I was stage gazer

星を追う

リチャード三世

www.richard3-stage.com

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秋の観劇強化週間最後の作品はこれ!『リチャード三世』

東京公演でのあまりの評判の高さ、というか見た役者さんたちが絶対見た方が良いっていうからそれにつられてうっかり当日券をと思ったら立ち見しかなくて寝不足には辛いと思っていたら開演10分前くらいに席出せますと言われて座って見られたので良かった

演出はルーマニアの鬼才シルヴィウ・プルカレーテ

好きとかじゃなくてなんていうかすごい物を見た、というか他ではこういう物は見られないかもしれないみたいな物珍しさみたいな事を感じた。だから好きとか嫌いとかそういうことじゃなくて見られて良かったなみたいな話。だからお芝居の楽しみ方としてはちょっと邪道というか何が正当なのかよく分からないけど。

リチャード三世自体も読んだことも見たこともないんだけど非道な王の話として有名なんですね…リチャード三世が最初は普通に立っているのに障害者のふりをしたり道化のふりをしたするのが不思議だったんだけどむしろそっちがよく知られているリチャード三世だと知ってへえってなった。他人を欺いている人としては今回の方がわかりやすい。

リチャード三世が誰かを処刑しようとする時ビニール袋に包んでぐるぐる巻きにしてストレッチャーに載せていくんだけどこれを見てホラー映画かな???と思ったしさらにチェーンソーも出てきてホラー映画かな???と思った音楽もホラー映画っぽかったし。

最初の狂乱の宴〜みたいなシーンから始まるところで管楽器を演奏されている方達も舞台上に出演者としていらっしゃるのがすごく格好良かった。

セットは石壁の模様を描いた布で囲まれているだけなんだけどたまに出てくる錆びついた鉄の扉がやっぱりホラー映画を思わせるそれでSAWとかそういう(見たことない)

シェイクスピアなのに随分現代的な演出だなと思ったと思った、顔を白塗りにしているのは逆にそれとはちぐはくで古典ぽさがあるんだけど

小姓の子がセリフはないけどずっと舞台上にいるのは気になる最後ちょっとだけしゃべるけどあの子たまにモップじゃないもので床拭いててこれなんか意味あるんだろうな〜と思ったけど(よくわからない)

2幕後半の王座を手に入れてからのシーンがほぼ佐々木蔵之介さんの一人芝居ですごいなあと思った。誰も信じられないし、いつ誰かに玉座を奪われるんじゃないかとびくびくしている。色んな所から玉座を狙われる。これまで手にかけてきた人たちの亡霊に悩まされるとか。この時の🎶この世に思いを絶って死ね〜がキャッチーすぎたんだけどこれ他の翻訳だと”絶望して死ね”とかあるらしく気になるな〜

あと玉座を手に入れて座る時に玉座の椅子にビニールがかけられててそのビニールがついたままビニールの中に入ってから王座に座るんだけど、これが今まで殺してきた人たちをビニール袋の中に入れて殺すみたいなのとデジャビュで、どういう意味なのかな〜って。玉座に囚われてるみたいな自らの自殺行為みたいな、こうやって人を殺して手に入れた玉座だとか。

もうとにかくサクサク人が死ぬしあれ今誰が死んだ!?どういう関係の人!?どの親戚関係!?みたいな事が追いつかなくてリチャード三世予習必須だったかなってまずはスタンダードを押さえておくべきだったと思うこの作品については。

女性役をやってる方達がとても良かった。みんな白塗りで、見た目の女性らしさといえば服装だけなんだけど本当に”女性”で。美しかったし母親だった。

あと一番好きだったのはマーガレットかな魔女。不気味で怖かった。亡霊のように出てきて意味ありげな事を言うみたいな役割…?

日本で見る、海外戯曲の、日本人の役者が演じて、演出を外国の方がつけているってもうなんとも混じる感じがすごく不思議で日本人の書いた戯曲を日本人が演じて日本人が演出をつけるのがわかりやすさとしては一番だとおもうけどわかりにくい事とか、伝わりにくい事とかそういうものを日本人の役者さんの身体を使って演じられている事はすごく面白いなと思う。最近表に出ろいっ!を見たからそれと比較してこうかと思う部分もあるし。やっぱりお芝居って不思議だなと思うし面白いなと思う。ただちょっと詰め込みすぎて疲れた。

2時間前

表に出ろいっ!〜One green bottle〜

秋の観劇強化週間3本目!今回の観劇強化週間の本命と言っても過言ではない表に出ろいっ!の再演&English ver. この作品を生で観劇出来るなんて夢が叶ったような気持ち。足跡姫で告知見た時から絶対行くからなー!って思っていたので本当に見られて嬉しかった

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ちなみにこれはセットの模型。客席で二面から囲む舞台。

onegreenbottle.jp

芸劇の先行でバッチリ最前を確保したんだけど下手よりでセットを斜めから見る感じだったんだけど最前の通路を走り回る母が見られて良かった…あの距離で見てしまった母……お着物が本当可愛いのとあんなにブンブン走り回っても着崩れしないの本当すごいあと娘が母を後ろから抱きしめる(死のうとする母を止める)が目の前で見られてよかった!娘ちゃん可愛いけどでかい。

初演と設定が変わってるとこがちょこちょこあったから初演のDVD見返したくなった。

全体的にドタバタ喜劇、なんだけど一皮剥くと家族の形を為していない家族の話、あんな状況になるまでちゃんとお互いの事をお互いで分かっていなかったとか、恐ろしい状況を作り上げて初めてお互いを理解しようとする家族とか考えると凄い表面的なところでしか理解してないんじゃないかと思ってしまうんだけど深層的な理解とは何かというとそれはまた難しくそこまで考える必要があるのか、とか真意はそこにないそもそも真意とは何か。見た人が感じたもの受け取った物がその作品そのものだという話もあるけれど、まず"理解"をしようとしてしまうので。そういうところが浅はかだなー!と思ってしまう…

野田秀樹の作品は言葉遊びが巧みで洒落が効いてる!と思う楽しさと社会的なテーマを含んだ部分、現代社会を皮肉る様な社会を斜めに見る様な作品が多いと思ってるんだけど(こういう事言うのもなんだか)そう言う風に見えるのはそう言う風に見たいからだと言う気がしてもっと単純な部分も本当はあるんだろうなとか考えてしまう。全然作品の感想ではないけどやたらと内省的になると言う事で。

父母娘はそれぞれに今夜出掛けなければいけない理由があり、家には妊娠を控えた飼い犬がいる。誰かが家に残って犬の面倒を見なければいけない、誰も家は残りたくなくてお互いに役目を押し付け合う。そのやりとりががどんどんエスカレートしてお互いの足を鎖でつなぎ、外と連絡が取れない状況で家族は取り残される、と言う話で父はワンダーランド(某夢の国を彷彿とさせるキャラクターのカチューシャ、シルエットが出てくる)母はボーイズ・ボーイズ・ボーイズ(鞄に少年たちの顔写真と裏にメッセージが書いてある団扇が入ってると某ジャ◯を想像させる黒い噂がある)娘は常にスマホを弄り、自撮りを撮るそのほかIT機器にも執着している様子を見せるが実は新興宗教にハマり世界の終末を信じている。(確か初演では宗教までの設定はなかった)

設定の変更あれこれはより時代に合わせた変化という気がしたし、英語ver.で上演するための変更かなとかどっちか分からないけれど。

父がお腹にいるのが娘だと分かって堕胎させようとした話も初演にはなかったはずでもあの両親は娘ちゃんを愛していたと思うけど…夫婦の愛の形もちゃんと見えるんだけどどうしてこうなったというか初演を見た時はオタク趣味って宗教の様なものだとか、宗教についての意識がそこまでない日本にあるのはオタクという信仰だなとか思ったけどそれとはまた違うようなもっとダイレクトに娘が新興宗教にハマっているという話があるからか余計にこうこの物語の核を為す"信じること"ってなんだろうって言うのが余計に分からなくなったような。

うまく言葉にするのが難しい感じがある。分かった風にするのが1番いけない気がする。

父が能楽師から能のシテ方になって能の所作が増えたんだけど外国人で女性であるキャサリン・ハンターさんに能のシテ方を演じさせる面白さってやっぱり演劇の面白さだしそもそも登場人物誰もがまず本来とは別の性別を演じているんだけど性別も年齢もさらには言語を越える演劇でしか成り立たない面白さがまずあるって事を楽しんで内容についてあれこれなやむのは範疇外の事なのかなとも思う。

すごくパワフルで観ている方も体力使うんだけどたくさん笑えるし笑った分ぞっとするし最後のOne Green Bottleの意味は何なのかまだ考えたいところはたくさんある。能からの台詞の引用とか切腹!とか仰々しい"日本らしさ"というか父の髪型がハゲヅラバーコードなのも日本人の中年の典型だし、母はサザエさんの髪型だし、娘は紫髮の子できゃりーぱみゅぱみゅ的なイメージなのかな?と思うし表象とか寓意的な意味があるのかなと思うけれど…そこまで考えるにはやっぱり足らないなと思う。

 やっぱり感想にするのはとにかく難しい…野田秀樹の作品について語る事が難しいのは失礼な事を言えないみたいな私の自意識に起因するので…もっとたくさん色んな事を知らなくちゃいけないというか自分の無知さを自覚するというか全く自分の話ばかりでつまらない…

誰か他の人の視点が欲しいから観に行って感想聞かせて欲しいと思うんだよね…私には語る事が難しい。

難しく考えすぎなのかなと思うし、あまりに象徴的なものが多すぎて気を取られているだけかなとか…英語上演でイヤフォンガイドから聞こえてくる日本語を聞くんだけどやっぱり役者が生で喋る言葉を堪能したさはあったから英語でわかると良いのに!ってなったしそこを補うようにちょこちょこと日本語でセリフ入れてくる母がやっぱり面白いし凄かった。

ミュージカルデパート!

本物のデパート内にある劇場でデパートを題材にした舞台を見る楽しみ!最高でした。

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デパートの裏側とデパートの表側両方を描いた作品で見終わった後にデパートはただ買い物に来るだけの場所じゃないんだよね、きっと毎日小さな素敵なエピソードがあるのだろうな〜ってデパートでお買い物したくなるようなそんな気持ちになった。

とにかく歌いまくりでほぼ歌ってるしみんな歌うまいし最高なんだけど特にインフォメーションガールマリの曲と発注ミスのビビの歌が面白かった女性陣が本当強い。発注ミスしても私は自分に自信を持つ〜みたいな曲を聞く事が今後なさそうで爆笑してしまった。

あらゆるところに有名ミュージカルパロディが織り込まれていて特に元ジェンヌの愛加さんが踊るデュエダンを思わせる振り(見たことあるやつきたー!と思った)とか二幕冒頭でのSeason Of Loveを思わせるあれとか(あれは絶対そうだと思う)演出の原田さんのミュージカル愛を感じてふふってなっちゃうのも面白かった!もっと元ネタが知りたいのいろいろある!Season Of Loveは気づいたときにめちゃくちゃにやにやしちゃった…二幕始まりで横一列に並んだ時にあれ?ってなったんだけどそれぞれのソロあるし違うのか〜と思ったら出雲さんのソロの感じとかとか手を差し出して客席にもハンドクラップ求めるのとか本当それでしかなくてもうっっっ!ってなった(大丈夫です好きです)

群像劇でそれぞれにエピソードがあってそれぞれに見せ場がある作り本当に大好きなんだけどデパートの経営者である父と息子、デパートに卸す包丁を作る職人の息子の話がこう対比じゃないけどシンクロしててとても良かったし、デパートに来るお客様のオズマン夫妻のエピソードには本当に泣かされてしまった…デパートの創立者の幽霊の話とか壊れかけのモリス〜はあれ本当なんなんだ…お話がちょっと忙しい感じはままあったかな…

フラグを全力でへし折るモリス面白かったしピートの恋をお手伝いするイギーがいいやつで可愛い…イギー可愛い…

デパートなんて金持ちしか興味ないだろの警備員のイギーがデパートって悪くないなってなるエピソードとかも良い…デパートが愛おしくなるお話だった。デパートは物をうるだけの場所じゃなくて思い出を作る場所でもあるというか。

セットがほとんどなくてエレベータードアを思わせる壁くらいなんだけどその壁があるだけでデパートっぽさがグンと増すのが面白かったしその壁を使った演出も面白かった!特に好きなのはイギーが踊る深夜のマネキンがいつの間にか生身の愛加さんになって踊ってまたマネキンに戻るところ!壁をうまく使ってやってたんだけどここがすごく好きだった…!!!!

上手端で壁の裏に隠れて移動するキャストさんが見られて面白かったけどセンターからも堪能したかった…!!

発表された時からこんなキャスト揃えられたら行くしかないなっていうキャストだったんだけど作品自体もすごく好きだったし本当に面白かった!オリジナルミュージカルってところもすごく好きだしまたオリジナルでもっと作品作ってもらいたい…原田さんは役者さんとしてもすごい好きなので出て欲しい気持ちもあるけれど演出家としても面白いなー!と思うのでこれからも演出されてる作品見たい。

ACCA 13区監察課

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品川クラブEXに初めて!来ました!円形ステージと通路と舞台という形状…A〜Dブロックでぐるっと囲んでAが下手側から始まってCがセンターかな?Dは完全に上手

プレミアムの範囲がどこまでなのか分からなかったけど運よく最前で見て来ました。視線に困る。客席降りというか客席から出ハケしたりむしろ会場中を舞台にした作りだったから舞台じゃないとこでもキャスト見る機会多くて面白かった。

ウィッグの色が凄いと思ったんだけど質は良いウイッグだった…あと荒木さん初めて見たんだけどカラコン入れてる瞳がむちゃくちゃ美しかった…役のせいもあるけど飄々としてて腹の内が見えないけど人当たりもよくてなんか好感を持ってしまうようやつだった…好きなのかな???(すぐ好きになる)

原作未履修でいったけどジーンが巡る13区を景色ではなく人と服装、歌(国歌みたいなもの)で現す演出が本当面白くて!舞台の上に各区の伝統的な衣装のマネキンがおいてあってジーンが今どこの区を訪れているのか分かるようにスポットライトが当てられる。

各区の代表の人たちはそのマネキンと同じ服装で登場して歌ったり踊ったりするんだけど五長官の出身区になると長官がマイク持って歌う(笑)歌詞の内容はよく覚えてないけど本当国歌みたいなそれぞれの区の歌みたいなもんなんだと思う。

13区はそれぞれ独立した国の様なものでそれぞれが議会で統治されたが国家なんだけどクーデターの疑いがあるって事でジーンが各区を巡って調査をしている。そのジーン自身にもクーデターに協力してるんじゃないかって疑いが掛けられているという二重の…ジーンも怪しいけど他にもいるかもしれないし何よりジーンを見張って誰かに報告しつづけている人物・ニーノがいる。ニーノはジーンの親友と言うけれど。

ニーノの曲者感とか得体のしれない感じとジーンの人当たりは良いのにやっぱりどっか読めないところがある感じは似ている様な似ていない様な。

ニーノはフリーライターのフリをしながら実はACCAの内務調査官だったりジーンがクーデターに協力しているんじゃないかという疑惑を調査していたり、ほほうってなったんだけど最終的にはジーンが王族の血を引く人間でニーノの父親がジーンの母親をずっと影で見守りつづけてきてニーノにもその任務が託されていたという話だった二重スパイみたいな…

そのジーンとニーノの話に王族ドーワー家の後継者問題、各区の抱える問題、クーデターを企てているのは誰か?みたいな事が絡んでくるんだけどもうちょっと細かく知りたいなと思う部分もありつつ、2時間と少しの舞台でうまく見せてるなと思った。

ジーンの出生が明らかになっていくシーンでのニーノの父親、ニーノの幼少期を姿と声で演じる役者さんを変えてたのが良かった!演じる役者さんと声を当てる役者さんが別っていうのはなんていうかこうとっても演劇的で面白いなと思ってしまう。ニーノの声はもちろんニーノの丘山さんが当ててるんだけど。

ニーノがCanonのフィルム一眼抱えてるのにちょっとテンションが上がったとか円形の舞台の下のあちこちに椅子が置かれてて主に五長官が座って客席側に顔を向けていたり舞台の上でのジーンやニーノの振る舞いを冷静に見ているのが怖かったし見ているのを見ているという二重構造!も面白いなーと思った。五長官が円形舞台を取り囲んでいるとこれから何かが召喚されそうな気がする!(魔法陣)とか威圧感がすごい!とか思っていた

全員腹の探り合いをしていて全員怪しい緊張感が走る…!

最終的にクーデターはドーワー家の王子が王位を継ぐ事を懸念した五長官によって仕掛けられていて実は王家の血を引くジーンを王として立てるために各区を回らせジーンにタバコを渡す=クーデターへの参加意思を表明になっている展開のはずが実はクーデターを起こそうと企てたフラワウ区出身のリーリウム長官が覇権を握ろうとしていたという目的が明らかになって実際クーデター実行の段になってリーリウム以外の五長官は裏切り、逆にリーリウムを追い詰めてドーワー家の王子にACCA継続を約束させる(元々クーデターの計画もドーワー王国の独裁を懸念してのもの)というどんでん返しがあってストーリー的にもすごく面白いなと思った。フラワウがACCAから脱退して独立国家になったとかフラワウが覇権を握ろうしていた理由がフラワウで採れる資源を他の区にも平等に与えばならないという事を理不尽に感じてだったけど。

ジーンがパン、ニーノがチョコが好物という設定があるんだけどそれぞれそれがなぜ好物なのか、の理由がそれぞれの親に関係する事なのが良かった…グッときた…

ジーンが失恋しました、ってモーヴ本部長に言うのがえっ好きだったの?ってなったんだけどグロッシュラー長官に失恋した訳はないからモーヴ本部長よね…

ジーンの監察報告という体で説明台詞をめっちゃ喋るというか序盤は物語の外にいてジーンを語り続けるだけのニーノが誰よりもジーンに寄り添いつづけて来た人物なのが良かったし中の人的には丘山さんが喋る台詞が膨大で大変だったろうなとか…あんまり日本語が得意でないイメージもあるから(日本人だけど)歌ったり踊ったりしないストプレの丘山さん初めて見たから勿体無い…ってちょっとなったけど体格の良さとか得体の知れない感じ(ニーノと同じく丘山さん自体が異分子)みたいなのも良かった

荒木さんは今回初めて拝見したけど本当凄かった何がというかいやー好きだよねみたいな感じが。すっごい魅力的な人だなぁと……

あと五長官のイケオジっぷりが最高だった………目の前で美中年をガン見する喜び(笑)格好良いんだよね〜人として魅力的というかやっぱり格好良い。素敵だった。

モーヴ本部長役の連城まことさんの紅一点の艶やかさとしなやかな美しさもすごく良かった!

若いキャストの皆さんはアンサンブル扱いの様な感じで各区の格好をして各区の人たちとして出てきて踊ったり歌ったりするからわー可愛いねみたいな感じなんだけどそこに五長官が錘の様に存在するという点もこの作品の魅力的なところだなと思った。

最前はちょくちょく見下ろされてる…っていう視線を感じるのが…良かった…(笑)

あと振り付けが可愛い(笑)BATIKの黒田郁代さんの振り付けだからバレエっぽいのかと思いきや可愛いかった!

感想書いてみて改めて面白かったんだね?ってなったから本当ならもう1回くらい見たかったな!

アダムスファミリー

♪チャラララ〜チャッチャッ〜チャラララ〜チャッチャッしてきました(伝わらないアダムスファミリーテーマ曲)

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大体のネタバレをかまされBW版(?)のアダムスファミリーを映像で見てミュージカル版のサントラを聴き大体のストーリーを把握していたからおおこうなるのか!みたいな驚きは全然なかったけどとても良い作品だった何よりキャストが豪華で楽しい。

村井さんが家族や恋人と見て欲しいってお勧めするのが分かるくらいには家族っていいなぁってなる話だった。一度バラバラになってしまったもまた元に戻れる分かり合える家族だものみたいな。ウェンズデーとルーカスはそんな家族を作っていくんだなあって言うラストが良かった〜!アダムスファミリーっぽいジョークも交えつつ…

"アダムスファミリー"で主人公がゴメスだけど家族の話としてゴメス↔︎モーティシア、ゴメス↔︎ウェンズデー、モーティシア↔︎パグズリー、パグズリー↔︎グランマ、ウェンズデー↔︎パグズリーの関係性が描かれてるのが良かった!夫婦とか父娘とか母娘とか来るものがある…基本的にフェスターは語り部の役なのでフェスター自身のシーン以外はそんなに絡みがなかったはず。

バイネッケ家は主に夫婦かなぁ…ルーカスが直接的に両親に働きかけるとかはあんまりなかった、かな?父ネッケがルーカスの姿を見て自分の態度を改める事はあった。言葉より態度で示そう。ウェンズデーに一生懸命な姿に絆されるというかそういうところはきっと出会った頃のパパママと同じなんだろうな〜って思ったしきっとルーカスもいつかはつまらない男って言われるようになるかもしれないし、妻に秘密を持つようになるかもしれないそれが家族…って感じがした。

あとルーカス君はお母さん呼びでお、お母さん…!!ウェンズデーちゃんがパパママ呼びなのと対比ですごく良いおかあさーん!っていうルーカス君好きです君は優しい子だ

まあそんな2人がかわいくてルーカス&ウェンズデーカップル …まあウェンズデーが主導権握ってますよね…ネクタイぐいっと引っ張ってチューするの本当好き…好みの女の子のタイプが気が強い女性なところがある私なので本当良いね〜!!!!!ってなる。余談だけど村井さんが演じてる役の相手役が大体気が強い女性だから大体私は好きになるんだありがとう好みです。

昆さんはやっぱりお歌が上手いしどっからどう見てもウェンズデーだしあのちょっと低めのトーンで喋るの良かった!

アダムス家は普通じゃないから普通に振舞って欲しいってお願いするウェンズデーとやらかさないでよね!ってお願いするルーカスとか"普通"に見えるバイネッケ家が全然普通じゃなかったとか家族にしか分からない我が家の普通じゃなさってあるよね

あとアンサンブルの人達すごい!ダンスが凄く多い&振り付けのジャンルが様々?なんだけどもうほんとうダンス凄くてご先祖様〜〜〜!!!!!あとめちゃくちゃハーモニーが美しい。本当にご先祖様達大活躍でご先祖様達がいないと出来ないシーンがたくさんある。白井さんのアンサンブルの使い方がうまい(村井さん談)ってこう言う事か〜!って納得した。

 以下は私が好きな演出ポイントとして書いたメモです。

・先祖がぐるぐる木のセットを持ってバイネッケ家の周りを回る

白井さんの演出って大掛かりなセットを使わずに大道具を移動させて空間を演出するのかな?って感じでご先祖様たち大活躍だった!このバイネッケ家の移動の時に周りの木が集まってみたり動いたりする事でその場から動いてなくてもバイネッケ家が移動してるのがわかりやすい!

・食卓の遠近法

確かBW版は横並びだったアダムス家の食卓が手前から奥の方へ小さくなっていく遠近法仕様でおお!ってなったし椅子の高さがちょっとずつ違うのも見えやすさのこだわりなんだろうなって実際全員が食卓についても凄く見やすかった!あとこの遠近法演出がゴメスの部屋のシーンでも使われてるの好きだった!

・映画っぽい字幕が出る

元々のアダムスファミリーの映画のイメージがあるから映画が始まるみたいなOP演出良かった!アダムスファミリーだ〜!ってテンションあがる。あとハンドの演出がここであるのも好き。

・嵐の演出

が色々あって帰ろうとしたバイネッケ家を返さないために先祖がハリケーンを起こすんだけどドアを開けると風が強くて色んなものが飛ぶ、閉じると収まるを何回か繰り返したんだけどここの演出がアナログな感じ!律儀に飛ぶナプキン(笑)

・鳥

ウェンズデーがルーカスに出会っておかしくなった小鳥を可愛いと思う、って歌う時の鳥w棒の先についてる鳥…!

・ウェンズデーがThursdayになったww

これはゴメスがウェンズデーが大人になったって言う時の台詞なんだけどツボってwウェンズデーがThursdayに…

 ・フェスターの恋からの月光浴の時のライティングと傘

フェスターは月に恋をしている→フェスターが月への恋心を歌う歌があるんだけどまあめちゃくちゃシュールだったのは置いといてその時に女性のご先祖様が水着を着て日光浴よろしく月光浴(!)をするんだけどその時に傘を使った演出があってそれがとても好きでうまく説明出来ない

・木に隠れて出てくるルーカス

これは本当そのまま…木に隠れて出てくるルーカス笑ってしまったwそうっと出てくる時のルーカスの存在感wwってなってしまったし本当こう言うちょっと地味な役村井さん本当似合う…

・ルーカスの頭の上のリンゴをウェンズデーがボウガンで撃ち墜とそうとする時の矢の軌跡

 ウェンズデーへの愛を証明するためにルーカスが目隠ししたウェンズデーにボウガンで撃たれようとする(正しくは頭の上のリンゴ)けど矢はご先祖様たちがリレーして、絶対ルーカスに当たる位置なのを是正してちゃんとリンゴに当たる様にしてくれるのが!ご先祖様!ルーカスとウェンズデーの恋を応援してくれるご先祖様達本当に良かった(正しくはウェンズデーが墓場に帰る鍵を奪ったので墓場に帰れないご先祖様達)

バイネッケ家を迎えるフェスター・グランマ・パグズリーがサウンドオブミュージックのパロディ(お休みの時の曲)をしてて笑ってしまったww

 今日のモーティシアは壮さんのモーティシア!で美しく強かったし凄く女性らしさも感じたけど真琴つばささんのモーティシアは次回見るのが楽しみ!

途中まであっ村井さんいたんだったwwって軽く忘れるくらい普通に村井さんいなくても楽しめる舞台だったな〜!っていやー白井さんの演出面白いな〜!すごいなー白井さん(全力で褒める)今年白井さんの手がける舞台見るのが3本目でどれも面白かったし本当に村井さんがお仕事する事がきっかけで見られて良かった!

アダムス家に比べるとバイネッケ家は歌わない踊らないけどふとした時のちょっとした振りが可愛いのとキレッキレの動きを見た時あっ村井さんだwwってなるのが面白かった(ルーカスはアリスに似てとろいってパパに言われるのに)

ミュージカルパジャマゲーム

未だに激推しミュージカルグランドホテルと同じ演出家さん(トム・サザーランド)が演出なので行ってきた。

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pajama-game.jp

誰かあらすじを簡潔に説明してほしい気がするけど、

・舞台はパジャマ工場

・相手役の新しい工場長は他所者(今年3人目)

・ヒロインは苦情係

・7セント半の賃上げを要求中だけどなかなか折り合いがつかない

・ヒロインと工場長はお互い一目惚れだったけど立場上付き合う訳にはって躊躇していたら強引にグイグイ来られて工場の従業員公認の仲にされた

・なかなかうまくいかない賃上げ要求にしびれを切らして強硬策に出るベイブ(ヒロイン)

・私がやりました!と正直に申告してクビ

・シド(工場長)との別れを決意するベイブ

・何とかして従業員の要求を通したい、ベイブとやり直したい困ったシドが社長の帳簿に目をつける

・決起集会(賃上げかストライキか)

・帳簿から不正発覚、賃上げ要求が通る

・カテコで結婚しました〜なシドとベイブ(こんな感じです)

 

7セント半の賃上げ要求さもなければストライキっていう社会派コメディっぽい。

1950年代のお話だから衣装がオールディーズ(古き良きアメリカ)っぽさあって可愛いかった!

あと舞台セットは固定が背面の工場の背景っぽいやつだけであとは全部可動式でキャストの方がぐるぐる回したり女子キャストがミシン台でフォーメーション作るのが最高に気持ちよかった気持ち良いというかああいう動きが大好き…

あと森にピクニックに行くシーンで背景の木のセットを全部パジャマで作ってるのも茶目っ気あって好きだった。

大体フラットな舞台だったんだけどシドの執務室のシーンは可動式の四角い台を使って高さの違うそれぞれを組み合わせて執務室っぽさ出すのとかそれが工場の施設になったりするのとか面白かった

シドとベイブの恋が中心なんだけどベイブの出番意外と少ないな?大丈夫か?ってなるくらい工場の社員たち一人一人の見せ場が多くて!みんなそれぞれどんなキャラクターなのかって分かる見せ方で群像劇ではない…?軍属劇なのかな…?ピクニックのシーンはほぼシドとベイブがデート中でいないから社員たち各々の見せ場って感じで縄跳びしたり高跳びしたり凄く可愛かったしこうやってちゃんと見せ場があるの良いな〜っていう気持ち。人物一人一人の描き方が丁寧だなぁという印象。

アクロバティックだったりする動きとかダンスも格好良いな〜ってなったんだけど足に二人三脚の紐つけたまま踊るのとかシドとベイブを取り囲んで椅子を使って踊る振り付けがめっちゃ良かった!あと秘密のバー(ジョーに聞いたが合言葉のバー)でのタンゴっぽい振り付け(なのかな?)とか男女組み合わせのカップルダンスみたいなのが結構多かった気がする男女同数だったし。タップダンスもどっかであったし振り付け良いな〜素敵だった。

歌が別に悪かったとかではなく曲よりも振り付けの方が好きというか印象に残る感じ。

リプライズというか同じ歌を別の人が歌うのが結構多くて良かった。

シド・ベイブ・チャーリーが三角関係なんだけどこの3人が同じ歌を歌うのも良き〜〜〜〜ってなった好き。

チャーリーがひたすら良いやつで…単にいいやつなのかと思ったらベイブが好きだったらしく(早く言えよ!!!!!)いや〜好きな女の幸せが俺の幸せとか言ってる場合じゃないからな????自分の幸せが1番だからな????彼には可愛い彼女見つかって欲しいね〜

よくある田舎の工場〜って感じの狭い範囲での人間関係がドロドロしてて地獄かよって感じもあったけど(工事内にカップル3組ぐらいいる・そのうち1組は不倫カップル)ベイブがシドと初めて出会ってすぐ恋に落ちるんだけどみんなすぐ噂する〜みたいな歌があってちょっと話したら好きなの?とか付き合ってるの?とか本当田舎は人の恋愛くらいしか娯楽がないの地獄…ってなっちゃった……近所の人が噂話してるとか…やだ…

まあそんな田舎で噂話が趣味の女とセンスの悪い男しかいないようなところで出会う知的なシカゴ生まれの男と(シカゴも田舎では?)苦情委員会で上層部に立ち向かう勇気のある強い女が出会うんですよ…

ピクニックでナイフ投げの男の被験者?になるベイブにシドが怒るんだけど本当に向こう見ずって感じじゃなくて危なっかしい…まあナイフ投げの男を信用しているから(名前忘れた)でも丸い板に縛り付けられてぐるぐる回されるのつらくないのかな…

シドの格好良さとプレッツの下半身緩すぎる問題とナイフ投げのヤキモチ焼きの男とチャーリーは優しすぎたんだな…ベイブには少し強引な男の方が良かったんだな…と(田舎の男ろくな奴がいない)

まあ噂好きの女子ーズめっちゃ可愛くてストライキの一環でノロノロ作戦を実行する時の喋り方もスローになる感じとかタバコもスパスパ吸っちゃうようなはすっぱ感(古い)のある女子ーズ本当一人一人個性的で可愛かった!スカートの下にちゃんとパニエ?か何か履いてて裾持って踊るの本当に可愛かった〜ドレスも可愛いしお着替え多くてテンション上がる。

あと女子ーズはミシン台のフォーメーションの作り方が本当凄くて斜めに二列からの横一列そっからまた斜め二列に戻るのとか丸くなって時間管理担当のナイフ投げの男を囲むのとか。フォーメーションの美しさは本当凄かったあれは良いものですね…!!!!

社長さんが明らかに悪い奴で笑ってしまったんだけど(二重帳簿を持ってて役員には従業員の賃上げしたって報告してた)工場長ってそんなに権限あるんですねというかシドがただのいい男すぎて(でもベイブを解雇したりするから失敗もしてる)

あと北翔さんて退団したばかりなのにそんなすぐキスシーンのある役で大丈夫???ってちょっと心配になったのと二幕明けと最後のカテコでの服装がえっちすぎて心配になった(二幕明けはつなぎ?からの見せブラ+すけすけの黒い服、カテコは彼シャツ上だけ)

カテコでパジャマ着て出てくる女子ーズもめっちゃ可愛かったんだけどなぜか男性キャストが半ズボン履いてる人たちのおみ脚がすごく綺麗(つるつる)で気になった。

中劇場の使い方というかなるほどこういう風に見せるのかというのが面白かった!前は大劇場で見たから、中劇場はこう使うんだというのが面白かった〜劇場に備え付けの幕じゃなくてセットとしての幕を用意して使ってたのも面白かったなこだわりだな〜使ってる布が洋服の切れ端を使ってますみたいなので可愛かった

演出目当てで行ったからあんまり個々のキャストの感想とかは特にというか…ただ全体的に可愛かったな〜っていうのと一人一人の描写が本当に細かい。別の作品だけど海外の演出家さんにモブ(本役じゃない時)でもちゃんと役の設定を自分で考えてプレゼンしてこいって言われた話を思い出した。何かそういう演じてる役者さんの自主性というか一人一人が役を作り込んでいる感じがすごく素敵だった!

振付ニック・ウィンストン(Nick Winston)
現在、ロンドンミュージカル界で、トップ10に入る振付家として注目を集める。

紹介文がすごい。(本当にすごい人だと思う)

ハッピー明るいミュージカルなのに社会的なテーマを内包していて(賃上げ要求)とても良い作品だと思ったんだけどなんかこう全体的に……(好みの問題)演出も面白かったし振り付け好きだな〜と思ったんだけど曲があんまり印象に残らなかったからなのかな…?お芝居はキャッチボールだから舞台の上から投げられるものをちゃんと受け止めようという気持ちが大事という事を教わったんだけどそれがうまく実践できていなかったので反省……

オーランドー

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嵐の中を見に来たら電車が運転見合せなのでその隙に書いています。嵐の中芝居を観に来るのは速水真澄くらいだと思ってたら客席すごく埋まっててみんな速水真澄なんだと思う(終演後の運転見合せですのアナウンスにどよめいていたけど)

 

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すごく面白かった!毎回言うけど凄く面白かった。オーランドーは性別も時代も飛び越えるって事で時代は16〜21世紀、オーランドーの16際から36歳、オーランドーは30歳の時に女性になる。16世紀から始まって21世紀で終わるんだけど時代の移り変わり、途中で性別が変わる事によってオーランドー自身が社会に対してどう向き合うか、社会からどう扱われるかみたいな事がどんどん変化していってオーランドー自身は何も変わっていない様にもその時々で柔軟に変化し続けてる様にも見えて面白かった。

 

16世紀の少年のオーランドーはサーシャというロシアの姫に出会って恋をするんだけど17世紀に裏切られて、オーランドー自身は18世紀に女性になって(二幕から女性で登場するオーランドー)19世紀で恋人を求めて結婚して20世紀でまたサーシャを求めて21世紀のオーランドーは詩を書いた

全くもってお話が意味不明にしか説明出来ないけどこれ多分文章で読んでも意味不明だろうなと思うから原作の小説を読む気にはなれないんだけどお芝居でならまた観たい。余裕さえあれば2回くらい観たかった。日本初演って事でこれから再演も期待できるのかな?

難しい?と言えば難しいのかもしれないけど理解するよりももっとなんか色々楽しんでしまった。何よりビジュアルとか役者さんの演技とか。台詞が三人称"オーランドーは〜"とか"彼女は〜"で語られるの面白かったオーランドー以外は彼女を語るために存在するみたいな。

オーランドー自身でさえもオーランドーを語るための存在の様な、オーランドーは詩人でずっと様々な時代を生きる中でも同じ詩をずっと書き続けようとしている。

詩を完成させようとしているオーランドーの話?と思えばいいのかなよく分からないけど

会話よりは説明する台詞の方が多くて多分文字にしたら膨大な量なんだろうなと思う台詞をすらすら喋り捲る役者さんたちの力がめっちゃ強いというか台詞をちゃんと自分の言葉にしてるのが好きだなぁと思った文語口調で喋り捲るのに文章じゃなくて言葉として存在するというか。

私は書き言葉も喋る言葉とそんなに変わらないけど喋る言葉と書く言葉は本来別物で書き言葉を喋る難しさというかそれが音声で入って来ても何となくすらっと聞き流しちゃうんだけどまあ台詞回しが良かったよねという話

ロシアの姫サーシャとオーランドーがフランス語で会話をするから周りの人間が通訳します!って言って説明されるの面白かった

ロシア語フランス語イタリア語出て来たしイケテツさんは美声を披露するし最高

若い女優さんたちとベテランおじさんたちなの素晴らしいキャスティング

主役の多部さんは(多部未華子)映像で見てる時も好きだったけどサロメの舞台をやっているの映像で見てこの人のお芝居生で見たい!と思っていたし生で見てやっぱり凄く良かった。好きだ。(元々好きなタイプなのはわかっていた)

少年のオーランドーから青年のオーランドー、貴婦人のオーランドー、近代女性のオーランドー、現代のオーランドーを変化と変化しない部分の演じ分けというかオーランドーはずっと死への憧憬があるとか、時々憂鬱にとらわれるとか、時代が変わっても性別が変わってもそれだけは変わらないオーランドー。

周囲の人たちは役も色々変化していくんだけどオーランドーはオーランドーのままで。何とも不思議な役だなぁと思った。

16世紀のオーランドーは短髪17世紀世紀のオーランドーは長髪、18世紀のオーランドーは貴婦人(高く結い上げた髪型)、19世紀のオーランドーはビクトリア調、20世紀のオーランドーはモダンガールっぽく、21世紀のオーランドーはドレスを着て多部さんの現在にも近い感じで16世紀世紀のオーランドーと17世紀のオーランドーの瑞々しさがイチオシ…オーランドーが女の子の絡みも最高のやつ…あと影絵で見る情事のシーンがめっちゃエロかったしそのあと女になったオーランドーが一糸まとわぬ姿で〜にすごくどきっとした…

 青年オーランドーが情欲?を覚えるシーンで股間を抑えるのがすごくえっちくて良かった…股間を抑える多部ちゃん.......

2幕からオーランドーが女性になって登場するんだけど男性から女性になって戸惑うオーランドーの態度がすごく倒錯的だったし、元々演じている多部さんは女性で男性を演じて男性から女性になった人を演じているという構造が複雑化していく感じがすごく良かったし宝塚の男役の人みたいでもあった。

男性っぽい仕草・態度はわざとらしくないのに女性らしい仕草・態度はわざとらしく演じるとか。

オーランドーが今生きている時代によって己を形作られているみたいな台詞があってなんていうかすごく印象的であったけど自分がどうある事を求められるか、みたいなオーランドーは男性であった時に女性に求めたものを女性になった時に求めていた振る舞いができないとか。時代によってその性別のあり方というか振る舞いが違うとか。

オーランドーは男でもあり女でもあったとかそういう台詞がすごく面白くてシェイクスピア劇の様なお芝居でもあった様な。文語調の言い回しだったからかな。

演出的にすごく好きだー!ってなったのはサーシャがスケートを滑りながらくるくる回ってくるところとかサーシャとオーランドーが2人ですべてってロンドンへ行くところ、凍ったテムズ川をビニールで表現するのも面白かった。

舞台の演出は画面(舞台の上)の構成力がすごく大事だと思ってるんだけどお客さんの視点を固定出来るわけじゃないから隅から隅までどこを見ても楽しめる様にしておかないといけないというか。映像は視点を固定して見せる事が出来るけど舞台はどこを見ても自由だからそこをどうするかに演出の面白さみたいなものが出るのかなと思っていて白井さんの演出はそういう構成力みたいなものがすごく好きだなと思った。偉そうな事を言ってしまったけど

あの作品を6人で構成している事がとにかくすごいなーってなったんだけどオーランドーさえいれば出来る物語なのかもと思ったし本当に不思議な作品だったなというのとそういうところと演出と役者さん含めてとても面白い舞台だった。もう1回見たら自分の中でもっと手繰り寄せる事が出来るのかなと思うくらいに自分の中でこの作品に対する理解というか輪郭みたいなものがあやふやで掴めないものという感じがする。

現代のオーランドーは何かを納得した様なラストだったんだけど。 

あらすじだけを説明するのも見た人だけにしか伝わらない感想書くのもなと思うんだけどどっちもできなくて中途半端になってしまうなといつも思う…