER VOYAGERの話もちょこっとだけ。

f:id:a9azzzzz:20171119221547j:image

すごく愛を感じるレビューだなと思ってこっちもとても良かった。すごく愛を感じた……SUPER VOYAGERで客席降りがあるけど2階席まで上がってきてくれるので2階席でもぜひぽんぽん片手に!あとえぐざいる系の曲を歌い踊る朝美さんが2階席〜〜〜〜〜!!!!!って煽ってきたので死にそうでした。