I was stage gazer

星を追う

グランギニョル初日

初日行って来ました。f:id:a9azzzzz:20170729230801j:image

 

特権階級である名門貴族の家督者であり、吸血種の統治機関《血盟議会》の若手議員でもあるダリ・デリコ。

ダリはある日、上司ヨハネスより停職処分を受ける。ダリが遂行した異教団殲滅作戦の際に、保護されたスーという《人間の女》が身籠った赤子が、ダリの子であるという疑惑が議会にリークされたからだ。もしそのことが明るみとなれば、それは吸血種と人間種の間で締結された《不可侵条約》に違反する行為であり、将来を嘱望されていたダリの失脚に繋がりかねなかった。 だが、停職中であるはずのダリは、ヨハネスよりある事件を秘密裏に捜査することを命じられる。それは、各地で発生していた《繭期少年少女失踪事件》の真相を解明せよというものであった。ダリは、任務補佐官に任命された下級議員マルコと、護衛 兼 合同捜査官として派遣されたヴァンパイアハンター歌麿と春林らと捜査チームを結成し、事件を追うこととなる。

事件を追う中で、《黒薔薇館》という闇の社交倶楽部が捜査線上に浮かびあがる。その黒薔薇館の会員の中に、ダリの同期議員であるゲルハルトの姿があった。またダリたちはその社交倶楽部で、不老不死を研究するバルラハという男と、ダミアンという謎の人物と接触する。ダミアンは、歌麿と春林が長年追っている、多くの猟奇的事件を裏で糸引いていると目される吸血種だった。またバルラハの傍には、アンリ、キキ、オズという三人の吸血種の少年少女たちが付き従っていた。三人は、失踪者リストに掲載されている吸血種たちであった。

一方、教団の残党から命を狙われるスーは、デリコ家の屋敷に匿われていた。だが、人間である彼女は屋敷の使用人たちから嫌悪され、不遇の扱いを受ける。その彼女を庇ったのは、ダリの妻であるフリーダであった。スーとフリーダは、次第に心を通わせていく。しかし、スーを身籠らせたダリのスクープを追う新聞記者ジャックがフリーダに近づく。

混迷する人間関係、血盟議会という巨大組織との対峙、陰謀渦巻く黒薔薇館、そして吸血種の間で伝承される原初の吸血種《TRUMP》の不死伝説──事件を解き明かした先で、ダリがたどりつく真実とは?

グランギニョル公式サイトより

grandguignol.westage.jp

 

ネタバレします。

まあビジュアルが美しい…ダリちゃんとっても綺麗よ、だしゲルハルト(フラパパ)も美しいし初めに言っておくけどアンジェリコ様がラファエロに憧れて親友になりたがっているのは父親譲りです。アンジェリコ様の名前めっちゃ出てくる。ゲルハルトはわれしゅご!枠だし君は僕で、僕は君だ〜だし、星には手が届かないやの人だしもうそれだけで死んでしまう。設定めっちゃ盛る〜〜〜〜。フラパパは凄く弱い人だった。ダリちゃんの強さに憧れを抱いているのが…こう凄く…ソフィの強さに憧れるウルみたいな…親世代の話なんだけどTRUMP世代の事を凄く思い出す。

ウルの出生の話と言われつつめっちゃアンジェリコ様の出生のお話も出て来て余計な被弾を喰らう。喰らった。

ダリちゃんのイメージアップが凄いし、ダリちゃんは本当にいい父親で本当ダリちゃん〜〜ダリちゃんの愛情に全世界が泣いた。ダリちゃんがウルにかける呪いであり祝福は涙無しには語れない。

ダリちゃん本当にめっっっちゃ偉い人だ…繭期拗らせてる貴族なだけじゃなかった…知らなかったけど本当にびっくりするほど貴族。デリコ家迷子になる程広い。

色々拾いたいポイントが多すぎてうまく感想にならないけどTRUMPシリーズを全部見てる人は凄く泣いてしまうポイントが多いし、それでなくても楽しめるんだけど繭期のファンに向けたサービス多目。あとTRUMPシリーズの中で1番泣いたグランギニョル

貴族のための貴族による残酷劇〜が表に打ち出されるけど残酷というよりもやっぱり遣る瀬無い様な、台詞から引用するなら"これが我らの結末か"といいたくなる。

因果が複雑に絡み合ってこうなるという結果を既に見せられているからその根源を見せられる。だからTRUMPもLILIUMもああなったんだなというかSPECTERは同じ時系列で進行しているからSPECTERで出て来たデリコ家の事件とか繭期の少年少女失踪事件とか!TRUMPシリーズの他の作品との繋がりめっちゃ多い。

個人的に1番あー!ってなったのはアンジェリコ様とウルが腹違いの兄弟である事。実の兄弟と知らずにアンジェリコ様はウルを殺すのか…因果…アンジェリコ様もウルも本当の父親には育てられていない。でもウルに対するダリちゃんの愛情の深さとアンジェリコ様がああのびのびと育ったのはフラパパも愛情込めて育てたんだな〜ってアンジェリコ様はパパ大好きだし、小さい頃からデリコ家というかダリちゃんの話を聞かせて育てられて来たのが分かる。アンジェリコ様のママも出てくるし、マリアから生まれるアンジェリコ(天使)って神の子かよ神の子アンジェリコ様。マリアは自分がフラ家の子供を産む道具にされた様な気がして病んでしまったのだろうけどフラパパの生育環境がおかしかっただけでフラパパはパパなりにマリアを愛していたのに…まあどっかしら歪んではいるけど…でもそれでも生まれて来たアンジェリコ様とマリアを必死に守ろうとする我は守護者なりだし…。

それにしてもダリちゃんの愛妻家っぷりが素敵だった。スーとの不貞が疑われたけどダリちゃんはフリーダ一筋だった…あと愛する妻に言われた事を亡き後もずっと守っている事に泣けた。ラファエロを厳格に育てたのはフリーダの願いだったし、ウルを愛情込めて育てたのはフリーダとスーに託された願いだった。本当の子供じゃないのにウルに対して親バカが過ぎる…ウルが本当の父親じゃないのにダリちゃんにそっくりすぎて…ダリちゃんはウルを自分が人間の女に産ませた子、としてるけど自分の子供でないと事実を知らせるよりは自分が悪者になった方がいいと思ったのかな。もうそこの愛情の深さにも泣ける。アンジェリコ様も自分がゲルハルトの本当の子ではないと知らずに死んでいくのだろうし…。父親達の愛情…。

親の因果を受け継ぐというのもTRUMPシリーズあるあるだけどウルもソフィもアンジェリコ様も親の因果を受け継いでいた。ラファエロも親の因果というか…ラファエロはデリコ家をウルを必死に守ろうとしたけどウルはデリコ家を崩壊させる要因でしかなったんだな…それも父親から受け継いだ因果だけど。

すえみつさんは繭期のツイート覗いてるな?と思ったのはイニシアチブの謎がちょこっと解明された事!みんなそこ疑問に思ってたよね、という事がめっちゃ説明される…説明台詞苦手な人にはあのパート辛いのかな、凄く丁寧にイニシアチブについての説明が…。複数の吸血種に噛まれて相反するイニシアチブによる命令を同時に発動されると、より意志の強い命令が実行される、とか叶えられそうにない行動の発令について、とか。イニシアチブ掌握実験の話面白い…もっと聞かせて。あとイニシアチブの使い方が無限大すぎない?あとヴァンプの毒で人間は死ぬ事もあるけどたまに"ヴァンプ化"して生き残ってしまうとか…これも初めて知ったぞ…?強制的に繭期にする薬物の名前が"Cocoon"ってどういう事ですか…"Cocoon"の上演予定はいつですか。

TRUMPシリーズ各作品からの台詞の引用が多くてぐさぐさくるし、ダミアンの記憶と人格をイニシアチブによってコピーする事で受け継がれる、永遠に生き続けられるは"equal" "天球儀"ですえみつさんのTRUMPシリーズ以外の話もすえみつさんの思想みたいな部分で関わってくる。ダミアンコピーがたくさんいるならあの世界で起こる惨劇はダミアンコピーによって引き起こされているのでは…?

あとダリちゃんの殺陣が凄い!殺陣がめちゃくちゃ多くてみんな殺陣が多いんだけどダリちゃんはあのお衣装で殺陣するのが凄く美味しい…裾がふわって広がって凄く美しい…。染谷さんの殺陣は凄いな〜!だからダリちゃんは染谷さんなのかって納得。ダリちゃん美しすぎない???ってなったけど(ダリちゃんはこれまですえみつさんが演じられる事が多かったからそのイメージがついてる)

 ダリちゃんが自分の事をダリちゃんと呼ばせたがる理由がプレイ(私たちはダリちゃんのプレイに付き合わされていたのだ)TRUMPでダリちゃんが"これが我らの結末か"と言う理由は凄く独りよがりな物言いに聞こえるけど本当はあの時のダリちゃんはそうとしか言えなかった気持ちが分かる。グランギニョルを経るとあの台詞の意味がこれまでと同じ様な気持ちで聞けない。ずるいぞ。もう本当にダリちゃんが好きになるグランギニョルと銘打ってほしい。ダリちゃんが好きだ。

ダリちゃんがあの歳にして全く繭期が抜けてない理由も分かって凄く納得したし若いダリちゃんの大分やんちゃだし口が悪い。 

ゲルハルトは貴族として振る舞わなければならないと考えて殊更に貴族らしくあらねばならないと悩み続けてダリちゃんは貴族らしく振る舞おうとしないところが完全に貴族でこの2人の対比関係が凄く良い…最高だ!このゲルハルトがダリちゃんに憧れてるのとか2人が背中を預け合うのが最高だった。ダリちゃんのピンチに駆けつけるゲルハルトとか。アンジェリコ様もラファエロとそうなりたかったんだなって背中を見てしまった。パパ達格好良い…その分ラファエロ・アンジェリコにはその未来が存在しない事が余計に辛い………

 

貴族の貴族による残酷劇〜はそうなんだけど誰かが誰かを想う気持ちに溢れていてそう言うところが凄く好きだ…!

あんまり書いてないけど繭期組も凄い良かった!でもやっぱり大人に食い物にされる子供達感が強くて幸せになってくれよなと願えない感じがすごく悲しい。 

ギャグとシリアスか交互にくるのがすえみつ作品なんだけどダリちゃんが凄くお茶目さんでゲルハルトをおちょくるのが凄く可愛い…方向性は違うけどお茶目で品のあるって刀のあの人っぽさもある…アンジェリコ様を片栗粉か何か〜っていうのがあなたの息子も"ラファエロ"なのに……カタカナに弱いダリちゃん(おちょくってるだけだけど)

TRUMPが台無しに〜という前宣伝からあれこれ考えたけど思ったよりは台無しには…?でもアンジェリコ様がTRUMPでやった事はただただ"グランギニョル"だった。アンジェリコ様も原初信仰的なとこあるし…父親に似てるなアンジェリコ様。TRUMPは出て来ないけど繭期がTRUMPに繋がる〜は本当にそうだったなって…TRUMPの存在を否定したダリちゃんとゲルハルトがヴラド機関に関わるのも……そしてTRUMPに繋がる…。

ゲルハルトの基本姿勢が重心後ろよりで立ち姿のシルエットから凄く素敵…大変なんだろうなという役作り…。

スーがダンピールの子を産むことに迷いを持って生まれて来なければ、っていう精神性なのがしっかりウルに呪いとしてあると言うかソフィの母親であるハリエットは元々もダンピールだからかもしれないけどそれでも人間との間に出来た子供を慈しんでいたし、この対比もまた辛い。ウルも愛されてはいたけど、どれだけ愛されても呪いが解ける事はなかったんだなってそこは凄く残酷。

とりあえず初見は色んな事実にやられてしまってハアァァァってなりっぱなしだったかは2回目は落ち着いて見たい…。 

改めて見るとキャスパレが既にだめなのでゲネプロ映像めっちゃネタバレ

www.youtube.com

OPがダリちゃんの人間椅子の時の曲から始まるから初っ端から人間椅子くる?と思ってしまってドキドキした。

 

グランギニョルとは編集

  • 【Grand-guignol】 「guignol」は「人形劇」の意.普通は19世紀末のパリに実在した劇場「グラン・ギニョル座」を指す. この劇場では人形の代わりに人間が出演し,残酷でエロチックな恐怖劇を演じた. 参考「グラン・ギニョル―恐怖の劇場」 続きを読む
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