I was stage gazer

星を追う

文劇喫茶それから

5/13 マチネ・ソワレ 俳優座劇場

始まる前から色々あってどうなんだろうなと思って、幕明けてからの評判が良くてちょっと期待していいのかな?と思ったけど実際見たらうん??って感じだった。

 

あんまり好意的な感想ではない。この作品を面白く見るためには私の様な鑑賞の仕方ではだめだったんだろうなと思う、何も考えないで楽しい!って言う事ばっかりじゃないから"楽しみ方"を知る事も大事だと思う。

 

多分1番は違和感を感じる事にあるんだろうなあの違和感。あの演出に演技が合わないのかなと思ったけど。演技が過剰に見える、と思って何か不自然の様な。椿が出てくるのは原作で椿が落ちる音を〜みたいなのがあるけど舞台では?と私は思わずにいられなかった。良く匂い嗅いでるな〜くらいにしか…椿をばさっと捨てるの印象的だったけど。それよりも佐川のお嬢さんから鈴蘭を受け取ってそれを捨てて百合をいける、のが、すっぱりと他の女を捨てて三千代を取るって言う意思表示のような感じがした、あと百合は香りが強いからその香りに負けてしまう飲まれてしまってっている様な印象も受けて、百合はとても印象に残った。

代助は割とナルシストみたいなイメージがあるしその通りだから鏡が置いてあるんだと思うんだけど、その鏡を使うのが序盤くらいだけだったかな?でも上手から見ると下手を向いてる時の表情が鏡に映るのが良かった。何で姿見1つ、鏡台2つなんだろう?と思ったけどその使い方のためなのか?と思ったらいい使い方だなと思う。引き出しが必要だったかもしれないけど引き出し

それからのお話自体が再構成されていてこのやり取りがあってここに繋がる、みたいなところが入れ替わってた気がするだからお話の進み方にもやや違和感があったりしたけどあと三千代と代助中心に話を進めるあまりに他の人との関係性が見えてこない。代助にとって"父"との関係って結構大きいと思ってたんだけど。あと三千代の兄とか。

あと原作はそれからどうなる?って終わり方な気がするけど舞台でははっきり代助が狂った!みたいなら終わり方でおおっ?ってなったそれっぽい描写は原作にもあるけどあれほどでは…ないのかなって…あんなに騒がしい終わり方じゃなくてもっとじわっとした感じなのかと思っていた、原作を読むと。あと三千代が死ぬって誰が言ったんだあの感じだと死ぬのかな代助先走り過ぎなのかな。代助の感情の発露、みたいなとこも凄く我儘駄々っ子って感じだったんだけど最後に平岡に摑みかかるところ喧嘩慣れしてないもやしっ子ががんばった、みたいになってて不自然だった(夜回で後ろにいた年配の方たちがそのシーンにめっちゃウケてた真剣なシーンなのだけどな)原作読むとじわじわくるシーンを何で騒がしい感じにしてしまったのだろう?という気がする…。

完全に解釈違いだなって言うのと漱石3部作ならちゃんとそれから三四郎門まで読まなきゃ…原作でもどう解釈したら良いんだろ?みたいなとこが舞台でさらに解釈違いを起こして意味がわからなくなった。舞台はあれはあれで良いのかな。原作読んでなければもっとすっきり受け止められたんだろうか。期待していた様なお芝居でなかった事は確かで、好きな役者さんを見に行ってあんまり好きじゃないと思う事ってとても残念だなと思ってしまった。

寺尾の日替わりゲストの使い方もな〜って寺尾のパートは個人個人の裁量に任せるって感じなんだと思うけど代助と平尾の関係ってそんなに軽視されていいもんだったのか?

みんながお金借りにくるシーンばっかりで代助めっちゃ集られるな〜みんなお金目当てじゃんと思ったけどそれでいいのかな。

三千代が美しくてでも狡い女でもあってそれがさらに美しさを際立たせるというか代助に頼る時のツボのつき方が本当にうまいよな〜。指輪外して指輪売ったの、って言っておいてお金出させて本当は売ってなかったって見せるのとか。水を飲む時に代助がつけた跡をなぞってから飲むエロさ…エッロ…舞台で見る、演技だからこそ見れる視線の使い方とかそう言うとこも好きだったんだけど全体的なお話にはあまり納得いかなかったというか解釈違いを起こした、んだと思う。もうちょっと原作も読み込みたいところ。

ラストのシーンの散らかしっぷりに後片付け大変だな〜って思った

原作を読んで三千代が自分との昔の関係を取り戻したがってるみたいなところに代助は惹かれるんだと思ってて(元から好きだったのはもちろんのこと)やっぱり忘れられないって思わされるきっかけに百合が使われてるのかなと思うし、半襟着てイチョウに〜みたいなあの頃を思い出させるみたいなのがあるからそういうのもちょっと欲しかったかなって…(台詞としてはあるけど原作だとその格好で三千代が代助を訪ねてきたはず)

エロいみたいな旨の感想を読んだけど本当にエロかった三千代…帆風さん凄い。代助は子供だなと思った、梅子から馬鹿にしてる〜って言われる時に手遊びしてある感じとかふとした時に足袋の留め金を直してるのとか細かい演技が代助っぽいと思うところはあってそこは好きだったんだけど全体的に見ると何ともなって感じだった。平野くんの手が美しいなって手が綺麗って見てたせいかもしらん。

平野良”を見に行く目的なら満足だったかな、とか演出と演技の相性が悪いのかもしれないとかもっと新しいものを見られると思っていたとか、何となく不満ばかりを抱えてしまったんだけどこの作品を楽しめる人から見たらこんな不満言うのは私の見方が悪いと思うかもしれないなと思った。絶賛してる方も結構いるから…

前に某夏目漱石作品の舞台も見たけどそっちも解釈が合わなくて単純に夏目漱石作品の舞台化と相性が合わないだけなのかもしれない。

少人数のお芝居は好きだし緩急つけるためにふざけたりする部分入れるのもいいと思うんだけど(寺尾のシーンのあとにすっ、と空気を戻すの好きだった)でもこのお芝居が最終的にどういう作品なのかが分からなくて…台詞ががわりと原作のまんまなんだけどそこに乗る演出が合ってないと思ったのか何なのか。結構作品ざっくり壊してるのか原作通りにしたいのかも分からなかった。もっと壊してしまえば色々良かったのかも。あと代助が序盤の高等遊民の説明をするところと平岡との話し合いの席のところでだけ客席に話しかけてくるのも何か違和感だった…高等遊民の説明は他の人にさせても良かったかなってなったし、平岡とのとこもわざわざ代助が説明しなくても?その他の場面で客席を意識するようなところがないから何であの箇所だけ?と思った。原作は代助の主観で語られるし代助の独り言っぽく喋らせるシーンあっても良かったのに…2.5次元もそうだけど原作がある舞台は解釈違いを起こしやすくて大変、舞台ならではの表現を楽しめばいいと思うけどどうにも素直にすんなり楽しめなくてうーん?ってなってしまった。

見た後もずっとぼんやりと考えているし好きな作品は脚本ももちろん演出がすごく好きなんだなと思ってもちろんどっちも好きな方がいいけど好きな役者、だけではどうにもならないなと言う事を改めて考えたから役者じゃなくて見たい演出で作品を選びたくなった。少しばかり見に行くのを休みたい気持ちもあるけど

13日の日替わりゲストは宮下雄也さんで何故かギターを抱えて出てきて歌って帰って行ったけどそれを横で見てる平野くんがニコニコ楽しそうで本当に良かったね、と思った。楽しそうで何より。昼は積◯ハウス、夜は青◯でどっちもCMソング。DVDになるはずだけどどうするんだろう…?

〜崩壊シリーズ〜 リメンバーミー

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あらすじ

史上最低最悪の公演「九条丸家の殺人事件」から1年…劇団「荻窪遊々演劇社」の舞台監督の杏里は子供を授かり、恋人である座長の栗須は結婚を決意する。しかし、杏里の父親が猛反対。「劇団員風情に、娘をやれるか!」と怒鳴られ、なんとか説得をするが〝結婚の条件〟を突きつけられる。

「俺を泣かせてみろ!」

1年ぶりに再会したかつてのメンバー。父親を泣かすために始まった芝居は、新たなる崩壊の始まり…!?

推しの共演者枠(?)で見てきた!1作目の九条丸家の殺人事件は村井さんが見に行って面白かったって褒めていて気になって、あと彩吹さんも味方さんも見たかったから。続編だけどこれだけ見てもすごく面白かった。むしろ1作目の九条丸家の殺人事件ってどういうお話だったのか気になる。1作目は元々イギリスのコメディで2作目が完全オリジナルなんだなー。ドタバタコメディで本当に面白かった!でも本当に何も後に残らない感じ。劇団のお話だから劇中劇があるのも好き。素晴らしい役者さんたちが”大根役者”を演じるというメタい感じ(言いたいだけ)作品中の演じる役と演じる役が演じる役がさらにあるのって頭混乱しちゃいそうなというかその演じ分けがすごく面白いんだけど役の上に役を被るみたいな事が、それってすごく難しいんだろうなと思うんだけどそこをさらっと見せてくれるから何も考えずに面白いなって笑えるんだろうな〜って本当にすごく笑ったし面白かった。

何度もリピートして見たい〜って感じの作品ではないのかなと思ったからとりあえずいろんな人が1回ずつでも見てくれればいのでは。本当にすごく面白かった。みんな登場人物たちが憎めない人たちだっていうのも凄くいい。個人的にイチオシはクリスティーヌ。お話も”崩壊”してるけどセットも崩壊する。自分たちの劇団がお遊びである事をわかっててそれを良しとしてる劇団絶対いやだなって思ったけど(笑)、荻窪遊々演劇社はそれでいいんだろうなって気がした。

アフタートークで彩吹さん演じる愛さんと味方さん演じる大宮の共通点が”気絶キャラ”だという事で彩吹さんが味方さんに気絶の仕方を伝授した、とか彩吹さんが所作の先生みたいに細かく指導していたというお話が面白かった。こだわりの気絶。

場をつなぐために踊りまくる看場、場をつなぐために踊るのに苦労する看場と引き換えにめっちキレキッレにパラパラを踊る大宮も面白かった。白い粉を万能薬として持ち歩いている出水さんとかとにかく見せちゃいけないシーンにめっちゃ出る杏里さんとかあの雰囲気がすごく面白い城山とか本当にみんな面白いし、2つのシーンが同時進行するのも面白かった。あとやっぱり鳥場がずるいと思った。前半音響スタッフとしてほとんど上部にある音響ブースにいるんだけど大宮が気絶してから代役として舞台に降りてきた時の場のかき回しっぷり、お話の回し方が本当に良かった。もちろんクリスティーヌも!見てない人にもうまく伝わるようには感想書けないけど本当に終わった後に何も残らないけど楽しいなー!ってすっきり笑える作品は面白い。人を笑わせる事って難しいと思うんだけど人を悪く言ったりとか馬鹿にしたりして笑わせようとするところがなくて本当にただの楽しめるのは良いなと思ったし何よりみんな一生懸命でちょっと方向間違ってる人もいるけどそこが本当に良かったのかなと思った。また荻窪遊々演劇社が見たい!

1作目を見た人ならあのチラシのあの感じでも伝わると思うけど初めて見る人にはあのチラシの感じで思う作品のイメージと実際が全然違うんじゃないかな?と思った。現に私がそう思ったんだけど。相変わらず宣伝が下手だなー!ステージゲート!と思ったけどいい作品を作ってくれる制作会社だと思ってるので好きです。今年に入ってステージゲート製作の作品を見る機会が多くて制作会社推しかもしれない。

マームとジプシー ロミオとジュリエット

今更去年の12月に見た作品の話を。印象に残ってる舞台って何度でもその作品の話したくなるんだけどこの作品がまさにそうだったなっていつかTake me out の話もいつかしたい気がする…自分の中で処理が難しい舞台ってなかなか感想を書けない。

マームとジプシーは『Cocoon』の印象があっていつか見てみたいなと思っていたところにたまたま予定のタイミング的に見に行けるかなってちらちら気にしていたんだけどロミオとジュリエットはフライヤーのビジュアルがヒグチユウコさんだし、衣装が大森伃佑子さん、あと音楽の石橋英子さんも昔拝見した事があってそこも興味を惹かれたポイントで、ほぼ女性キャストで演じるロミオとジュリエットというところも気になった。

役者さんは初めて拝見する方ばかりだったんだけどキャストのほとんどが女性で2階席から見たけどくるくる回ったときのスカートの回転も本当に美しかった。まずはとりあえずビジュアルが最高だったという話から。

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プレイハウス自体も初めて行ったけど奥行きがすごくある舞台で、後方にもセットが組んであってあと横の方に椅子があって袖がなかったんじゃないかな?舞台裏にはけずにアクティングエリア、みたいな造りだったはず。

セットは固定式じゃなく、舞台もくるくる回ったりはしなくてセットを何枚かの板を組み合わせたのを折りたたんだり広げたりして使っていてその板の組み合わせによって室内空間になったり壁になったりするのも面白かったんだけどがっちりセットを作り込まれるよりもそうやって空間を生み出したりする方が個人的な好みとして好きなのかなとか思ったり。洗濯物を干すみたいなシーンが印象に残っているんだけどそんなシーンあったかな…あったはず。籠を抱えて噂話をする女中たちとか。

お話はロミオとジュリエット、の逆再生。この逆再生という手法がどうやってやるんだろうと不思議だったんだけどロミオとジュリエットが出会ってから死ぬまでの5日間をずっと繰り返す。映画みたいなつくりのお芝居だなと思った、逆再生の手法使う映画を見た事あるからかもしれない。ロミオとジュリエットは既に出会っていて、ベンヴォーリオも死んでいてジュリエットの傍にロミオがいる、ところから2人が出会う仮面舞踏会のシーンまで。ロミオが”夢を見た”ってセリフもリフレインで繰り返される、最初に聞いたときよりもお話が進んでいくごとにこのセリフの持つ重みがどんどん増していって気がつくとびっくりするくらい泣いてしまっていて自分でびっくりした。どうやってこのお芝居をつくってるんだろうな?お稽古とかどうやってるんだろう?という不思議さとロミオとジュリエットの死のシーンが何度も繰り返される事でどうしてこの結末を変えられないのかという無力感とかそれでもとても美しくて。ロミオは何度も同じ夢を見るし何度もジュリエットは冷たくなったロミオのそばで目を覚ます。

マームとジブシーというか藤田さんの演出にリフレインという手法はよく使われるらしいのだけどこのお話においてこの繰り返されるリフレインによってロミオの絶望がどんどん増していくしロミオの抱える閉塞感とか絶望感とかを最初はうまく理解できなくても繰り返される事で見ている側にも積もっていく感じがすごく良かった。

音楽はドラムだけ生演奏でロミオのあるシーンで能の乱拍子みたいに、ロミオの足音にドラムで合わせるところがあってそこがすごく好きだった。ドラムの山本達久さんも出演者としてクレジットされていてオケ、というよりは本当に出演者としてそこに居たのが不思議だったんだけどドラムセットは上手端に置いてあってそこにいるんだけどいないような距離感でそれも面白かったな。

うっかりサントラを発掘して懐かしくてあの感覚を思い出したくて今更感想を書いてみたかったんだけど分かりやすくはないというか多分ちょっと気取って小難しいものが好きな人に受ける作品なのかなという気はする、美術館とかの展示作品のような感じというか突付きにくさはあるけどうまくはまるとものすごく好きなんだろうなという気がする。どんな作品もそんなものなんかな。

私はまたマームとジプシーの作品見てみたいと思った。

音楽がめちゃくちゃよくてこれもうっかり涙腺を刺激された理由なのかなってまたサントラを聞きながら思い出した。

いつまでたっても語りたくなる作品に出会えるのは幸せだなと思った。

Patch stage vol.10羽生蓮太郎

略してはぶれん!ハムレットの舞台を昭和の大阪に置き換えてオールメールハムレット。奇しくも同時期にジョン・ケアード演出のハムレット上演中っていうのも面白い。

初日お疲れ様でした。時系列バラバラネタバレありのひたすら長い感想

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Patch stage vol.10『羽生蓮太郎(はぶれんたろう)』劇団Patch Official site

すえみつさん経由でPatchを見始めて生で見るのは4作目かな?本当にいい作品だったし、今回は客演入れないで巌窟少年ぶりにPatchのみのお芝居だったらしい。でもとても良かった。巌窟少年はあの時期の少年たち、っていうのを生かした本人たちと近しいところにあるお芝居だったけど羽生蓮太郎はハムレット原作だし色々難しいだろうなと思ったけど良かった。今までやっぱり客演の人凄いな〜とか思う事もあったんだけど本当にPatchだけでもこんなお芝居するんだなっていうのがとても良かった。

二面舞台で真ん中には円形のステージ、本当に最前は近い、飴ちゃんあげられるくらいの距離、近い。すえみつさんお馴染みのキャスパレもぐるぐる回って、しゃがんで1人ずつ立ち上がりながらハムレットでいうところの〜〇〇です!っていう紹介を1人ずつしてからお話に入るのも良かった、入り口をがーんって開け放している感じ。ハムレットである事とPatchの舞台、Patchstageだって事がうまく混ざり合っているような。

 

ハムレットとの役名対照

ハムレット→羽生蓮太郎

クローディアス→羽生黒男

ガートルード→羽生頑子

ポローニアス→歩野宮春

レアティーズ→歩野定春

オフィーリア→歩野親春

ホレイショー→布袋昌吾

尾瀬倉友之助→ローゼンクライツ

桐志田興喜→ギルデンスターン

羽生秀太郎→前国王

蛍原徹→???

ハムレットを漫画で読んだ程度の私には蛍原がハムレットなどの役なのか分からない…羽生蓮太郎では黒男の借金取りのヤクザ。

 

最初みんなでかくれんぼをしているシーンから始まるんだけど不穏な感じの始まり方…!と思ったらこのかくれんぼが凄くいい感じで効いてくる…このかくれんぼがラストまで効いてくる感じずるい!すごい!みんながまーだだだよ、っていいながらわちゃわちゃしている感じと、まーだだよ、って言いながら段々蓮太郎から離れていってしまいには蓮太郎が1人ぼっちになってしまう感じがすごく寂しかった。

羽生蓮太郎にはハムレットのオフィーリアが居ない。ヒロイン不在のお芝居なんだけどここで生きて来るのがオフィーリアポジの親春…!

蓮太郎になんで探しに来ないの?って話しかけにくる親春が可愛いし、ここで交わした約束をずっと大人になっても忘れない2人がいるのもいい。親春は蓮太郎に明日も次の明日もずっと遊んでね、ってねだってずっと遊んでやる、って蓮太郎が答えるのだけど…蓮太郎が(ハムレット)かくれんぼの段から既に死を思っているというかセミの死骸を見ながら夏の終わりを思って、明日が来る事が当たり前じゃない事を知っていて、かくれんぼの鬼をしながら鬼が見つけなればみんなずっと隠れたまんまじゃないのかとか、この感じで分かる蓮太郎の人となりというか役の感じが凄く良いなってちゃっきちゃきの関西のお兄ちゃんって感じなのに暗さがある。

親父に明日は来なかった、でハムレットの通りにすでに羽生蓮太郎のお父さん(秀太郎)は死んでいるところから。ハムレットのお話の通りに進んでいくから墓場でお父さんの幽霊に出会って黒男(クローディアス)とガートルード(頑子)に父親は殺された事を父親の幽霊から明かされるんだけど羽生秀太郎の幽霊の姿はハゲヅラ寝巻き鼻眼鏡の一升瓶抱えた三角巾つけた幽霊だし…何なんだあの幽霊は。墓石の役をキャストがやるから\ここは墓地/\墓石/とかやるし墓石めっちゃ喋る。墓石で笑わせてくるってだいぶ力技…めちゃくちゃ関西弁で突っ込むし笑わせようとしてくる。ハムレットなのに。ハムレットなのに蓮太郎の実家はホルモン屋で酔っ払ったおっさんたちが常にたむろしてる。このおっさん役を兼役でやるのも面白いんだけどモブでもついつい見ちゃうよね。

基本的に素舞台、セットなしでセットはホルモン屋のセットくらいしかないし、そのセットをわちゃーっとキャストが組み立てるんだけどアンサンブルなしでみんな役付きなのにモブも兼役でセットもやって、で本当に忙しい。セットが簡素でちょっとどうだろう?と思ったけどすえみつさんの演出はやっぱり照明の使い方が綺麗だ…本当にふとした時の照明の感じがめちゃくちゃいい。セットも何にもない空間って割と見てるのがつらいんだけどはぶれんはそんなに辛くなかった。

その円形ステージをめっちゃぐるぐる回るバターになるくらい回る。いろんな場面でぐるぐる回る。黒男と蓮太郎の追いかけっことか小さい会場をひてすらぐるぐる。竹馬で追いかけっこしたり、縄跳び使って追いかけっこしたり、人馬を跳びながら追いかけっこしたり、体力勝負なのか、このお芝居。

そのホルモン屋の板とか椅子とかを組み合わせて蓮太郎と黒男が追いかけっこする道を作る!途中ずっと同じところをぐるぐるさせられて戸惑う黒男!(この演出はすえみつさん主宰のぴーすぴっとという演劇ユニットの悪辣というお芝居でも使われてる演出で、それはどんどん椅子を並べていって道を作る、崩れていく様も椅子で表現するんだけどその演出がここでもー!って感じで生で見られて良かった 悪辣は映像貸してもらって見た)この演出をPatchでやるのも良かった…すっごく大変だと思うんだこの演出。

 稽古動画が上がってるんだけどこんな感じの演出。

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で、とても好きだったのが親春はオフィーリアだから死んでしまうんだけどその親春の死のシーンがとんでもなく美しくて、もう美しさしかない。橋の欄干から月に向かって手を伸ばして身を乗り出して川に落ちて死ぬんだけどこの演出がめっちゃ憎い…飛んでるように見えるし何なら本当に月に手が届いてる。本当に美しい。全体的に泥臭いというか昭和のざわざわした感じとかこんな町なんで出ていかないんだとか言う蓮太郎の鬱屈した想いとか蓮太郎は東京の大学へ行っていたけどそこでも上手く周りに馴染めなかったとか、笑えるお芝居ではあるけど全体的に暗さが漂うんだけど、でもその中での親春の美しさが一段と際立つ…。親春だけ子供のままで周りは大人になってしまったけれどいつまでもあの頃のまま。その純粋さが凄く美しいし、ずっと蓮太郎の事を思って父の復讐のために生きる蓮太郎を救ってあげたいとする親春だ。おかしくなってしまったって言われた蓮太郎と仲良くしてやってね、って頑子に言われてからずっと蓮太郎のそばにいようとする、ちょっと思い出すのは巌窟少年のマシマシ(Patch stage vol.2)なんだけどあの子も純粋無垢故に命を落としてしまう子だった…そんな親春が月の石を取ろうとしたのはもう大人になったからかくれんぼはしないよ、って定春に言われてじゃあ万博に月の石を見に行こう、って言われてそれなら羽生くんも一緒に、って定春にお願いしたという前日譚があって黒男を刺そうとして宮春を刺してしまって捕まった蓮太郎の為にしてあげられる事は、”月の石を見せたい”で、何から何まで蓮太郎のためにというかずっと子供の頃の事を忘れられない、子供のまんまの親春がほんとーに良かった。ヒロイン不在でどういうか使い方をするのかなど思ったけど下手なヒロインよりもよっぽど美しい…。無知で無垢で誰よりも純粋で〜って上手い使い方だなって…。飛田◯地の話をされても飛田◯地でかくれんぼしたい!っていう親春くん…おねーさんたちとかくれんぼするのか…。

親春がとても良かった、ってなるし親春定春の兄弟もめちゃくちゃ可愛かった。親春定春宮春の歩野家もとても良いのだけど。歩野家推しなのかな…24歳で55歳を演じます!演じきれてません!とかネタにするけどいい加減なおっちゃんめっちゃ良かった本当にああいうおっちゃん居そう。

定春蓮太郎の関係とか昌吾と蓮太郎の関係とかの関係性もめっちゃ良くて触れておきたいのだけど中の人の関係性とかでもちょっと見てしまうよねあれそれ。

ハムレットは事前に漫画程度でちらっと読んだんだけどどうにも鬱屈した話だなぁと思っていたんだけどハムレットの要素を入れつつ、(ちゃんとボローニアスこと宮春に魚屋じゃなかった?っていうシーンがあってこれ関西のお兄ちゃん達の芝居でも違和感ないなってなぜか感動した。)昭和の大阪が舞台だから突っ込み入れずにはいられない人たちとか、ゴミゴミした泥臭い感じもありつつ、夢は夜ひらくとかズンドコ節を歌い出す昭和感(ホルモン屋でカラオケが始まるという使い方)の出し方も面白かった。全員平成生まれのPatchが演じるごりごりの昭和感っていうのも面白くて。

全体的に笑わせようとしてくるんだけど、劇中劇でハムレットのくだりのちゃんとした台詞(関西弁でない)のシーンもあって関西弁がポンポン飛び交うお芝居での突然のハムレットシェイクスピア!ってあの硬い感じがすごくエッセンスとして効いてとても良かった。オゼキリによるハムレット。あそこの長台詞聞かせるとこめっちゃ大変なのではと思う。to be or not to beをなんて訳すか、に色々な解釈がある、というのがこのお芝居の本質っぽい部分なのかなと思った。これを悲劇とするのか?喜劇とするのか、はここの解釈の部分によるのかな?という感じ。蓮太郎的にはどうせえっちゅうねん、らしい。まさに蓮太郎がどうせえっちゅうねんっていう想いを抱えて色々あれこれ悩む苦しむお話だったかなって。で、ここの場面から凄くピリッとする。緊張感が増す。ここで黒男の態度を見て確信を得た蓮太郎が黒男を殺す決心を固めるのだから緊張感のあるシーンでないといけないんだけどそこまで行くまでの空気感をガラッと変えるのが…!包丁持って黒男を追いかける蓮太郎。\それはホルモン切る包丁であって人を切る包丁やない!!/そういえばこれシェイクスピアのお芝居だった!って思い出した。わざわざハムレットに言及するのも面白いな〜蓮太郎がハムレットのお芝居を見てまさに俺はハムレットだ…ってなるんだけど結末はハムレットとはちょっと違ってボローニアス(宮春)は刺されるけど死なないし、明日は必ずやってくる、生きてさえいればみたいな終わり方でとても良かった。死ななくていい人が死んでしまう、ってハムレットのお芝居を見て嘆く蓮太郎が居てくれるのも良かった。あんなに死を想う子だから死ぬんじゃないかと思ったら蓮太郎もちゃんと生きていてくれるからそこも安心した…。

親春の葬式で定春が蓮太郎に親春は今かくれんぼしてるから親春を探して欲しい、っていうのはなく。泣かせる…。Pacthに泣かされるなんていや幽悲伝は泣いたかもしれない。ずっと隠れてるしずっと探しつづけるってずっと遊んであげるんだっていうあの日の約束とか、親春の事をずっと忘れないっていう約束。明日のジョーの話がちょこちょこ出てくるし親春のお葬式で殴りあう定春と蓮太郎が明日のジョーっぽい。これ原作だとレアティーズとハムレットの決闘のシーンだけど羽生蓮太郎で見ると親春を死なせてしまった事でどうにも自分たちに親春を死なせてしまった痛みを感じさせてくれっていうシーンなのも良かった。

作品の中で象徴的に出てくる万博の”月の石”が盗まれたっていうニュース音声が流れてきて?って思ったら親春が身を投げた欄干で話をする蓮太郎と昌悟。で、蓮太郎が手に持っていた何かをその川へ投げ入れた。月の石を盗んだのは蓮太郎だった、っていうのがとても憎い…なんていう結末なんだ

日替わりゲストが色々ぶっ込んでくるんだろうなっていう蛍原のシーンはまだ初日だから固さがある!と思ったからこれからもっと笑いをかっさらってくれるシーンになる事を期待…。蛍原の部下のヤクザが普通?のしょーりと小指のテツなの面白かっためっちゃ小指踏んでくるテツ…!(しかもこれが親春との兼役なのも面白い)こういう小ネタがさぁ…!ただ頑子の蓮太郎のヅラはどうにかならんかったのかなと思った…もうちょっといいウィッグを使ってくれると…衣装とかは本当に良いのに…

1回しか見られないかなと思ったけどもう1回見られそうなのでじっくり楽しみたい。本当に凄くいい作品だなって本当に思うし、それを演じきれるPatchの成長もあつい(そんなに見てないけど)

 

ミュージカルスタミュ

評判を聞いて面白そうと思ったのと、RENTのエンジェルの新キャストの丘山さんを拝見したくて行ってきた、ミュージカルスタミュ略してスタミュミュ。f:id:a9azzzzz:20170415201458j:image

高校のミュージカル学科!ミュージカル俳優を輩出する伝統のある高校!ミュージカル学科に入るにはオーディションを受けなければいけない!という何となくアイドルを目指す学園がある某アプリの感じを思い出した。ミュージカルというよりちょっとアイドルっぽい感じもあるかなと思った。劇中に出てくるミュージカルシーンがミュージカルというよりアイドルっぽいなと思ったのがその原因かもしれない。

劇中劇って難しいんだろうけど、新人お披露目公演とか綾薙祭とかを1曲で表現するから、そこがもっとミュージカルっぽければいいのに、と思った原作アニメ見た事ないから原作アニメにそこが忠実ならもっとミュージカル要素入れて欲しい〜って原作アニメに対しても思うかもしれない。

あんす◯ってこんな感じなのかなと思って見てたらあんす◯に出てるキャストがいらっしゃるんですね…

キラキラした青春!夢を諦めるなんて知らない!学園の異端児!みたいなとことかチーム鳳が戦隊っぽい(それぞれのイメージカラーが決まってるのとか、あの衣装とか流星◯っぽい)やっぱりあんす◯をイメージさせてしまうのだけどあんす◯の話は置いといて

正統派2.5次元ミュージカルってこんな感じなのかな!キラキラしているな!(正統派2.5次元ミュージカルといえばテニミュなのかな?くらいしか知らない)って感じでとても楽しかった。割と重たい暗い話を好みがちな身からすればあー眩しいキラキラが降ってくる〜って感じのハッピーミュージカルだった。本当にキラキラを撒くのも面白いキラキラを拾い集めたい。

エリート集団と落ちこぼれの星屑たち、伝統を守ろうとする学園と対立する異端児たち、学園の改革者!とかどこかでよくある王道ストーリーなんだけどそれもまた良いのかもしれないな〜と思って。アヤナギショータイムで唯一同じ曲をチーム柊とチーム鳳が踊るのに全然アレンジが違って振りも違ってそこがとても良かったし、模範のアヤナギショータイムもめっちゃ格好良かった(アンサンブルの人たちが踊る)

チーム鳳がまとまっていく時というか1人1人このチームも悪くないぜ!って思った時にそれぞれのキャラソン歌うのが面白かった。個人的に推せると思ったのは天花寺翔と鳳先輩だな…天花寺のキャラソンめっちゃ良い好き〜ってなるし(天下の花)歌舞伎役者っていうのもポイント高いですし、戦隊もののレッドって感じでいいね!鳳先輩はめちゃくちゃ愛に溢れた人なので好き。”ボーイズ”って呼びかけるのも好きだし、オレンジジュースのエピソードとか。*1正直この人がエンジェルやるんだな〜って見ててダンスの動きとか歌とかを品評するように拝見してしまったけれどもう本当にチャーミングでダンスもキレがあって、本当に良かった。丘山さんのエンジェル楽しみ。鳳先輩が愛に溢れている人なのも良かった。僕の教え子たち、って愛情を持ってチーム鳳に接してくれるのがとても良い。

個人的にやっぱり2.5次元ミュージカルを見るのに向いてないなと思ってしまったのは声の作り方(やっぱりアニメっぽく喋らないといけないんだろうか)とかその声で歌う曲とかやっぱりどうしても気になってしまう…もうちょっとボイトレを積めばよくなるのだろうか?とかそもそもキャラっぽくしようとしてこんな感じなのか?とか。

天花寺役のすずきしょーごさんとか鳳先輩はやはりお歌が上手いので聞いていてストレスがないと思ってしまって。キャラっぽく作っているけれどやっぱり役として自然な感じがするというかキャラではあるけどキャラというよりその役を生きてる感じがしてキャラとしてアニメっぽく寄せるのは2.5として正解なのかもしれないけど私にはそこがちょっと違和感としてあるのかな〜とかしみじみ考えて。

笑いどころもたくさんあって演出もとても面白かったんだけど私が2.5の楽しみ方をもっと知らないといけないのかな〜とかも思ったり。

星のストライドの鳳先輩Duo ver.がとても良かったな〜。

桜会の無駄遣い感?と思ったけど華桜会はアニメではもっと大活躍しているのかな…楪のヒビキワタル感(すぐあんす◯の話する)

柊と鳳先輩の関係が気になってわっくわくしてしまった同じ血が流れている・・・?兄さん?柊って鳳先輩の事大好き感あるけどそういう事なのかー!(兄弟は良いものです)ちょこちょこ柊と鳳先輩がチーム月皇だった時の回想シーンが挟まって何このエピソードを小出しにしてくる感じ、気になる…と思ってしまった。伝統を守ろうとする柊と新しいものを取り入れないと、もっとミュージカルの根本的な面白さを伝えていこうみたいな鳳先輩と(何かセリフがとても良かったのだけど忘れた)

月皇くんが兄さんは天才だから!ってまたすぐ兄さんを天才扱いする努力家の弟だ〜〜〜!好き!兄さんは別に天才ではないと思うぞ!努力もしている天才だ!すぐ天才扱いするのやめてください!

那雪くんのヒロイン扱いとか(お弁当取り合うの可愛い)、戌峰くんの犬感(そして飼い主の虎石くんとのハウス!お前いつから犬飼い始めたんだ?意外と良いもんだぜのやりとりが好き)辰巳くんと申渡くんは主従なんですね?これはオタクが好きなやつてんこ盛り感…天花寺の野暮助!が好きなんですけど彼は猫にだけ心を開くタイプなのもポイント高い…好きかもしれない…俺に抱きついていいのはタミアン?(ダミアン?)だけだ〜!って言うのが可愛かったんだそうかタミアンだけか…

あと星谷くんは憧れの高校生を追いかけて綾薙学園に入学したけどその人は鳳先輩で(ベタだ!)憧れの高校生の話をする星谷くんに自分がその人だ、って声をかけようか迷ってぐっと拳を握る鳳先輩が好きで…板の上に立つ事に喜びと誇りを感じているからこそ、鳳先輩が自分が華桜会を去る事になってもチーム鳳を綾薙祭に出してくれと頼んだとか鳳先輩を捨てて綾薙祭に出る事を選ぶ星谷くんとチーム鳳(泣ける)やっぱりストーリーは王道ものなんだな〜でも”ミュージカル”って題材がとっても良いと思います!

今更気付いたんだけどチーム鳳は星・雪・花・月・空ですね(空は宙だけどこれはまんまヅカから取ってるんだな!)チーム柊は動物の名前縛りなんだけどこれは?ミュージカル関係あるのか…?

ガッツリ踊るしガッツリ歌うし本当にキャストの皆様大変そうで…個人的な問題として色々書いてしまったけどハッピーミュージカルでとても楽しいしチケットは当日券チャレンジして席は外れた(4席だけだった)から立ち見で、指定席7800円立ち見席6500円で席代って1300円なの?立ち見席の案内がろくになかったから戸惑ったとか、ちょっと残念に思うところもありつつハッピーミュージカルで楽しかった。

 

小道具、演出として傘の使い方がとても印象に残っているのと、階段を上り下りするのが多くてそこも宝塚っぽさなの!?とか思ったり

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この\スタミュ/のアナログ感というかめっちゃ好き。アンサンブルの皆様がばっきばきに踊れる人たちなのも良かった〜いろんなジャンルのダンスを踊ってらっしゃる。あと月皇くんのソロの布…布が良かった。布。

ハッピーミュージカルでとても良かった!

すずきしょーごさんを映像で拝見して(カラーオブライフとパラノイアサーカス)本当に同じ人?って思うくらいの印象の差にびっくりしたんだけど、今回初めて拝見してやっぱりえ?同じ人?ってやっぱり思って役者さんは凄い。伸ばすところの音がとても個人的に好きで、もっとミュージカルで拝見してみたいなと思った。

*1:鳳先輩が1年生だった頃チーム月皇で差し入れのオレンジシュースを与えられた後に説教が待っていてオレンジジュースに苦い思い出がある、でも鳳先輩はチーム鳳の子達にオレンジジュースに苦い思い出を残したくなくて言わなくちゃいけない事を伝えずに去った

君はいい人、チャーリーブラウン

初日お疲れ様でした!

You are Goodman Charie Brown 略してYGCB とりあえずなんとなくのメモ

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ネタバレ込み(順番ばらばら抜けもあるはず)

一幕

チャーリーブラウン

スクールバス

スヌーピー

先生の評価

毛布

ランチタイム(赤毛の女の子)

バレンタイン

凧揚げ

毛布

ベートーベンデイ

ルーシーの精神分析

うさぎ狩り

読書感想文

一幕終わり

 二幕

撃墜王

マイフィロソフィー

ルーシーのアンケート

弟の教育

女王

サパータイム

ベースボール

合唱

BOW(おやすみソング)

 

 大体順番は適当自分が感想メモしやすい様に、歌わない部分(内容のメモ)まあ挟みつつ。

お話に筋はないというかショートアニメの詰め合わせって感じで、子供達の些細な日常。その些細な日常がどれだけ幸せに溢れてるか、みたいな内容というかちょっと哲学っぽく、分かる〜とかそこまで言わんくても…とかチャーリー…ってなったりする。チャーリーが情けなくて優しい。ルーシーにスヌーピーは餌をくれるから貴方に尻尾を振ってるだけよ!って言われてしょんぼりするチャーリー…親友は飼い犬…(どんな子なんだ)

チャーリーが朝起きて朝日を浴びてきっといい日になる〜夜寝る前にだめだった事を思い出す〜って言うのが分かる…ってなるんだけど最後の曲はおやすみソング(?)星をみんなで見ながら歌う曲なんだけど幸せは〜朝夕暮れ〜昼と夜と〜幸せはどこにもある〜君が望め〜ば〜って明るい感じで終わるのも良き。小さな幸せを喜べる、みたいな。

明日はきっと良い日になる〜っていうチャーリーに世界のどこかではもう明日になってる国もあるんだよ?明日も今日のつづきでしかないよっていうライナス辛辣…

本編でのチャーリーはだめだめなんだけど(笑)好きな女の子に話しかけられないし、好きな女の子の鉛筆拾って噛み跡がついててあの子も生きてるんだなぁって実感したり(オタク心理っぽい)、野球も上手くできないし、読書感想文も書けないし。でもフラッシュって呼ばれたい夢がある(笑)チャーリーよりフラッシュの方が格好いい!野球もサッカーも出来そうな気がするって言うのが面白いんだけど名前を変えるとすべてうまくいく様な気がする、っていうのがすごく子供らしいし、昔はそんな事考えたかなって。

ルーシーの精神分析でべこべこにされるのが本当に可哀想で全否定はやめてあげよう…でも貴方は貴方で良いのよ、って良い言葉だ。

ルーシーのアンケートではチャーリーだけが気を使って答えてあげるんだけど他のみんなはルーシーが怒りっぽい、強制的だって言いまくる。子供って残酷だ…無記名だから!ってルーシー本人に関するアンケートを本人が取るのはなんなんだ(笑)

チャーリーが郵便受けに向かって叫ぶシーンが凄く好き。こんなに声が響くなんて空っぽの証拠だ〜!って。本当に郵便受けに頭突っ込むのが可愛い。

それはそうと中の人のせいか僕は透明なんだ、ってチャーリーが言う台詞で、何それマークみたいな事言って!!!!!って思ってしまい…ブロードウェイ版でもマークの人がチャーリーブラウンやってたらしいしマークとチャーリーブラウンの共通点みたいなのが…個人的には目立つタイプじゃないのに何故かみんなの中心にいる子、だと思う決して何かに秀でてる訳ではないけど周りの人をきちんと平等に見ているというか。極端に誰かに優しかったり誰かに厳しかったりしない、みんなに平等に接する事が出来るって難しい事なんじゃないかと。あと人を否定しないとか。何言われてても受け止めちゃう。悪いところもいいところも。

"良い人"ってそう言う事なのかもしれない。

ルーシーとライナスの姉弟の関係も可愛くて、この姉弟は喧嘩も多いんだけどルーシーが落ち込んで生まれてきた意味がない(意訳)って言った時に姉さんを愛してる弟がいるよ、って言うのライナス〜〜〜〜いつも理屈っぽい弟なのにこう言う時だけ素直に愛情表現してくるライナス〜〜(好き)

サリーとチャーリーはチャーリーがサリーに一方的にダメ出しされてる。サリーはスヌーピーに対してもマウンティングかましてくるませた子だ…でもなんだかんだスヌーピーがサリーの面倒見てあげるのも可愛い。

あとセットの使い方が面白かった。漫画っぽい作りというかそれぞれ景色の書かれた四角い背景を組み合わせてたり、後ろのバックスクリーンは四角く区切られてて伸びたり縮んだりしてそっから出てきたりするのも面白い枠から出てくるのが漫画から飛び出してくる〜みたいな気持ちになる。派手なセットではないけどサパータイム(スヌーピーショータイム)でそれまでの雰囲気をガラッと変えるくらいにピカピカするのが面白い。あそこだけ何故かアダルティーというかそれまでと大分雰囲気が違う。

ルーシーのアンケートとかルーシーの精神分析のアナログ感とかもとても可愛いでも結構しっかりした作りだし。ルーシーが持ってる缶がピーナツバターの缶なのもちゃんとこだわりを感じるし可愛いみんな大好きピーナツサンド。

読書感想文でピーターラビットを読んだ感想のはずがずっとロビンフットの話をして最終的にピーターラビットにつなげるシュローダー、あらすじを入れつつ文字数を伸ばしていくルーシー、ピーターラビットとその家族についての心理学的分析を始めるライナス、後回しにするとできないとわかっているのになかなかかけないチャーリー、この4人の対比と歌が面白くて!結局チャーリーは書けないし、お稽古動画でこの曲の一部分が上がってたけど実際はもっと長い曲ですごく聴きどころがたくさんあって好き。

ルーシーの彩陽さんのお声が本当すごいどのくらいまで出るんですか?って感じがする…凄い。ピアノの上でゴロンゴロンするの可愛い。シュローダーの東山さんはミュージシャンの方だなと言う感じ。シュローダーはピアノだいすきな子だからそのイメージもあるのかな?すごくミュージシャンっぽい。サリーの田野ちゃんさんは本当に小生意気でませてて可愛い。パンツ見えてるのをあんまり気にしない(笑)いや6歳(?)なんてそんなもんかって感じだけど本当に動きも可愛い、ライナスの古田くんだけ以前テニミュで拝見したからえちぜんりょーま!ってなるんだけど親指しゃぶって味がしなくなった…っていうのライナス〜!親指結構ずっとしゃぶってて親指ふやけちゃう。

チャーリーが凧揚げ時の凧役がライナス(黒子)なんだけど動きが可愛いくてチャーリー見ればいいのかライナス見ればいいのかってくらい可愛い(可愛い)

スヌーピーは本当に犬…スヌーピー(曲)とサパータイムぐらいしかソロ曲なかったかな?っていう贅沢使いなんだけどうさぎ狩りでいやいやサリーと に連れ出されてるのとか何故か野球に混じってるとか犬らしからぬ行動も面白いし撃墜王が好きだから撃墜王見られてよかった!本当によくあの赤い屋根の犬小屋の上で寝ている!(笑)あっきーさんのスヌーピーの再現度の高さ。誰が中川晃教を犬にした!!って感じだけど本当にいいスヌーピーです。サパータイム楽しい!マジックあり、ラインダンスありで。

みんなで歌う合唱曲、みたいな曲が”ふるさと”っぽくて(何の曲かはわからないけど)そこに網にうさぎを入れたスヌーピーがやってくるのが面白い(兎狩りうまくいったんだね!)

勝手におやすみソングと呼んでいるパジャマ曲はみんなパジャマ姿で出てくるんだけどそれも可愛い…あとスヌーピーがすりすりチャーリーに寄ってくる、サリーに寄ってきて頭撫でられてるの可愛い

ひとつ気になったのはチャーリーが"PTAの皆さん"って言うんだけど分かりやすくするために"PTAの皆さん"なんだろうけど全体的にアメリカンなテイストの中に放り込まれる"PTA"に一瞬ここが日本という現実を思い出すじゃあ何が適切な訳かというと思いつかないんだけど…"PTA"………。

あとバンドのピアノ弾いてる方がアイワズライトで音楽監督とピアノ担当されてた桑原まこさんであーってなって。村井さんとまたお仕事して欲しかったから嬉しいのだけどどうしてもあの夏を思い出してしまう…。まこさんのピアノは感情の機微に凄くぴったり寄り添ってくれるというか感情の機微に細かく反応して演奏に反映してくださる方だなと思っているからまこさんがバンドにいてくれて嬉しい。ミュージカルでご一緒してくれるなんて、とても嬉しい。歌に細かく合わせてピアノ弾くシーンがあって、まこさんで良かったなーって改めて思う。

こっからただのオタクの感想だけれど、村井さんが本当にチャーリーブラウンでしかなくてあっきーさんがインタビューで

”彼が役に寄せていってるのか、役が彼に寄せていってるのか”って

って言ってて分かる、と思った。演じているはずなのに中の人が全く見えなくてどこまでもその役(キャラクター)としてしか存在しないのがとても不思議でとても好きなんだけど、どの役を演じても中の人が見える役者さんとは正反対のどの役を演じても中の人が見えない様な。見えてるとは思うんだけど本当は、でも本当に役と本人が近づいていくというかぴったり重なる部分が多くてそこからはみ出す部分が少ないというか。だから本人としての部分が見えにくいのかなとか。でもチャーリーじゃないとこのダンスはキレッキレなのでそこはチャーリーっぽくない…(笑)チャーリーとして存在するときはどこまでもチャーリーブラウン。思いっきり空振りして情けなくて、紙袋被って(笑)、何気ない表情のひとつひとつも本当にチャーリーブラウンで。

村井さんの演じる役で特にこの役が好き!っていうのがあんまりなくてキャラクター萌えするオタクとしてはすごく珍しいんだけどどれもむらいりょうたでむらいりょうたじゃないからかなと思って。何となくうまく言えないけど他にこういう人を知らないというかやっぱり色んな役やってるのが見たい人だなと改めて思って。イベントやら何やらで拝見してはいたけど舞台で見るのは去年の真田十勇士以来で、あーやっぱり板の上で見る姿が1番好きだなと思った。そう思える事が幸せだ。推しとか言う言葉は使いたくなくてただ好きなだけ、だけど本当に幸せな気持ちにさせてくれるので色んなところで勝手にもだもだするけど本当にただ単純にこの人のお芝居がとても好きだ。

あっきーさんに褒められまくってるのも嬉しい、あっきーさんと共演ってだけでも嬉しいのに。愛されてるのが何かとても良いなって。

お話と言うよりは、全体的に流れる雰囲気を楽しむというか最後の曲で締めるの凄くグッとくるんだけど本当に何も考えずにただ幸せな気持ちになれる作品で本当に良かった。

でも東京で5回見るのは無理だ

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Facebookに上げくれてる舞台写真が大変可愛いのです、もぐもぐチャーリー

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 たくさん通って見るよりも1回1回噛み締めて見たい感じかなと思ってしまった。通えるほどの財力を持ち合わせていない事が本当の理由だけど。でもだいぶ期間が空いてからの2回目、を見る予定だから変化を楽しみにしてる。

野良女

RENT製作発表からの野良女ってかなり変化が激しい、気圧の高低差。スタミュミュに行けば新エンジェルの丘山さんを拝見出来たかなと思いつつ、久々に女優さんばっかり出るお芝居を見たー!って感じでとても楽しかった。美しかったし。女性は美しい。

noraonna-stage.jp

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去年BAMBISHOWで拝見した佐津川さんともう2年前?に夜の姉妹で拝見した菊池美香さんが見たくて。どっちも平野くんと共演した女優さんだ。ちなみに白蟻の巣に出てらした村川絵梨ちゃんはカワイクシアワセで村井さんと共演している。大体共演者の女優さんを好きになるのに見に行けない事が多くて今年はちょこちょこ行けて嬉しい。本当にみなさん素敵な人なんだ…。

あらすじ見た感じ最近こういうの流行ってるの?タラレバ?(見た事ない)こじらせ女子?みたいな感じだったけど結構えげつない下ネタと美しい女優さんたちが演じるからこそ胸に刺さらずに見られるって感じの作品で面白かった。何より良かったのは男性の演出、というか見せ方というか。出演者で男性は池田倫太郎さんという方だけなんだけど(文学座だ…!)男性はトルソー(上半身だけ)で後ろから黒子の様に動かすんだけど股間のあたりが凹の感じで男性性を取り除かれているというかその男性性の役割としてマイクを使うんだけど、そのマイクを握ったかと思うと突然ショータイムが始まるから(結構歌うし踊る)女性が求めるから男性はそこにいるみたいな見せ方、だから実体がない、みたいな感じ。

その男性を”男”ではなくて1人の男として認めた時に初めて実体を持つ、みたいな。(マネキンに着せてたスーツ脱がせて黒子やってた池田さんが着て実体化させる)

2年間彼氏がいない女(鑓水)、元彼が忘れられない女(壷井)、DV男と付き合ってる女(桶川)、美人でモテるバツイチの女(朝日センパイ)、不倫してる女(横山)、の話を順序良くというか交互に見せていく感じで1人1人のキャクラクターの掘り下げ方もとても良かったし最後は綺麗にまとまる感じの。あと男性は鑓水が気になっている鈴木大助。鑓水と鈴木大助のやりとりを見守る他の四人による実況中継も面白かった。

私が一番好きだったのは不倫している女の横山が不倫相手の子を妊娠してウェディングドレスを着て結婚を迫るシーン、その隣では鈴木が鑓水にプロポーズしてるんだけど横山は妊娠したからやっと結婚できると思ってその期待の現れとしてのウェディングドレスなんだろうけどこれがすごく痛々しくて美しくて。哀しいから美しいみたいな、痛々しいから美しい。

で、結婚できないと言われた横山が自殺未遂を図る(もともとリスカ傾向がある・鬱診断されている)この時にきらきらした赤いものが降ってくるんだけどこの時の照明の感じとかが本当最高だった…!本当に美しかった。美しいと思うだけのシーンではいけないんだけど本当に美しくて。

友人全員リストカット癖を知っていながら黙認していて自殺未遂を経てやっときちんと踏み込んでいけるというか、遅いなと思うしここらへんちょっと白々しいと思うんだけどお話が全体的に動いていくシーンだから、お話的なものとしてはこのタイミングじゃないとだめなんだろうな。

あとDVを受ける桶川さんが綺麗なんだなー地味だけど目が離せないタイプの美人。ずっと眼帯とか包帯とか巻いてるけどそれがまた良い。

美しい朝日さんはいつでも美しくてキラキラしてる朝日さんじゃなきゃいけない、って桶川さんにだけ吐露するのとか、朝日さんが桶川さんに友達だからもっと自分を大事にしてって言ったりするこのほかの人には見せない2人だけの関係、みたいなのもすごくよくて、横山と鑓水、鑓水と壷井、桶川と横山みたいな。みんなで居るときは明るく自虐的な話もできるけど2人だけだとガチな話を始めるのがすごく良いでもわかる様な気がする2というのはとってもパーソナルな数字だ!どこまで見せて良い自分なのか、っていうのもあると思うし。

いろんなタイプの女優さんがいてすごく眼福だしかなり脱ぐ(!)普段見ている舞台だとあんまり露出が激しくない、脱がないイメージあるからもうガンガン脱いでいくからとても眼福最高かよ…あと朝日センパイはすごく美しい。キラキラしている。アフタートークで見せていこ!ってみんなで言ってるって仰っていたからガン見するのもありなんだなーって。ちなみに男性も脱ぎます。みんなガンガン脱ぐ。

綺麗な女優さんたちがガンガン脱ぐ様を見に行ってみようの会でも楽しいかなと思う。精神的にちょっと痛いところ突かれた…という部分もちょこっとあるけど基本的には”自分を幸せにできるの自分だけ”って感じで”もっと自分に優しく”って感じだから。普段なかなか手が出ない感じのお芝居で楽しかった!