I was stage gazer

星を追う

宙組 不滅の棘

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実は別箱公演に行くのが初めてだったりします。デビュー!

宙組を見るのもエリザ以来だったり…ルキーニの愛ちゃんさんが凄く好きでまた見たいなぁと思っていたら主演!不老不死!と聞いてからこれは絶対見たい!って行ってきました。

簡単な感想としては凄く良かった!不老不死に苦しむ青年を演じる愛ちゃんさんの倦んだ演技がとても良かった、生きてる喜びを感じられない彼が歌やダンスで不死の悩みを誤魔化しているのも良かった!現代ではスター(って何)のマックス・エルロイのライブのシーンがとても良かったバンバン。スターは蘇る〜

もうとにかく愛ちゃんさんが可愛くて仕方ない…って言うのが8割の頭の悪い感想で凄く可愛いかった……最初の登場は不老不死になったばっかりの頃〜少年っぽさが残る感じで次は不老不死になってから諦めていたはずなのに初めて人を愛してしまった頃の苦悩する感じ、最後に現代のスターとしてマックスウェルガールズを侍らせて目的のために女を利用する〜みたいなやっぱり不老不死ものはこれまでに経てきた年数によって精神の移り変わりというか後半に行くにつれてどんどん病んで行く感じがめちゃくちゃ良い…生きていく時間が長くなるごとに絶望する事が増えるみたいな…

不老不死ものはすぐ100年とか時代が経過してしまうからお衣装も時代時代に合わせたものに変化すると言う楽しみもありますね!色んな時代のお衣装が見られたのも良かった。

1番可愛かったのはやっぱりマックスウェルのふわふわ白コート…可愛いお洋服を着せられて…不遜な態度を取るの可愛い…足の長さを強調しながら足を組むのがすごく可愛いかったしどんなにキザな態度を取ってもどうしても可愛いなぁってなってしまうので本当にすべてのシーンにおいて可愛いみたいな頭の足らなさを発揮してしまうので…すべてにおいて可愛く見えてしまう愛ちゃんさんは凄い本当は格好いいが褒め言葉なのは分かっているけどどうしても可愛くて…

どの時代も建物もお衣装も真っ白なのは色のない時代を(ただ無味に過ぎていく)生きてきたって暗示している事なのかな〜って感じでとても良かった。

何より白衣装とても可愛い!色味がないとデザインが際立つというかクリスティーヌの真っ白帽子とかふわふわな袖とか白くてふわふわしたものの可愛いさを感じた。うさぎとかそう言うものを起こさせるからかな…

限りある命を持つものを愛おしいと思いながらも人間にうんざりだって言うのとか、昔の恋人カメリアに踊ってくれ!って言ってすべての憂鬱を歌とダンスで晴らそうとするのがよかったそれでも不老不死の憂さは晴れないけど。

宮廷お抱えの歌手とかスターとかそんな不老不死なのに目立つとこばっかりにいて…と思ったんだけど歌う事に喜びを感じて長すぎる人生の楽しみにしていたんだなって納得できたんだけどあのマックスウェルのライブシーンがすごくて、宝塚のレビューみたいな感じのゴールデン〜ゴールデン〜って歌うんだけど白い卵型のバルーンが出てきてそれを割って出てくるのは謎の女性(役名:美人)からの衣装を脱いでマックスウェルになるんだけどここの面白さ!美人の時は女声でマックスウェルに変わった時はパッと男声に一瞬で切り替えてあ〜ジェンヌさんだ!!という楽しさを感じた。口を拭って口の端から頬を汚した感じがすごく好きで、色っぽかった。

最初から不老不死をバラす様な態度しか取ってなくてどうするの??どうするの??と思っていたけど不老不死である事よりも公文書偽造罪で訴えられたので笑ってしまった。そこかーいっていう突っ込み…でも元々バラして消えるつもりだったから不老不死である事と、何の目的があって近づいたかをバラして消える。目的は不老不死の薬の作り方をただ唯一愛した女、フリーダに残したものがどうなったか、を知って手に入れる事だったんだけどやっと手に入れた不老不死の薬の作り方を誰も受け取らなかったのが切なかった。フリーダも不老不死にならずに死んでしまったし、やっぱり彼は孤独だっていうのを最後まで如実に実感させられた感じ。

不老不死なのに子供を作れるのか?っていうのはちょっと不思議だった薬で不老不死になった後天的不老不死だから…?不老不死ではあるけれど肉体の限界を感じている事も不老不死ものとしては珍しいなって…?

女の子をいっぱい侍らせていたり利用するために近づいて目的を達成していくんだけど愛した女は1人だけって言ってフリーダ…ってうわ言を繰り返すのが辛かったし女の子たちに対しても愛じゃなくて不老不死である事を慰めるための存在、愛玩という感じなのが辛かった。ある程度の好意はあるけど愛してはない。

女の子を可愛がったり誑かしたりするのすごく色っぽい感じなんだけどやっぱり可愛いな〜〜!!ってなってしまって本当にすべてにおいて可愛いという感想しか抱けなくて困った。なんでこんなに可愛いのか。孫か。(ルキーニの時にも可愛い可愛すぎるんじゃしてたので他の人には可愛く見えなくても可愛く見える)

愛ちゃんさんの演技もお歌もとても好きだな〜と思うし男役さんだから格好いいと思うのが普通なんだと思うんだけどどうしても可愛くて一から十まで可愛い…ってなってしまって主演で真ん中に立つ愛ちゃんを見られて本当に良かった…!行く機会を逃していた宙組の本公演にも行こうと思うくらい良かった。

あと幕間休憩明けにちょこっとアドリブシーンがあってお掃除の子たちとおばさんのやりとりがあって私が見た回は照明さんとのやり取りというかスポットライト浴びた事がない〜みたいなやつだったんだけどとても可愛かった…スポットライトを浴びようとする子が可愛くてお芝居の前半パートで道化役をやってたのも可愛かったからお名前をチェックしておこう…と思った。

愛ちゃんさん以外うろ覚え…って感じで申し訳なくなっていたけど宙組の皆様も本当にとても良かったしフリーダとクリスティーナならわたしはクリスティーナ派かなってなったので次回の本公演も楽しみにしようと思いましたまずチケット取らなきゃ…

TENTH 第1週 Next to Normal

観劇始めはクリエから〜

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初日がどうしても取れなかった! 

1幕 Next to Normal

かなり予習して曲を聞き込んででもネタバレは回避して見てくれという初演を観た方からのアドバイスにより曲は知ってるけどストーリーはほぼ知らない状態で見たらこれはめっちゃこねくり回したいタイプのお話なのでダイジェストじゃなくてちゃんとフルサイズで見たい…

遠くにあるようで身近なお話というか身につまされるなぁというか、"家族"である事って実は何も保証されてないというか実はとても難しくてみんなそれぞれ何かを抱えて無理して笑っていつか綻びが出て来ちゃうというか、変わったお話じゃなくてどこにでも実はある事なのかなぁって、Next to Normalは普通の隣で生きていく、普通じゃなくてもいいって事だと思うんだけど普通とか幸せとかって無理して維持しなければならないものでもないし、みたいな。この家族だけだと本当つらくて行き場がなく感じるんだけどヘンリーの存在が救いで、と言う気持ちだった。ヘンリーはナタリーに君は四角、僕はカーブって言うけれど(多分)柔軟に生きれる事をナタリーに教えてくれる"完璧"じゃなくても良いんだって愛されて良いんだって教えてくれる…天使だ…(最近の頻出ワード)

幸せな人は何も考えていない、分かっていないだけとか悲しさは忘れるのではなく共に歩いて行かなければいけないとか。うんうんってなりながら見るやつだったし、ナタリーが大好きヘンリーが可愛くてナタリーを抱きしめる時の愛おしさに溢れる感じがとても好き。君のために何かしてあげたい、出来ることはない?ってマリファナ勧めて来たり、何もできないって困った顔するのがすごく可愛い。RENTみたいな作品と言われるらしいけどラストのshineとかまさにSeasons of love みたいだったしヘンリーはエンジェルの様な存在なのかなと思った。愛で包み込んでくれる人だった。ジャズが好きなヘンリーがマリファナ吸ってモーツァルト弾けって?ってナタリーに言われていいねぇ!(いい考えだねみたいな感じ)って言うのがすごく好き。

海宝さんのゲイブがむちゃくちゃ怖かったんだけどゲイブ=抑圧された意識みたいな事だから"怖い"ではなくそこに当たり前の様にあるものとして受け入れなければいけないというか決して怖いものとしての扱いをブロードウェイ版ではしてないらしく(あと初演の小西さん辛源さんも)ここら辺の解釈をもうちょっと掘り下げたいなぁというか私が"怖い"と思ってしまったものが果たしてなんなのかみたいな。欧米における精神病、の話も色々関わってくるらしいけど(日本よりももっとカウンセリングとかがカジュアルに存在する文化)

海宝さんのお歌の圧が凄いというかクリエで聞くサイズ感じゃないというかそういう異質さもゲイブなのかなぁと思ったり。

日本での初演はBW版の演出に合わせたのかなぁという演出は見えた(舞台写真から)んだけどダイジェスト版はかなりそこから改変があったな?と思うし、大きい目が出てくる演出がすごく怖かった

村井さんの役解釈がいつも好きだなぁと思うんだけど何よりヘンリーが凄く好きだって気持ちで演じているのかなという風に受け取ってしまって演じる役に対する愛情はどんな役でももちろんあると思うんだけだ何よりこの役やってて凄く楽しいんだろうな?とか凄く好きなんだろうな?って言うのが伝わってきて何よりそれが良いなと思ってしまった。もちろん作品としても面白いなと思うけどあくまでダイジェスト版でどうしても伝わりにくいことがあるなという印象で。フルサイズで上演してほしいな…村井さんのヘンリーと村川さんのナタリーのカップルにひたすら萌えるしかないから…君にとってのパーフェクトになれるヘンリーくんよ…

 

  ニ幕

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ショー!って言うからどんな感じなのかな?と思ったらMC挟みつつゆるっとしたり歌が始まると踊ったりここでしか聞けない曲!とか作品上演当時の裏話とかも聞けて面白かった。

ジャージーボーイズが格好良くて再演見に行きたくなった良い宣伝ですね!?(笑)

見たことない作品だけとウエディングシンガーの彩吹さんのおみ足が美しかったり新納さんの女装とか楽しかった!MCが緩すぎてかなり時間が押しちゃうのはあるけど本当あっきーさんのおしゃべりはゆるゆるだし伊礼さんと新納さんはアウトな事狙って喋るの面白いし武田さんのブラッドブラザーズ裏話とか1幕のN2Nを吹っ飛ばす内容で面白くて、2週目からは村井さんがニ幕に出るからどんな感じになるのかワクワクする!

あっきーさんのサパータイムはやっぱり最高だしこの曲はやっぱりショーで映えるなぁと思う。

花組 ポーの一族

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www.youtube.com

僕たちはー!\不老不死大好き芸人です!/なので行ってきました。他日程でチケット持ってるけどなんとなく2回以上見たくなるんじゃと思って今日は当券で行ってみました。

8時近くに着いたので当然立ち見。オペラも忘れたので細かい部分はそんなに見ていないので全体的にふわっと見ました。ポーの一族も昔読んだっきりでお話忘れていたし、花組の公演を拝見するのも初めてなので本当に全体的にふわっとしています。

 

お話

エドガーがバンパネラになるのを嫌がっていた子だとかメリーベルはいつバンパネラになるんだったか、とかポーの一族はなんで全滅したんだっけかとか知らなくても大丈夫です。ちゃんと全部やります。わかりにくいところもそんなにないかな?と原作に詳しい方が見るとまた違うのかもしれないけど前知識なくても大丈夫です。予習しなくても大丈夫です。

 

キャラクターについて

 

エドガー

エドガーの苦悩がすっごく良かった、佇まいも本当にエドガーそのものだし、人間である頃のエドガー、バンパネラになってすぐのエドガー、メリーベルバンパネラにした後のエドガー、みたいなエドガーが過ごしてきた年月を感じさせる演じ分けが本当に凄い…後半にいくとより苦悩する部分とバンパネラとして生きてきた時間の長さで諦めの気持ちが強くなってくるみたいなところもあって本当に良かった。しょうがなくというか望まずにバンパネラになった子が一族のトップになるのすごい。でも別に一族の事を考えて増やしたいとかじゃなくて誰か共に生きてくれる相手だけを探しているような。ポーの一族自体はこの後のお話もまだあったからエドガーの途上の姿なんだなとか。

明日海さんすっげええええええ喋るとお花畑とか言われてるけどやっぱりトップの方ってすごいなって本当凄かった

 

シーラ

ママ味が凄く強い…ママーーー蠱惑的ではないんだけど凄く包容力のありそうな本当に甘えたくなるような綺麗なお姉さん…こんな人にちょっと艶っぽい事言われるとついていきたくなっちゃう…男も女も魅了してしまうバンパネラの魅力なのかなとか。エドガーが好きになってすぐ失恋してしまってでもバンパネラになったシーラとはずっと一緒にいたけど人間のシーラがずっと好きだったんじゃないかなって人間の頃の憧憬をずっと引きずってるのが分かって良かった。見た目が純粋無垢な人間なのにバンパネラに引き入れる仲間を選別してるとことか誘惑するとことかもう本当に得体の知れない魅力があってとても良かった…バンパネラになってからより魅力的になる感じ。

 

アラン

エドガーが形容するように生意気なとこもあるけど素直な子(そんな感じ)だなと…気に入らないお金目当ての従姉妹と結婚させられそうになるし、お母さんは医者に色目使ったりおじさんと浮気したり男に取り入って生きてるタイプだし、許嫁の子は死んじゃうし、思い出を美化をして生きてるタイプだから許嫁とそっくりのメリーベルの事すぐ好きになっちゃうしクラスメイトは自分に取り入ろうとしかしないし、唯一仲良くなれるかも?と思ったエドガーは人間じゃないし彼が何をしたって言うのかくらい積んでる。不老不死にする事に躊躇いを覚えてくれたメリーベルがいてくれた事だけが幸せだし、でも結局おじさんをころしたと勘違いしたまま絶望してバンパネラになっちゃうの極まってるとしか言いようがない。死は救いだと思ってる教なので。美少年2人の絡みはやっぱり美しいのでエドガーの隣にいるのがアランで良かったなという感じもある、永遠の”少年”である二人にしか分かち合えない事もたくさんあるし…思春期特有の疑似恋愛みたいな感情をエドガーに向けてる節も感じられてすごく良い。

メリーベリに会いたいって台詞に以上に反応してしまう(別作品です)

リーベル

捨てられて養子になった先で血の繋がってる腹違いの兄弟がいる事が発覚して求婚者の男性も自殺してまうってこの子も不幸を積んでいる。お兄ちゃまっていう言い方が可愛い。バンパネラになってもシーラみたいに振り切れないバンパネラになりきれなくていつまでも人間の心の弱さを持っているのがよかった可愛いし可愛い 

 

ポーツネル男爵

大人気ない…と思いつつそれだけシーラの事が好きだしバンパネラである事の危険性が痛いほど分かっているからこの人はこんなに慎重なんだな〜とかエドガーとシーラの何倍もの時間をこの人は生きてるんだな〜多分… せっかくキングポーのアドバイス貰ったのに無駄にしないで…ちゃんとアドバイスは聞いて…

 

バイク・ブラウン4世/バイク・ブラウン

イケメン眼鏡のオカルトオタク、原作でのキャラクターを全く覚えてないけどなんとなく好きだなと思った。バイク・ブラウン4世のひ孫のバイク・ブラウンも同じ方が演じられていてイケメン眼鏡はいいなと思いました。2幕始めに歌う曲が好き。

 

大老ポー

キングポー。もう存在感がすごい。キングポーすごい霊媒で呼び出されたキングポーが出てくるところ好きキングポーはすごい(繰り返し)

 

メアリーとメアリーの連れの男

なんかこの二人の茶番感がすっごいおもしろかったんだけど茶番ではなかったのかもしれないけど面白かった 

 

セットが豪奢で大掛かりなセットも多くて予算の潤沢さを感じたし本当宝塚でしかできないだろうなと思う作品で凄い…あまりにふわっと見てしまったのでもうちょっとじっくり細かい部分を次回見る時に楽しめるといいな!

 

チケット難の作品ではあると思うけどみたいなーという気持ちが少しでもあるなら見て欲しいあまりにエドガーがエドガーなので本当にすごい… 

城山羊の会・相談者たち

「テラスにて」が面白かったからトロワグロを見てみたい、DVDが劇場の物販でしか買えないからちょうど予定合うしと思って見てきた。

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stargazer9.hatenadiary.com

 

はしもとあつしさんを見たかったのもあって。

見てよかった面白かった。人間観察力の細かさみたいな事を思ったんだけど人間関係のおかしみみたいな。人をどう捉えるどう描くかって作者(脚本家)の方の人間に対する距離とか捉え方が出るのかなと思っていてそういう意味で人間のおかしみを感じられる作品は好きだなと思う。

"離婚"・"結婚"にまつわる相談者たちがある夜1つの家に集まるみたいな話で帰りたいのになかなか帰れないみたいな状況になるのはテラスにてを思い出した。あとなんか妙にエロい女性が出てくるのも趣味なの?って感じがする…

両親の離婚、娘が結婚(するかもしれない)、父の不倫相手とその恋人が訪ねて来ててんやわんなの状況をどう回収するラストになるのかな〜と思ったら不倫相手の恋人が包丁を取り出す、それを取り押さえる娘の恋人と夫、夫と不倫相手がいちゃつく、娘、妻、娘の恋人がそれを目撃したまま終わる。暗転の中でリップ音が聞こえたまま終わるとは思わずになんだったんだあのお芝居は?ってなったけど強引なというか呆れて終わるような感じも面白かった。ここはわたしの家なんだけど(そういう問題ではない)

フィアンセとフィナンシェは似ている、フィナンシェはほとんどマドレーヌとか、アイスランドは地熱が〜とか本筋に全く関係なく挟まれる話がなんか妙に面白くて(しかもすごく微妙なポイントで分かるって感じのお話)なんかそういう細かい部分が面白かった。ぽんぽんとリズムのいい会話のやり取りもそうだし、なんかこうやり取りが面白い。

あんまり説明しても面白さが伝わらないもどかしさ。シュールじゃなくて結構普通に笑っちゃうんだけど不倫マニア→変態マニアとかそういう感じ。

あとはしもとさんめっちゃスタイルいいな〜と思ったそしてスーツ。

夫、不倫相手の恋人が揉めるシーンのドタバタを最前で見ていたので必要以上にびくっとしてしまった。だって目の前まで転がってくるんだもんびっくり…。

次も見に行きたいなー!

次は自己紹介読本再演らしいです。

イキウメ・散歩する侵略者

イキウメを初めて見た『太陽』から気がつけばイキウメの作品を見るのも3本目、前川さんの脚本というなら『プレイヤー』も合わせて4本目、こんなにコンスタントに東京の劇団の作品を見られる事がなかなかないのでイキウメにはいつも頭が下がる思い。あと常に次回公演のお知らせをしてくれるので嬉しい。次回公演も行きます。

散歩する侵略者、再演という事と映画の公開が近日あったけど私は今回見るのが初めてでイキウメの作品はイキウメで見るのが1番好きだと思ってしまうのでその他同脚本のものは一切見ない様になったけど過激派ではないです。

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とりあえずの感想としては

舞台が斜めでフラットちょっと見づらいところもある、おーくぼひとえさんの10代感がいつみてもやばい、桜井と天野、宇宙人役の3人の表情の作り方がそれぞれなんだけどでもやっぱり何か”違和感”を感じるのがすごい、泣いた、SFなのにすでに自分の身の回りでもある事なのでは?と感じさせられるそこはかとない恐怖がやっぱり面白い

人間という存在を突き放して冷静に見ているのかな?と思うけれどやっぱり面白いと愛おしいと思っているんじゃないかという気持ちにさせられる。あと前川さんの人体とか人間についての興味がすごいんだろうなと勝手に思ってる。

散歩する侵略者、のタイトルの意味が作品を見に行く中ですごく腑に落ちる。自らの事を”宇宙人”と認める侵略者は人間の精神と記憶を乗っ取ってその人自体になる、記憶は持っているけれど人格が違う、あと宇宙人だから言葉の意味は分かって”概念”が理解できないから出会う人々から概念を奪っていく奪われた人はその概念を失ってしまう。

”概念”っていう言葉がぴんと来なくて概念を奪われた人たちを見て実際奪われるとどうなるかっていうのを見せられるんだけど普段の生活ってすごく脆いものなんだなと思った。目に見えないもので構成されているというかそれが今までの経験から学んだ事ととかそういう事なんだろうと思うけど侵略者はまるで赤ちゃんで人から概念を奪う事で成長していく、最初は”痛み”の概念すらわからなくて裸足で歩き回っていた侵略者のしんちゃん(加瀬真治)が後半になると随分人間の擬態が上手くなって表情も豊かになっていくのが面白かった。社会生活を営むために人は人生の中で色々な経験をしているから当たり前の事が当たり前にできるんだなとかそういう事なのかはよく分からないけど

”概念”を奪われる事と同時に社会派な切り口だなと勝手に思ってしまうのが隣国のミサイルの話、気づかないところから戦争は始まっている。再演での脚本の改訂部分ではなく初演から書かれていた事らしくええってなった…事実が創作に寄ってくる事ってままあるけれどやっぱり怖い。

イキウメの作品は上手く言葉にするのは難しいけど面白いから見て、って言えるのでぜひ見て欲しい 。イキウメの劇団員の方達はみんな不思議な雰囲気を持っているけれどその中で普通の人(?)感がより際立つ安井さんが好きです。巻き込まれジャーナリスト(天の敵に続き)

立花あきらの天野さんが太陽で結役だった清水葉月さんに見えてしまってああいう雰囲気の役者さん本当にイキウメに合う…と思ってしまった天の敵の小野ゆり子さんとか…

派手な演出がなく本当に脚本と役者さんの演技をじっくり楽しむのがイキウメの楽しみ方なのかと思っているし脚本自体がよくていろんなところで使われていたりするけどやっぱり私はイキウメで見るのが1番好きだなと思う。淡々としていてそれでもちょっと愛を感じる。

騒いでいたら(いつも)散歩する侵略者は見に行ってくれてる方が多くて嬉しいイキウメはいいぞ!

雪組・ひかりふる路〜革命家マクシミリアン・ロべスピエール〜

kageki.hankyu.co.jp

1789・スカピンとロベスピエールが出てくる演目をいくつか見ていてとうとうロベピエ主演作か〜!面白そうだし行ってみるか〜!雪組も初めて見るし月組から組み替えされた朝美絢さん好きだしという単純な理由で見に行ったらすごく好きなタイプのお話だったので1789・スカピンを見てロベピ気になるなと思った方には是非見て欲しい…革命を起こし恐怖政治を行なったロベスピエールの目指した理想とはみたいなお話です。ちなみにロベピはマクシムと呼ばれてるらしいですがロベピと呼んでいます。

ポスター撮り忘れたのでロビーのフランスカラーのお花の写真

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と言うことでネタバレ

とりあえずめちゃくちゃ泣いたのでちょっと顔がべしゃべしゃになるくらい泣いたので全く覚悟してなかったのでびっくりした…ロベピが革命の理想に燃える若者みたいな青春ものなのでは?と事前に予想を立てていたけれど青春というよりはロベピが理想を追い求めて孤独になっていくお話だった。孤独になったロベピは自らを振り返り粛清されるべきは私だと覚悟を決めてロベピ処刑エンド。

ロベピ処刑エンド…ロベピひかりふる路とは処刑台へと続く路だったのか……???と思うくらいには鬱エンドだな〜と思ったけどこういう話大好きなので…あとロベピは親友を失い、恋人を失ってしまったけど最後には恋人と和解できたので魂だけは救われたみたいな感じがとても好きだし、自分で死を選べたロベピは幸せだったと思うという自分で死を選べる主人公ハッピーエンド教です。

ひかりふる路は自由・平等を求めたロベピが見た理想の世界、という事かな。今では当たり前にある権利だけどそれを勝ち取るために戦った人は、というお話だと考えると…劇中にも権利〜とか平等の話が出てきてさすが人権宣言の国という気がするフランス万歳。

まず革命が成功して国王を処刑するシーンから始まる国王を処刑するなんて国際社会が許さないぞ〜のシーンから国王を裁判にかける処刑の流れからの、ラストシーンでロベピが裁判にかけられる、牢獄に入れられる、処刑の流れにしていて最初と最後が同じ様なシーンで終わるの最高だなってなりました。ロベピは恐怖政治というか独裁者的なイメージもあって、かつての革命仲間をどんどんギロチン台送りにしたとか反革命派を片っ端から処刑したとか。このお話ではロベピは恐怖政治を行いたかった訳ではなくて理想を追い求め続けて"政治"を行うよりも理想を実家させようとして独裁になってしまった、という感じ。結果論、あと周りが盛り立てているというかロベピの信奉者サンジュストがロベピをトップにしたくてしょうがないという気持ちを反革命派に利用されたりしていたけどサン=ジュストはそれで良かったんだろうな…革命を支持しているというよりロベピに心酔している。ロベピがトップに立って権力を握るべきだし、ロベピの理想を実現させる事が望みを叶える事だけが自分のすべき事だと思っている感じ。

このサン=ジュストのロベピに心酔しているという表情とロベピが権力を握るたびに、にやって嬉しそうに悪そうな顔で笑うの本当に好きで。うっかりサン=ジュストを追う人になってしまった。

ヒロインが主役を殺そうとするお話は中々珍しいのでは?と思うくらいマリー=アンヌはロベピの命を狙っているし、愛してしまったけれど恐怖政治を始めたロベピにまた大切な人たちを奪われてロベピを殺害しようとする。最初はロベピの掲げた理想に希望を見たけど恐怖政治を始めてしまったロベピには絶望した、でも愛しているというのが良かった…愛しているから結局殺せなかった。

二人が監獄で再び再会するけどお互いへの気持ちを確かめ合ったあとでこんな風に出会っていなければ、とifの話をするんだけどこんな風に出会わなければ出会えてなかったというのもまた良い…結局2人でいる幸せな世界を想像する事さえ許されない2人。悲恋だなという気もするしこんな風に主演とヒロインが全く幸せになれなくていいのか???お披露目公演ぞ…???と思ったけど個人的にすごく好みなお話だったので本当に良かったもう1回見たい…

処刑、はもちろんギロチンなんだけどそのギロチンで処刑されたという演出も面白かった〜最初からばっさり舞台の上に斜めの線が入っているのだけど。

デムラーン役の沙央くらまさんがこの公演を持って退団されるという事が寂しい…くらまさんのデムラーンはふわふわした優しい感じのダントンとロベピの間にふんわりいる感じがして好き…

孤児として育って、革命を共にする仲間が出来て、革命を起こした後にまた孤独になっていくロベピに感情移入して泣いてしまったけど本当に革命の理想のためにボロボロになっていくロベピが見ていられなかったしとても好きだった…ロベピは革命そのものだったけど革命を終わらせる事が出来なかった、自分の死を持って革命を終わらせた。革命はロベピの死を持って終わってしまったかもしれないけどロベピの理想の精神の部分みたいなところはなくならずに人々の心に残ったのかなと思うと本当にロベピが愛おしくて、ってなるくらい本当に良い作品だったのでぜひ見て欲しい…私もまた見たい…

宝塚に見目の麗しいイケメンと美女を見に行ってるみたいな気持ちでいるのでこんなに好みのお話をぶつけられると思わなくて本当にぶん殴られた様な気持ちで本当に良かった……………………

SUPER VOYAGERの話もちょこっとだけ。

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すごく愛を感じるレビューだなと思ってこっちもとても良かった。すごく愛を感じた……SUPER VOYAGERで客席降りがあるけど2階席まで上がってきてくれるので2階席でもぜひぽんぽん片手に!あとえぐざいる系の曲を歌い踊る朝美さんが2階席〜〜〜〜〜!!!!!って煽ってきたので死にそうでした。

表に出ろいっ!~One Green Bottle~ 追記

 

stargazer9.hatenadiary.com

 観劇時の記録であまりにもわからないを連発してしまったこの作品に付いての落としどころというかツイッターで投げたりして気づいたこととか、友達が見に行ってくれてそこから拾った感想などで気づき!と納得を得たので見た人にしか通じないなんなら自己解決のための記事です。

見に行った友達がこのお話はホラーだ、と言っていた事からホラーか?ホラーかもしれないと思ったけれどそのホラーというか恐怖が増したのは初演からの改変部分、冒頭での報道のテレビ映像でこの家族の行く末がすでに示唆されている事、ラストのシーンで意味ありげな幼児の歌うOne Green Bottleが聞こえてくる事だと思う。

さてこのOne Green Bottleが曲者でもともとイギリスの童謡を元にしている、元にしているだけでそのまま使っている訳ではないので元ネタはマザーグース

Ten Green Bottle

http://www2u.biglobe.ne.jp/~torisan/mglist-t1.html

この曲を知っているのと知らないのとではかなり理解が違う、気がする。このTen Green Bottleは数え歌で最後には全ての瓶が落ちる。最後には誰もいなくなる。

この曲も含めた改変部分についてわかりやすくしたんじゃないか?という指摘があって初めてあくまで英語ver.なのでかなり向こうの英語圏の文化に寄せて”わかりやすく”しているという事に合点がいき…(当日パンフレットに海外のキャストと演じる際には日本人のキャストには言わなくても”分かる”事をきちんと言葉にして説明しなければいけないという夢の話が書いてあった)

私が初演を見ている事、さらに”日本人”の視点を持っているからこの改変の意味について色々考えを思いめぐらせていたけれど問題はすごくシンプルだった。

英語ver.で演じるキャストも外国人、観るお客さんも外国人を前提として作られているものを日本で観るのも面白いし、まあどうせならこの文化を共有できるところで見たかったという気もする。逆に外国の方が見るとどう見るのかが知りたい。

父がハゲヅラのビジュアルになったのも、娘が原宿系(まるできゃりーぱみゅぱみゅ)になったのも全て外国からみたステレオタイプの日本、と思うと面白いなというところもあるし、父が能楽師ではなく脳のシテ方(主役・能面を被る方)になったのも”わかりやすさ”の部分だと思うと至極合点がいく…答えはすごくシンプルで単純なところにありました。

あと娘がはまっているものがファーストフードから、カルト宗教団体になっていて日本だとはまっているものファーストフードでもおかしくない(おかしいと思うけど)けど外国に持っていくにあたってカルト宗教になっている事でより事態が深刻になった気がする…

あらすじの説明も

 

初演

信じるとは何なのか?これは一夜にして崩壊する家族の物語。 
人間のレゾンデートル(=存在理由)を思索する哲学という学問が廃れてしまった。けれども、人間は何かしら生きる意味を見出さないと、生き難い。その空白を埋めるために、自らの趣味嗜好に過剰な価値を置く。「はまる」という現象。何かにはまってないと生きてる気がしない。 

換言すれば、偏愛。しかも、その歪みにも気付かない。疑うことすらない。これはすでに信仰に近い、ただの趣味嗜好なのに。アミューズメントパークを偏愛する父、アイドル系を偏愛する母、ファーストフードを偏愛する娘。そんな3つの偏愛が混在する、鎖でつなぎ合わないと成立しないほど、バラバラな家庭の物語である。 

 

Engrish ver.

これは、父、母、娘の三人家族の物語。その夜、三人はそれぞれ絶対に外出しなくてはならない理由があった。しかし、飼い犬が出産間近とあって、誰かが家に残り、面倒を見なくてはならない。嘘、裏切り、あの手この手を使って、それぞれが他の二人をあざむき、なんとか家を抜け出そうとする。やがてそれぞれの「信じるもの」が明らかにされ、互いの中傷、非難、不寛容が、事態を思わぬ方向へと導いていく。
果たして彼ら三人に、救いはもたらされるのか?

 

この”救い”の部分が日本人にはもっともわかりにくい感覚なのかな?と思っているけれどこれだけ見てもまさにこちらの文化圏ではないお話…舞台は日本であるけれど日本の文化で理解しようと思うと少し難しい。翻案にウィル・シャープさんというイギリス人の作家の方が関わっていたり、キャストがイギリス人である事で”日本人”を演じる上で理解できる事、できない事があってそのための改変なんだなと思った。

自分の中ですごくすっきりしたので自分用の解説でした。

友達はこのお話をホラーだと言ったけれど私は滑稽なお話だと思っていてでも皮肉っているわけでも決してないと思うけれどそれぞれが大事に、”信じて”いるものが他者からみるとひどくくだらないものに見えるは、きっとそうなんだろうなと思って”オタク”である姿を外から眺めるときっと可笑しくてしょうがないだろうなと思うという事、笑えないんだけど笑っちゃう。自分の身に振り返ってぞっとする。そんなお話だと思っている。オタクじゃない人が見るとどう思うのかな。初演の方がよりオタク感が強かった気がしたのはやっぱり日本人キャスト・日本向けに作られていたからかなと思う。

こうやって見た作品について延々と考えて答えを求め続けるのが好きで1回見ただけではこうだ、っていう答えが簡単に出ない作品が好きなんだけど今回は友人が見てくれたのとそこから色々話が派生して気づきを与えてくれる人がいたので本当に人の頭を借りると自分で気づけないところに行きつけるので良かった。

チケットは売り切れているけれど毎日当日券が出るので11月19日まで東京芸術劇場シアターイーストでやっているので気になった方は宜しくお願いします。

「表に出ろいっ!」English version”One Green Bottle” 東京芸術劇場

野田秀樹?誰?って思う方も多い(若い人には取っつきにくいと思われがちなのでは)思うけど一度見て見るのも良いと思いますので…作演出出演者で、東京芸術劇場の芸術監督です。この人の作品を6000円で見られるのは本当に安いと思うので……(せめてもの宣伝)

パンフは売ってなくて当日パンフが豪華なので宣伝しておく

表紙

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断面

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広げるとこんな感じA2……???

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折りたたんであるので手のひらサイズなのに広げるとでかい