I was stage gazer

星を追う

RENT2017 製作発表 

 

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頂いたチラシ(新聞広告っぽい)とゲストパス〜

前から4列目までマスコミ席、番号がついてる(抽選で席番を引く)のは5列目から。マイク9本横並び 、で下手端にバンドセット。

上手の本当に端だったけど前にマスコミの方もいなくて大分見やすいお席でした。

 司会の方からRENTの説明、日程等の説明ありつつ(しれっとキャストの皆さんご登場で)1曲目 Season of Love 今日登壇するフルキャストで~って事で18人のSeason of Love、村井さんと堂珍さんが同じマイクで、始まる前に堂珍さんが村井さんの肩ポンポンって叩いててニコニコした。ジェニファーさんと平間さんが同じ、あとユナクさん丘山さんが同じで時折顔を見合わせながら歌ってるのが印象的で。

あと平間さんがどこかでそっとジェニファーさんの腰に手を回していたのを見てエンジェルミミ~~~って1人ですごく萌えた。

村井さんと堂珍さんは近いなって感じなんだけど顔を見合わせたりすることなく見なくても分かるみたいな感じがすごくマークとロジャーの関係そのまんまだなとも思った。

そして2曲目~Anoter Day 司会の方がこの曲は2幕で~とか細かく説明してくださるのもよかったAnoter Dayはどこで歌われる曲でしたか…RENTは映画にもなってて~とかブロードウェイでのロングラン、オフブロードウェイでの新演出版、日本では5度目の上演とかオペラのラ・ボエームを現代のNYに置き換えて作られた作品だとかのRENTの説明。初めて見る人にも優しい。私は2015年版から観始めたので基礎知識がほとんどないのでありがたい。

Another DayはWロジャー、青野紗穂さんのミミで。新キャストのお披露目って感じですね。2015年の時もWロジャーが歌ったらしいのでWロジャーの人気の高さを実感…

1番を堂珍さんが2番をユナクさんがって感じでどっちもロジャーなのに雰囲気が全然違って面白くてそれに負けないパワフルなミミがとても良かった。発音がちょっと外国なまりっぽい感じだったのが不思議で確か日本の方のはずと思ってしゃべってる時も普通だったけど。外国人の役を演じる時にちょっと外国の方っぽいなまりを出す方がいらっしゃるけどそのタイプなのかしら…?また公演でどんな風なミミを見せてくれるのか楽しみだな。

3曲目はI'll Cover you rep. (Wエンジェルがいない)コリンズの光永さんを中心に、って感じでエンジェルがいない…ってなったんだけどまあエンジェルを想って歌う歌だからしょうがないけど…。光永さんのコリンズとても良かったんだけどこの時の村井さんの歌う時の表情がSeason of Loveの時と全然違ったのが印象的で、すごく哀しみに満ちた表情をしていてもちろん哀しい歌だから当たり前なんだけどすごく印象的だった…

歌唱披露の後はフォトセッション!それぞれの立ち位置でお願いします~って時に村井さんが先にすっと出てきて(真ん中だから)みんな来ないかな~って感じだったのと袖にいる(らしい)ユナクさんにこっちだよ~って呼びかけてたのが可愛かった。お隣Wロジャーだもんね!ロジャーに挟まれるマーク。普通に立つのかと思いきや舞台のへりに腰かけて撮るのがあー見たことあるやつだ!RENT!と思った。あとがっちり堂珍さんと肩組んでてやっぱりここめちゃくちゃ仲良しだな~って。カメラがたくさんあってどこ見ていいのか分からない!ってなって手振ってください(合図して)って言いながら村井さんが手を振り振りしてたのが可愛くて何枚撮ってもずっとにっこにこの表情を崩さずにいるのがさすがプロ…!と思っていたら次ははしゃいだ感じで撮ってみましょう~ってなったときに一瞬後ろにめちゃくちゃ下がった?(そこ映らないんじゃってとこまでいった)あとに前にずり落ちて、はしゃぎ過ぎて舞台から落ちる村井さん。そんな座長です。はしゃいだ時の表情の豊かさが大分面白かったので色んな媒体の皆さまお願いします。はしゃぐ村井さんは岡本(悠紀)さんに全然はしゃいでない!楽屋での方がはしゃいでる!って駄目だし(?)していたり。でもはしゃいだ感じで~の時の堂珍さんはめちゃくちゃ表情が格好良かったんですけど。コンパクトにまとまってらしたし。

撮影が終わり、エンジェル役の丘山さんが公演のために退場されることになり、一足先にご挨拶を。とにかくふぅぅぅぅぅっぅぅぅ↑ってテンションの高い感じでご自分の名前を名乗るのを忘れていて皆に突っ込まれてたりしたんだけど渡米して16年、その経験を生かして~みたいな事を仰っていて前回平間さんのエンジェルしか拝見できなかったのだけど、また丘山さんのエンジェルがとても楽しみになった。とてもテンションの高い、可愛らしい感じの方でした。村井さんがふぅぅぅっぅぅぅぅぅ↑とか茶々を入れてたんだけど丘山さんにハグを求めていてRENTのキャストはファミリーだからハグしないと物足りない気持ちになるって言ってた村井さんを思い出してまたRENTの絆を感じた。新しいキャストもこうやって愛を持って受け入れられてるんだなというのがとても嬉しかったり。丘山さんはアメリカンなノリの方だな~という印象もまた強い。

そして質疑応答~まずは1人ずつ挨拶から。

こんにちは~村井良大です、から始める村井さん\こんにちは~/って返ってこなくて(前列がマスコミの方なのでそりゃ反応薄いと思う…)いつも空気が読めなくてすみませんってなぜか自虐的になってた。

内容がほとんどうろ覚えなんだけど村井さんは長い公演期間もこのキャストの皆とならやっていけそうみたいな感じのお話を。その後の質疑応答でのマーク続投は東宝版では初めてですがどうですか?みたいなお話とかも何となくうろ覚えで人生を変えた作品に~みたいなお話もしてたかな…前回は僕でいいんですか?って思った話もしていて懐かしくなった。村井さんがこれでいい?質問なんでしたっけ?って隣の堂珍さんに話しかけて救いを求めたら皆が良い事言ってたよ~みたいな返しでフォロー入れてくれるのが暖かいファミリーだなという感じでとても良かった。

それとは引き換えに、Wロジャーへの質問でご自身もミュージシャンとして活躍されていますがその経験がロジャーに生きてくることはありますか?という旨の質問にミュージシャンだから、ではなく人生の経験が生きてくるみたいな感じの事を答えた後の堂珍さんがこんな感じでいい?って聞いたらだめ~ってダメだしされてて本当に弄られキャラなんだな〜愛されてる。ユナクさんはソロでも曲を書いたりするからOne song gloryの気持ちがわかるというかあれくらい有名な曲は作れてないけどみたいな事を…

あと印象的だったのがモーリーン役の新キャストの沙羅マリーさんが学生時代にお仕事をしてたから青春っぽい事が出来なかったからこのキャストの皆さんと青春っぽい事がしたい!って仰ってて\いいね~/\スイカ食べよ~/\夏だしね~/ってわいわいがやがやしてて全体的に茶々入れるのは村井さんと上木さんって感じでこの2人が突っ込み役というかムードメーカーなのかしら。

平間さんがRENTが初ミュージカル?でそれから色々ミュージカルに出させて頂いたけどやっぱりこの作品は他と違うものがあって、とRENTについての愛を語ってくださっていたのが良かった。

色々な役をやっています~と話されていた岡本さんが前回の初日前日にこの作品に関われることが幸せすぎて気絶したらしく今年も初日前日に気絶しようと思いますって言ってて笑っていいのか。

MARUさんが去年の製作発表の時の記憶がない、今年も初めて演じるつもりで演じます~みたいな事を

あと青野さんが経験も少ないし最年少だし甘えようと思います!って言った時に堂珍さんに向かって\甘えられるんだ~~~/って話しかけてたのが可愛くて…前回村井さんが最年少座長でしたもんね…?そうだよね…?

あとミミについて聞かれたジェニファーさんのお話でミミはセクシーな役で~って言ったときにあれこれ言っていいんだった?って言ってたんだけど村井さんが放送禁止用語だよ!って返してたんだけど嘘を言うのはやめてあげてください。ジェニファーさん本気にしそう(ちょっと天然な方だと思ってる)本当に村井さんからの茶々入れが結構すごくてでもまじめにお話聞くときはまじめに聞いているしこのギャップ…!座長が良い感じにカンパニーの空気作ってくれているんだな~というのも感じた。ミミについてのお話は10年やってるけど最初のイメージと演じてみてが違うお話、剥いても剥いても色んな所が見えてくる玉ねぎみたいな役だそうで。あとジェニファーさんが今年初めての事もあったんだよ〜花粉症になった!って仰ってました。

コリンズ役の光永さんが18(19?)年前に赤坂でやったRENTのチラシ配りをした事があってバイト代は貰えなかったけど代わりにNYでRENTを見せてもらえて本当に人生が変わった、と。RENTHEADSなのでいろいろ細かいとこまで知っててうざがられるかもしれないけどって仰ってたけど\いいよ~/みたいなノリの返答でこのカンパニー本当仲が良い。(何度目か分からないけど改めて思った)

ベニー役のナロさんは唯一の悪役として嫌われるように頑張ります!って言って笑われてたけどでもこの役は嫌われる方がいいんだよね?その方がいいんだよね?って確認してたのが可愛らしかったのとユナクさんがいてくれて心強い、外人頑張ります!とのことでした。あと関係ない話なんですけど~って所属しているCODE-Vからメンバーが脱退された話もちょこっと触れててRENTを通して歌い続けるってことを伝えたいって仰っていたのも印象的だった。

最後は村井さんの挨拶で締めていただきましょうでえ~?って感じだったけど何か結構いい感じのことを仰っていた…キャストの事だけじゃなくて演出家の方についても触れてた気がする…でもとにかく見に行きたくなるような本当に良い製作発表で楽しかった!きっと歌唱動画は上がると思うので楽しみにしています。

ライブハウスでやる製作発表ってRENTの雰囲気にあっていてとても好き。ライブハウスで聞くRENTの曲もまた良い。

まさか当たると思わなくてRENT2015製作発表にも応募して、YGCBの公開稽古にも応募して3度目のチャレンジで初めて当選!地方住には当たらないシステムなのだと思っていたのに本当に東宝さんありがとうございます!!!!!お気召すで熱心にアンケート書いたからかな?本当に当選して嬉しかった。倍率は教えてもらえなかったけど少しでも雰囲気が伝わればいいかな…今年のRENT もとても楽しみ!

スーツの男たち

3/20 マチネ 高円寺アトリエファンファーレ

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ガッツリ濃密な3人芝居。

出演されている方も演出の方もほぼ存じあげなくて制作会社(CATプロデュース)への期待値のみで見に行った。何より少人数でのお芝居が大好きなのもあるしあらすじを読んでもおもしろそうだったし。結果、とても面白かった!期待を裏切らないCATプロデュース(褒め倒す)

 

 

ネタバレ有りの感想

安西さんの演じるマックスの知的で繊細、でもとても優しい所とか、章平さんのボビーの大型犬の様な…でも小心者で"任務"を行う前は落ち着かなくてはおしゃべりになってしまう。ぐるぐるとマックスが座る椅子の周りを回りながら不安でしょうがないって感じのボビーとても可愛いかった。うんこしてる時は凄く個人的な空間だ!って言うのと新陳代謝が言えなくて色々バリエーション豊かに言い間違えるのとか。

そうこの二人の関係性がとても可愛くて好きでこう言うのに弱いですね…好きです…ただの仕事上の相棒にしてはマックスがボビーを見捨てられない感じ、もっと愛情を持って接している感じなの何でだろうと思ったら2人は幼馴染でマックスの方が組織でも高位で優位に立ってるんだけどなんだかんだ我儘を聞いてあげたりするのが可愛い…そうか君たち幼馴染なのか…。

2人の立場が逆転するところ、マックスがボビーをかばってあげなきゃみたいなところから実はマックスの方が危うい立場にいる、みたいな2人の関係の変化も面白い。

2人でいる時は緊張しつつも割ときゃっきゃしてるというか幼馴染故の気安さもありどうやってボスに言い訳するのか2人で一生懸命考えていて(ボビーはあんまり考えてない)とても2人の関係性の感じとかにほのぼのしてしまうんだけど割と笑えるところも多い前半に対してボスが出て来た瞬間の空気がピリピリする感じ、本当にガラッと変わる。ボスだけ三揃のスーツなのがボスの前時代感を感じるけど。マックスは新しい男なんだよな…そしてボビーとボスだけにある仲間意識とか。あのボスのマックスと引き離してボビーをこちら側に引き込もうとするのずるい!そりゃあ簡単な方を引き込んで危険な方を消す方が楽ですよね!まあ逃げる事を察していたのかもしれないけど。ボスは本当はどこまで知っていたのだろう?

ボビーが仲間たちの名前を羅列してあいつはこうなった〜ってあげていくの面白かったんだけどそれがマックスが書いているという小説の伏線というか…何というか。よく覚えてるなボビー…

フィラデルフィアの話をする時の2人の仲良し感が本当に可愛い。あの出来事があったから2人の信頼関係の厚くなったのかな…。こいつはやっぱり助けてくれるみたいな。それからのあのラスト!あの悲鳴と電車の音の使い方が怖い!あと最初の場面にまた戻るのが!関係が変化してしまった2人!(ミュージカルのリプライズって感じ)ボビーの口数はどうだろう多かったのかな…?でもそれに気づかないマックス。

こんな結末になるなんて誰が思った!うわぁぁぁぁん酷いよー!という気持ち…でも死に顔がとても綺麗です。マックス。あとマックスの髪を撫で付けてあげるボビーにお前ってやつはー!と思う。お前ってやつはー!いつまでも相棒としていて欲しかったんだなって。普通の幸せを望んでしまったマックス。逆っぽいのになぁいつも怖がっている何回人を殺しても慣れないボビーといつも冷静なマックス。でも本当はマックスの方が繊細でずっと怖かったんだなって。80席くらいの会場で舞台も本当にシンプルでセットも椅子と背景くらいで本当にお芝居をがっつり見る!という感じ。2人のバーモントへの道すがらがロードムービーっぽい。ずっとあの時間が続けば良かったと思ってしまった。

とても面白かった!濃密なお芝居でした。

グーテンバーク!ザ・ミュージカル!

もうすごく楽しかった!めっちゃ笑った。

原田さんの女性役が可愛い。

www.gutenberg-jp.com

 

グーテンバーグというミュージカルを作る2人の男がミュージカルのネタ見せ(のようなもの)をプロデューサー、お客さんに向けてやるという話。グーテンバークという作品を上演しながら、ちょこちょこ解説が入る。その解説のなかでミュージカルの構造みたいなのを説明したりとか(1幕終わりにこんな曲を持ってくるとか・2幕はお話を終わらせるためにあるとか・韓国ミュージカルは脚本が荒いとか)のミュージカルあるあるネタを入れてきたり、色んなミュージカルのパロディがあったり(CATSはわかったのだけど)この役を市◯正親さんにやって欲しい!(モノマネ)とかあって怒られるよ!みたいなやり取りとか、あくまで本番でなくてネタ見せ、の様な段階だから上演したいミュージカル(グーテンバーク)の役を2人で演じて見せないといけなくて役名の書かれた帽子を被る事で役を入れ替えて行って、本当にこの役の演じ分けが本当に凄かった。女性役も男性役も死んだ赤ん坊役もあって本当に贅沢で本当に豪華なお芝居だった。

ミュージカルあるあるネタも面白いし、それ以外でのコミカルな部分もあるし、肝心のグーテンバークは本当に何なんだこのストーリーは…感じの中身のなさ(でもそれもミュージカルっぽいなと思ったり)でも本当に10役以上(何役あるのか分からない)を一役一役丁寧に演じ分けられていたし、私が一番好きな役は美輪明宏だった(笑)原田さんの美輪明宏が好きで、唐突にでてくる美輪明宏。福井さんは一瞬躊躇いがあってからの美輪明宏だった(笑)邪悪な修道士という役が原田さんの本役らしいけどモデルが高校時代の化学の先生?で本当にこういう人がいたんだ!と笑ってしまうキャラの濃ゆさだった。

あとお気に入りはチャームソングと言われる物語の筋に全く関係ないけど出てくる面白い曲、ビスケットという曲で振りも可愛くてビスケットのCMソングの様で。でも本当にお話には関係ない(そのあと休憩中に客席でビスケット販売されてて結構売れていた販促効果!)

知り合いの方に連れて行って貰ったのだけどたくさん笑って曲も面白いし、お2人のお歌をすごい堪能して本当に贅沢で豪華だった。いやでも本当に演じる側は大変だと思う…本当に楽しかったしちょっと活版印刷の父と呼ばれるグーテンバークの話は勉強になる(?)キャラクターの人気投票があって邪悪な修道士が大人気だったのが笑ったけど見たら分かるあれは確かに人気ある…。とても面白かったから、連れて行ってもらって感謝した。

白蟻の巣

新国立劇場小劇場。

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新国立劇場の資料室のアーカイブは利用したことがあるけど劇場の方に行くのは初めて!何だか面白い造りだったけど座席はだいぶお尻が痛かったクッション引いてたけどお尻が痛かった。感想を書く時にあらすじがあると大体見ていない人にもわかりやすいのでは?と思うけどあらすじをかくのはなんとなく苦手な気がするここがよかった〜という話をしつつお話を説明する感じになる、ので公式より引用

白蟻の巣 | 新国立劇場 演劇

あらすじ

ブラジル、リンスにある珈琲農園。経営者である刈屋義郎と妙子夫妻、その運転手の百島健次と啓子夫妻。4人は奇妙な三角関係にあった。啓子の結婚以前に、妙子と健次が心中未遂事件を起こしていたからである。

それを承知で健次と結婚した啓子ではあったが、徐々に嫉妬にかられるようになり、夫と妙子が決定的に引き離される方法はないかと思案する。一方、心中事件を起こした妻と使用人をそのまま邸に置き続ける義郎の「寛大さ」に縛られ、身動きの取れない妙子。

義郎の寛大さがすべての邪魔をしていると思った啓子は、邸から遠く離れた地へ義郎を送り出す。

義郎の留守の間に健次と妙子が再び関係を結び、それが露呈することで自分たち夫婦が邸から追い出されることを目論んだのだ。

白蟻の巣のように、それぞれの思いが絡み合い、いつしか4人の関係が変化していく......。

 

白蟻の巣は元には戻せないし1回起こってしまった事はひっくり返せないみたいな話なのかなと思っていたら全然違った。まったく想像と違った。むしろ昼ドラだった。昼ドラだと思えばとてもしっくりくる!ああいうの見た事あるような気さえする!以前に別の作品で拝見した村川絵梨さんがとても好きでまた拝見したかったのだけど美しかった…君は太陽のようだって表現されるように本当に暑く、輝いていた。以前の作品でもエネルギーを発散させる様な役で彼女はそういう役を当てられることが多いのかな。とても瑞々しい感情を持って演じられるのが好き。

スカピンで拝見した安蘭さんは逆にこれまでのイメージとがらっと違う不気味な幽霊の妙子。不気味ゆえの美しさとか生気を失っている故の美しさみたいなのがやっぱりある。どうしようもなく飲み込まれて行きたくなっちゃう感じ。この人に絡め取られたい感じ。アリ地獄を思い出した。

あと大杉さんのコミカルさが好きででもあの人も死んでいるというかむしろ無関心によって殺されている様な気がした。知っていて知らないふりをしているあの人も死人なのだろうけどそれでも偽りの様な外への関心があって道化として振舞わねばいけないみたいな立場も感じる。

啓子はあの死人しかいない空間の中でみんなやり過ごしている様な中で1人だけ生きていたしそれがとても辛かったのだろうし当事者としてもっと参加したかったのかも知れないと思ったでもそれが叶わなかったし彼女はやっぱり太陽なんだなと思った。みんな太陽に焦がれていた。奥様が啓子さんが美しいっていうのはやっぱり本心だと思う。

死人は最初から死んでるから死ねないのだと思うし、多分なんどやっても死ねない。生きている人は啓子だけだ。大杉さんも夢は夢のままでって思い描いている日本は夢の国であって本当に日本に帰りたいわけではない。本当に死にたい訳ではない2人も同じ感じなのかな死を夢見ているだけで本当に死にたい訳ではない。

もともと少人数のお芝居だけど台詞の量がすごいし言葉の言い回しが面白くてさすが三島由紀夫だぁと思ったし妙子と健次、義郎と啓子のそれぞれの関係の対比とかも面白かったしそれぞれこの二人ずつでやりとりするシーンが多くて本当に言葉が多くて面白かった。

ゆっくりとテーブルが移動したり、ベッドが移動したりするのが気味が悪いのとあの舞台機構どうやって作ってるんだろうという疑問が。あと紗幕の向こうにある白蟻の巣のセットの気味の悪さとか。紗幕で引かれた境界がブラジルの空気を思わせるというか。むわっとした感じ。

新しい血をどんどん取り込んで死なせて腐らせて結局あの夫婦はそれでも何も変わらずに表面を取り繕ってご主人の寛大さの元に生きていくのだろうか。啓子は一筋の光に見えたのだな何もかもを壊してくれる様なものでもあり。啓子が旦那さまのことをあなた、と呼び始めて奥さんの様に振舞い始めたのが本当に好きだった。強かな美しさ。

もっと色々細かな部分を理解&考えられたらよかったのかなと思うけど私にとっては理解出来ないような理解出来る様なちょっと気味が悪いお話という感じだった。とても好きです。

星組スカーレットピンパーネル

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去年梅芸版のスカーレットピンパーネルを見てスカピン!楽しい!となっていたところにヅカでもやるよ〜と聞いて軽率に見に行きたくなったけどチケット取りを迷っていたら売り切れてしまって見に行けるか不安に思ってたけど色々と心が疲弊していたタイミングで当日券狙いで行ってきて立ち見で見たけど宝塚の福利厚生の手厚さに感動した。心が疲れてる時は沁みるなあと思った。立ち見だけどあのお値段で見れていいもんじゃない…何というコスパの良さ…ひたすら福利厚生の厚さに感動した。劇場のスタッフさんも細かい気遣いしてくれてとても良いなぁってなる…別に普段非人道的な扱いをされている訳ではない…。

見た人にしか伝わらない感想というかあらすじもすっ飛ばして感想だけ

グランドホテルと同じく梅芸版を先に見ているから演出が違う!となる部分も多かったのだけどスカーレットピンパーネルは特に顕著だったのが、梅芸版ではスカピン団と呼ばれていた様にスカーレットピンパーネルは組織の名称の様なイメージだったのだけどヅカではスカーレットピンパーネル、という個人なのかなと思った。グループの名称ではない。まずパーシーが既にスカーレットピンパーネルとしての活動をしてた、ってところからお話が始まるからかもしれないけど。人数も多い…?あと個人名があまり出てこないというかデュハースト以外誰が誰だったかな…?という気がこれは私がキャストを把握していないせいもあるもしれないけど、トップを立てる構図、がやっぱり宝塚だなと思ったり。

マルグリットとパーシーのすれ違いはもう相変わらずちゃんと話して!!と思ったしもう完全に冷めてしまったところからの愛を取り戻すくだりは面白い完全に少女漫画のやつ!船の上でもう一度結婚式を…!最高のハッピーエンドだ!アルマンには恋人がいるせいかだいぶしっかりした子なのが残念というかアホの子アルマン(個人の意見です)がすごく好きだったから…。違いの話は置いといてというかマルグリットも随分大人しいというか気は強いんだけど剣を取って戦ったりするような人ではなかった…†

でもマルグリット役の綺咲さんすごく美しくて気品があるというか、高貴な美しさ。ルイシャルルがいるせいかこの人のマリーアントワネットが見たいと思ってしまったそんなイメージ。紅さんのパーシーのアホパーシーっぷりと切れ者のパーシー、グラパンのコミカルさの切り替えがとても良かった!アホパーシーは本当に良いものです。二役演じ分けてるいるような感覚で見てしまうのが楽しい。ショーヴランは相変わらず可哀想な人で…というか中間管理職だし上司からの圧力すごいしかつての恋人に全然愛してなかった!って二度振られるの可哀想だからやめてあげて…でもアルマンからそんなに毛嫌いされている様子がなくて良かったね?

ショーヴランの歌はやっぱり好きだなというかスカピンの一番好きなところはこの曲なのかもしれないと見ながら思ったり。聞いててとても楽しい。ストーリー的には勧善懲悪ものだなというか個人的には拗れに拗れたパーシーとマルグリットのまるっと収まる感がもっと何かあってもいいかな!?とかショーヴラン可哀想じゃん!!!!!と闇落ちロベピエが恐ろしい

(1789は革命側から描いたお話なので後のロペスピエールが独裁者になる事が恐ろしい)

ロベスピエール役のななみひろきさんめっちゃお顔が好きです…もうちょっと他の役も見てみたい…もうひたすら何あのクールビューティー大好きです…と思いながら見ていた。あの冷たい視線が堪らない…

スカピン団のお名前とお顔を一致させたいからスカピンはもう1回見る予定を入れたい…あの男役の方がずらっと横並びになる感じすごく眼福ですね…??最高かよ…あと恋愛の要素が強いというかアルマンとマリーが恋人同士なのも、フォクシーに恋人が(助けた貴族の子かな?)がいたりするのが恋愛要素推してくるなと思った所以かな。

宝塚版で面白いなと思ったのはやっぱり宝塚ならではの演出というか宝塚で強みになるのってやっぱり人なんだな〜というか大人数での群舞の見せ方というか人を使った演出が映えるからセットがわりと簡素(というほどでもないけど)になるのだなと思ったところが面白かった。人の動きをどう見せるか、に重きを置いているんだなと当たり前だろ思うけど宝塚初心者はそこが面白いと…。東宝版とか梅芸版に比べるとセットが?ってなる疑問が解決できて良かった(自分の中で)決して簡素なわけではないけどセットの作り方の違い、というか。でも衣装のクオリティというかあの人数分の衣装を用意というか細かい造りまで本当に美しいの宝塚すごい…

 

1番好きだったのは1幕終わりでのウェールズ公に招かれた舞踏会のシーン!前方にイギリス貴族たちがずらっと並んで華やか!なのと後ろの方にはロペピエ率いるジャコバン党員が並んでいて真っ黒!のこの対比がすごく堪らなかった…!!!華美さを否定する革命軍とどこまでも派手に!華やかに!ってなっていくスカピン団の対比。喜劇なんだけど革命軍側から見ると悲劇で、というかどこまでも革命軍がアホとして描かれるからドウシテコウナッタ感が強い理想を掲げて革命を起こしたはずなのに…1789とかレミゼで描かれる革命の結末が…と思うと同時代を描いた作品が多いの面白い…日本で言うと戦国時代…いや新撰組かな?幕末かな?と言う気持ちで見てしまう。

パーシーがひとかけらの勇気で歌う欺瞞と不正を正すために起こした革命の結末がこんな事にとなるのはとても哀しく思える。パーシーの言うとつくに、って外国の事なんだな(今更)パーシーが選んだ結末で血で血を洗う結末にはならないのかは疑問なんだけど結局革命ってなんだったのだろうな…とフランス史について考えてしまった。

あとパーシーとマルグリットの結婚式のシーンで参列者というか教会の人々?、が膝を折っていくのが好きだったショーヴランの"君はどこに"の時の演出…!梅芸版ではすっごくシンプルにショーヴランだけが居て歌う演出だったはず…梅芸版は結構歌を聴かせるためかスポットライト当たるだけであとは素舞台みたいな演出もところどころあった気がしてそれぞれで歌!って感じでめちゃくちゃ良かったのだけど。このヅカでの演出もとても好きだった。あとマルグリットがコメディフランスで歌うシーンが結婚前と結婚後でリプライズの様で。あの観客の数も宝塚ならではだなと思ったのがとても良かった。梅芸版ではマルグリットが娼婦になったり剣を持って戦ったりするすごく強い女性なんだけど宝塚版は守られる様な女性ではあるけれど自分の信念はまげないという感じの…!とても高貴なマルグリット。

 

ルイ・シャルル

アルマンがアホの子じゃなくなった分を一挙に背負うルイ・シャルル…不幸な子供。父と母の話をするルイ・シャルルは泣けるしパーシーとの関係もとても良い。あの!ルイ・シャルルがと感慨深くなってしまう…(1789のせい)あとルイ・シャルルとても美しいお顔立ちをしていて…高貴だしめちゃくちゃ美しい…まだ新人の方のようなのでこれからが楽しみ…

 

スカピンはスカピン団のイケメンが楽しみ〜ヅカのイケメン!と思って見に行ったらうっかりロベピエとルイ・シャルルのビジュアルが好みすぎるあまりに意外なところに落ちてしまった。とりあえずスカピン団のイケメンを堪能するためにもう一度当日券チャレンジする…

ものすごく個人的な意見としてトップのお二人に距離感を感じたというかそれこそパーシーとマルグリットだからいいのかもしれないけど仮面夫婦感というかこれまで見た方たちとまたちょっと違うなという気がしてお披露目公演でもあったからかな…とにかくスカピン楽しいー!ってなって輸入盤も08’星組版も購入した!スカピン楽しい!

二月花形歌舞伎

足跡姫を見てから歌舞伎見たいな〜と思っていて何だかんだ色んな巡り合わせによって二月花形歌舞伎を見てきた。 

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stargazer9.hatenadiary.com

 演目は午前の部 義経千本桜 渡海屋・大物浦 三人形

    午後の部    金閣寺  連獅子

まず午前と午後で演目違うの凄い。出演されている俳優さんはほとんど一緒…凄くない…?歌舞伎俳優ってまず、すごいと初心者は思いました。歌舞伎といえばシネマ歌舞伎で野田版鼠小僧を見たことがある程度で見たいなと思いつつ録画したN◯Kで放送されている作品は録画だけしてほとんど見てない…。義経千本桜も多分昔録画した記憶が有るくらい。能とか歌舞伎の勉強を一時期していた事があって演目だけは知っているというか、能と共通する演目は分かる。能の石橋が好きであの!有名な連獅子が能の石橋の演目を歌舞伎に持ってきた松羽目物という事を初めて知った。確かに能の舞台セットみたいな感じでやってて面白かった。間狂言もあるし。あと義太夫という文化!(昔三浦しをんの仏果を得ずで読んだやつ)

義太夫狂言とは? | 独立行政法人 日本芸術文化振興会

 

義経千本桜 渡海屋 大物浦

『義経千本桜』あらすじ紹介 | 独立行政法人 日本芸術文化振興会

イヤホンガイドを借りて解説聞きながら見てたけど竹本〜とかさらっというけど今の何だった?って思った。見てて思ったのは歌舞伎はキャラ物の世界なのかなと、お話の筋は大抵勧善懲悪物とか悲劇とかまあ元々古典から変わってないからあれなんだけどその中でも本当にキャラクターが魅力的というか。義経千本桜の銀平(知盛)が凄く好きだった…知盛としても勿論忠義に厚いというか武士の心得をいつまでも忘れずにいる人、まあ復讐の鬼と化してる…も好きだけど銀平がまさに伊達男って感じで格好良くて最初登場する時番傘持ってるの本当にずるいー!格好いい!!!!!お柳がノロケるうちの旦那の見立てに間違いはありません〜っていうシーンがとても好き…!でもそこからの展開がすげえってなったし、義経が一枚上手なのも格好いい。義経千本桜の渡海屋と大物浦っていう本当に作品自体の一部なんだよなぁ…。静御前が出てくるお話が見たい。銀平、知盛、幽霊として現れる姿、の三パターンも見られるの美味しいというか本当に豪華で良い…好き。銀平が好きなのと幽霊の知盛が安徳帝を振り返り振り返り見るシーンに心の中で大号泣するし、もう最後の海に落ちる(?)シーンはうわああああってなっちゃう。生きられない人の悲しさを想う。前半のコミカルなシーンもすごく面白くて相模五郎と運平のあの二人のやり取りなー!早く進めて!ってめっちゃ怒られてる…。銀平が見てるって…(笑)武士に鍛冶屋をやらせるとは!石でカチーンカチーン(結構長かったなー)と魚の下りは本当に面白い。こういう言葉遊び好き!

銀平が格好良くて売られてた舞台写真を銀平…格好良い…って眺め続けた結果午後の部で銀平・知盛(白衣装)と連獅子のお写真を買いました(連獅子は見る前だったけど毛振りの時のお写真だったから買わないと後悔すると思った)

 

三人形

三人形は傾城・奴・若衆の舞踊劇(?)それぞれ特徴的なキャラクターの動きと、やっぱり傾城と若衆の絡みが美味しい…とっても良いですね!あと奴のコミカルというかずっとーんって座る動きが凄かったのと。見た目用の履物と踊る用の履物で履き替えててまあそりゃ踊れないよなと思ったけど舞台上でお召替え見られることに何かとてもフェティシズムを感じる。奴のお衣装変わるのも好き。

 

午後の部の前の挨拶が尾上松也さんであの午前の悲哀に満ちたキャラクターからのサービス精神旺盛な松也さんの挨拶がとても面白かった。まず普通に挨拶した後に、歩き出してうろうろと花道まで、見所を紹介してくれたりせっかく千秋楽なので!と手ぬぐいを客席に投げてくれたり、物販の宣伝まで!すごいサービス精神が旺盛な方だ…(笑)

 

祇園祭礼信仰記〜金閣寺

金閣寺はまずセットが凄い!あのセットの仕掛けを(せり上がり)江戸時代でもうやってたとかどういうこと?ってなった…雪姫が三大姫と呼ばれているのも分かる気がした。爪先鼠すごい!でも指物の鼠可愛くて笑ってしまったし、倶利伽羅丸の龍の出現シーンも心の目で見てください!って感じなのかなと、いや現代的な演出に慣れた身としてはとてもアナログなのが斬新でした。此下東吉のモデルが秀吉だから木登りのシーンのがある、という解説を聞いてふふっとなってしまった。雪姫と大膳の因果(親の仇)にまさかそんな巡り合わせ!設定盛りすぎ!と思ったけどそこはまあ…!雪姫の動きというか所作が最初大分お人形さんみたいだなと思って見ていたけどもともとこれも浄瑠璃からの演目らしいと聞いてなるほどなーと。黒子さん大活躍なのも見ていて面白かった。あと義太夫さんが途中でくるりと回って入れ替わる!のとか。歌舞伎の伴奏って御簾越しなんだなー!も割りとカルチャーショックというか。むしろ金閣寺で前に出てきてるのが面白かった。大膳の最期のシーンも何かこれが歌舞伎!って感じだったな…雪姫を縛ってこの姿が濡れた花のようで美しいっていう大膳というかやっぱり日本の緊縛って生まれるべくして生まれた文化なのだなとか思ってしまった。まあ美しかったです。あと直信が美しくて?結構他の男性陣がしっかり男性という感じなのに対して大分優男な感じがした…。

 

連獅子

連獅子はもうこれ好きなやつ!まず能の石橋が好きだからこれが本当に見たかったー!能の石橋とは大分ちがうな、とは思ったけれど豪快な毛振りとても良かった!!いつもより多めに回しております!な雰囲気だったのでは(笑)親獅子の蹴落とした子獅子を想ってうろうろ子獅子の姿を探すシーンもとても良かった…。手獅子がずっと大体伝わっているものだとか、あの毛はヤクの毛で作られているとかも面白かった。大分もっふもふですよね…後見さんが整えてあげる、もふもふしているのが本当の動物っぽくて可愛かった…。あと子獅子が何度蹴りおとされても体勢を立て直して堪えるシーン!ころころする子獅子可愛い!!!!!!擬人化ではなく人が擬獣化するのってまさしく萌えの文化じゃねえとかと思って日本文化の根深さをここに見る。子獅子の右近さんが大分サービスというか通路側のお客さんに毛が当たる様に花道に移動した時かな?してて、これは!!!受けたいサービス!と思った。獅子の毛が当たる席ですよって売り出してほしい。間狂言も面白かった!松羽目物として特殊な演目(まず伴奏の方々の人数!)だなと思ったけど歌舞伎でまんま狂言を見ることになるとは思わなかったというか。松羽目物の間狂言、として普通の能の狂言とは違うのだろうけどとても楽しかった。

歌舞伎役者の皆様は基本として舞踊をされているからかやっぱり身体の使い方がとても面白いなと思って、普段見ている役者さんとはやっぱり全然違って。何より所作がとても美しい…!歌舞伎はデフォルメの文化、とどこかで読んだ様な気がするけどまさしくそうだなというのを改めて実感した。キャラ物の世界だなというところもやっぱり私の好きな要素ではないのかと思ったから機会があればまた行きたい!とりあえず次は5月かなー…新たな沼が!

距離感とキネマと恋人の話

 

去年12月に見た舞台の話を今更、というかこの作品自体が、何かぼんやりと悩んでいるところにひっかかったというか、心に棘が刺さったまんまだなぁという気がして。

 

この記事を拝見してまた思い出した事もあり。

dailyoshikawaii.hateblo.jp

作品の感想というよりは自分の話をするから感想をお求めの方はすみませんという感じ。まともに見られなかった。個人的感情が入りすぎて

 

キネマと恋人の話をざっくりすると、映画が大好きで贔屓の俳優が出ている映画を見る事が一番の幸せのハルコが主人公、ハルコの現実はそんなに幸せでないけれど映画を見ている時はとても幸せ。ある時いつも見ている映画から贔屓の俳優が演じている間坂寅蔵が出てきた。映画は進行出来なくなりてんやわんや、偶然ハルコの暮らす島に映画の撮影で間坂寅蔵を演じる高木高助が来ている。間坂寅蔵が居なくなった映画は大混乱、間坂寅蔵と逃げるハルコは偶然高木高助を間坂寅蔵と間違えて、高木高助とハルコが出会う。憧れの俳優さんに出会って有頂天のハルコと周囲とうまくいかずに首ギリギリの状態からハルコと出会った事によってまた自分の夢を取り戻す高木高助、そして間坂寅蔵と高木高助の間で揺れ動くハルコ…!

ざっくりこんな感じだけど最後は間坂寅蔵ではなく高木高助を選んだハルコ、高助とともに東京で暮らす事を夢見て家を飛び出した、けれど約束の時間に高助は現れず、聞くと一つ前の船で先に東京へ帰った、と。また映画館に座って映画を見るハルコ。

カイロの紫のバラという映画を下敷きにした作品なんだけど最初は夢女子かよ!と思ったけどお話が進行する内にあーこれは私たち(みたいなオタクとか)の話ではないかと思ったし、結局現実はこんなもんだよ、という終わり方に凄く心を突き刺されたというか。

実際そう思った人が結構多いらしい。でもそれは現実から逃避するための娯楽を持っているという意味かもしれないし、それこそ誰かに対して夢を見ているという意味かもしれない。

「キネマと恋人」「(ヒロインの)ハルコはわたしだ」という主旨のつぶやきを散見。
元ネタの「カイロの紫のバラ」を観た23の時、「(ヒロインの)セシリアは俺だ」と思った私です。
たくさんのハルコにこの舞台を捧げます。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) 2016年11月18日

 

結局夢は夢の世界で現実は現実で混じり合う事がないとか、ハルコは間坂寅蔵に惹かれているんだけど結局映画の中の人だから、って高木高助を選ぶんだけど結局高木高助も映画の人なんだよね…というか高木高助がハルコを置いて行ったのは自分自身が夢を取り戻したから、だとかまあ一時の迷いだったとか…

高木高助と対照的に描かれる映画スター嵐山進はハルコの妹ミチルを娼館が見つからない代わりに一晩の相手にしてそのあともずっとミチルに追い回される、一晩の相手で後腐れないと思っていたのにミチルは東京に一緒に連れて行ってくれると思い込んでいる(占い師に言われたから)嵐山進はきっぱりと相手に夢を見せないように断るから酷いように見えて本当はこれが一番良いというか残酷でないというか…高木高助はファンであるハルコが自分のやりたい事やろうとしてる事を理解してくれて自分の演技をこうした方が良いんじゃない?とかアドバイスをくれてハルコに惹かれるんだけどそりゃあファンだからいちばん理解してくれるだろうしこうした方がいいとかもっと良くしてあげたいと思うよね…

もうちょっと作品の話をすると、演出がすごく良かった!空間の使いかたとか切り取りかたとか。映像もたくさん使うし、アナログな演出もあるし何よりアンサンブルの人たちの動きがとても面白い。セット転換はアンサンブルの人たちが行うんだけど、ダンスの様なすーっとした動きでセットを転換しているという余白の部分ではなくて作品の中に溶け込んでいる様な(説明が難しい)あの演出をもう一度みたいなと思うくらい本当に演出がとても良かった。でもお話に大分心を突き刺されていて。

 

(ここから私の話)私は舞台の上以外の推しには極力近づきたくないタイプで、(の割にイベントとか行く話はひとまず置いといて)ハルコみたいに最初間坂寅蔵と間違えていたとは言えベラベラ話しかけたりしないなとか思ったのと、役者を好きになる上で"役"(キャラクター)の部分として好きなのか、中の人も含めて好きなのかってどうしても悩む問題ではあると思っていて(リア恋とかそういう部分も含めて)個人的には演じている部分の中の人が好きなのであって中の人個人が好きな訳ではない!と思っているんだけど(役者という職業でなければ好きになってなかっただろうという事でもちろん)キネマと恋人の中で間坂寅蔵はハルコを好きになって、このまま映画の中には戻らずにハルコとずっと一緒に居たいと言うんだけど、その寅蔵を演じている俳優高木高助に好意を寄せられて、ハルコは高木高助を選ぶ。映画の中の人は映画の中の人だからみたいな感じで、まあ間坂寅蔵は本当に映画の中だけの事しかしらなくて本当に何にも知らないんだけど現実離れしている。でも私は役者さん自身を好きになってはいけないと思っていて、あくまでも”お仕事”の部分が好きなんだと思っている、というかそう思わないと”ファン”としていられないのでそう思うようにしている。だから私は中の人が好きなんじゃなくて外の部分(演じている部分)が好きなんだけどまあ、でも中の人も好きになっちゃうよね、中の人がどんなにクズでも外の部分(演技)が好きだからって好きになれる人もいると思うけど切り離そうとして私はうまくできなくて。でもそういうのだめなのかなーって思ったりする事もあって。 

なんでそういう風に思うのかというと分かり易い例をあげるとこれ

名前と顔が一致したくはないです。タレント性はつけたくなくて、自分自身を隠しながら、「この人、どっかで見たことあるけど名前がわからない……」ぐらいの存在でいいんです。それでエンドロールを見たとき、「あの人何役で出てたの?」と思われるような。

www.womaninsight.jp

ちなみに橋本さんはキネマと恋人で嵐山進役

橋本さんはいい役者さんなので本当にまた見たい…スタイルがめちゃくちゃよくて立ち姿ですぐわかる。

これは橋本さんのインタビューだけど似たような事を村井さんもイベントで話していて、色をつけたくない、透明でいたいみたいな。特定のイメージがついちゃうの嫌だからってプライベートの部分で隠してたりする事あるし、でもたまにそれはいいんだ?って事を話されたりするからよく分からんのだけど…何が言いたいのかというと”役者”として見て欲しいって事なのかなと思っていてプライベートの部分を知ってしまうと役を見た時にどうしてもイメージが邪魔をするというか多分何もその役者さんに関して知らない方がフラットに楽しめる。この役を演じるにあたって苦労されたんだなとか普段慣れない言葉を喋るなんて大変だなとかそういうのはお芝居を見る上で不要な部分で、そういう事考えると純粋にお芝居を楽しんでない事になるんじゃないかとか。だから素の部分に触れようとする事ってあんまりしちゃいけない事なんじゃないかって思ってしまってでもイベントとかされるなら行くよねってなるんですけどね…そこは見せてもいい素の部分を見せてくれるらいいのかなとか…。あと平野くんがカレンダーイベントでカレンダー出したくなかった、とか役者としての部分を好きになってくれたんだから、みたいな話もしていて(カレンダーイベントでカレンダー出したくなかったって話すごいな?)自分の話めちゃくちゃする人ではあるけれど(思いっきり木曜日とか番組もやってるし)いつも一線引いたように感じるのはそういうとこなのかなと思って。やっぱり”役者”としての部分を見なくちゃだめなのかなと…。こういう部分にオタクじゃなくて”ファン”(あくまで作品の一部としての演技を楽しむ様な)でいなくちゃいけないんだろうってジレンマがあったり。まあオタクなんですけど。ファンとして踏み込んじゃいけない部分って絶対あると思っていて必要な距離感というかこれ以上は知ろうとしてはしてはいけないみたいな部分。その部分まで踏み込んでいきそうでいつも怖い。だから必死に距離を保っておかないといけないなと思っているんだけど。ファンとオタクの使い分けは1つの作品に何公演でも入っちゃう様な作品よりも特定のキャスト目当てで見てしまうとかまあ自分の事だけど…距離感の取り方が違うのかなぁと。客席が埋まるかとか心配してしまうのはオタク(本来"お客さん"の立場であるなら考えなくていい事)ファンでいるためにはDDになるのが手取り早い気がするからとりあえずDDを目指したい…誰かを拗らせずに生きて生きたい…あんまりオタクになりすぎると自分が辛い事を経験上分かってるから

 

で、キネマと恋人の話に戻るとハルコさんはそのファンの部分を軽々しく踏み越えて行っちゃうから傷つく事になっちゃんたんじゃないかと思っているんだけど。夢と現実の境界を越えてはいけない。あと、間坂寅蔵についてって最後まで夢を見た方がよかったんじゃないかとも。高木高助を選んだのは夢の人と現実を共にする事を選んでいまったから、だと思っていて私はあくまで夢の人は夢の人のままで良かったんじゃと思ってる。それが適切な距離の測り方だと思ってる。

「キネマと恋人」大阪2ステージ目終了。御来場ありがとうございました。私はホテルの部屋で別の仕事ですが。
20分後には大阪最終ステージ。私はホテルの部屋で別の仕事ですが。
楽しんで頂けます事を祈ります。ちなみにラストはあれ、演出家してはハッピーエンドだと思ってます。ビターだけどね。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ (@kerasand) 2016年12月8日

 まあKERAさんもこう言ってる事だし決して悪い終わり方じゃないんですよね…ハルコは辛い現実(夫からの暴力、浮気、金銭の要求)から逃れるために映画に通っていたけどその現実を捨てて(離婚して家を出た)夢の世界(東京)に行くという夢を見た、んだけど何もできずにあのまま暮らすよりもせめて一歩踏み出す事が出来たからよかったんじゃないかと思ってる。ただこれをよかったね、と受け止める事が難しくて心にずっと棘が刺さったままで…決して自分はリア恋?だとは思ってないんだけど、これのダメージくらうって事は少なからずそういう部分があるのかなとも思ったり。自分の事と切り離して見られないから余計に辛い。感想をいうにも絶対自分の話になってしまうし。

 

で、私は推しの何になりたいかという話。私は紫の薔薇の人でいたい…(去年ガラスの仮面も見た)真澄様はマヤちゃんが女優として成功するための援助も手助けも惜しまないしファンとしても熱心な…存在を認知されずとも懸命に応援したい…真澄様の一番偉いところは女優としてのマヤちゃんを愛しているから女性としてのマヤちゃんに惹かれている自分が居ながらその気持ちが女優としての妨げになるかもしれないと思って身を引く事ですよね…自分の気持ちより女優としての成功を願う。こうありたいなといつも思う。目指せ紫の薔薇の人(なれない自分がいる事を知っているからキネマと恋人に心を抉られる)

あとびっくりしたのが橋本さんがあんまりインタビューとかすら受けてなかったと言う事、このSNS全盛期情報化時代に凄いね…アミュー◯なのに凄いね…SNSがある事によってインタビューとか以外の部分からも素に触れる事が多くてもうミステリアスさ、みたいなものを保つのってすごく難しいんじゃないかという気持ちしているけれど(逆にジャニー◯とかの方がわからないのかも?でもテレビめっちゃでるしな)そういう風に実際できる人もいるんだなーって(橋本さん)思ってそういうのが本当は理想なのかなとも思ってイベントかやってくれたらもちろん行くんだけど本当はやらずにというかそういうイベントの類ってファンサービスの部類でもあると思ってるから(必ずしもそうじゃなくて販促とかの意味もあったりすると思うけど)そういうを事せずに役者としてのお仕事のみでファンが増やせたらいいよねえと思ったりする…でもこのご時世にさあとかまた考える。ファンでいる事の見返り、みたいなものはいい演技を見せてもられるだけで十分に貰えているから必要以上に望みたくないんだなとか。だから橋本さん凄いなってめちゃくちゃ思った(隣の芝が青く見えすぎた)まとまりないけどこれで終わり。

 

俳優ではなく役者という語感が好きで役者と言いたい、役の者なんだよなって思うとやっぱり俳優ではなく役者でいて欲しいなと思う。言葉の問題だけど。若手俳優という言葉が割と嫌いなのかもしれないその括りに入れられて欲しくないというか。若手なのは分かるけども。若手俳優がジャンルと化しているからかなぁ…そこにはまっている私が言うことでもないけど。

 

紫の薔薇の人には決してなれそうにはないけどできる事ならなりたい…