I was stage gazer

星を追う

虚構の劇団 / もうひとつの地球の歩き方

最近タカラヅカばっかり見てるな…と思って(TENTHはノーカンにされてる)小劇場のストプレを久々に。

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生きることに挫けたら、今ある地球を捨てて、もうひとつの地球を歩こう。
もうひとつの地球は過去にしかないのか。
それともネットの中なのか。あなたと私の記憶の中なのか。
それとも、どこかの未来なのか。

これは、記憶とシンギュラリティと天草四郎の物語

虚構の劇団 | 第13回公演『もうひとつの地球の歩き方〜How to walk on another Earth.〜』

最近話題になった小劇場の分かりにくいあらすじ!

シンギュラリティとは

その意味では、シンギュラリティを「AIが人間の知能を超えるポインaト」とする解釈も、そう大きく間違っているわけではありません。

あらすじを説明しないと分かりにくいけどあらすじがとても説明しにくいこの作品、

AIの天草四郎を開発している社員が事故に遭い記憶喪失に、と思いきや実は事故にあったショックで天草四郎の魂が取り憑いてしまっていて自らを天草四郎と名乗り、弱き人々を助けるための行動を開始する、そこに天草四郎役のオーディションを受けようとしている俳優が自分も天草四郎であると名乗りでて……

AI研究と生きづらさを抱える人たちの話みたいな事だった気がしている。

虚構の劇団は2016年の天使は瞳を閉じて以来(もう2年近く前!)劇団員の皆さまはちょこちょこ別のとこで拝見していて久しぶりに劇団で揃っているのを見ました。鴻上さんも久しぶりに見ました。虚構の劇団に行くともれなく鴻上さんからパンフを買えます。

シンギュラリティとか人工知能とかいう言葉がポンポン飛び交って新聞の投書欄の見出し(いじめ、ブラック企業、待機児童)を見せられているようなどこに救いを求めていいのかわからないみたいな結局のところ信じれば救われるって事はないんじゃないか現代人にはみたいな事を思った。

天草四郎は結局のところ史実でも架空の存在なんじゃないかと思ってしまったけれど、信じたい救われたいものがその先に作り上げる理想の姿。そういうものをうまく作り上げられなくなってしまったのかなみたいな事を感じたり。

中盤あたりの天草四郎に救いを求める人たちのくだりがコミカルなのにしんどくて新聞の投書欄の見出し、本当に毎日ああいう文字を見かける気がする。生きづらい世の中でどう生きればいいのか悩む人たち。自分もそういう人の中に含まれるのでは?と思うけれど。

どうやって終わらせるのかな〜と中盤から思っていたけれどそういう終わり方なのか〜って言うのも(記憶を取り戻す、元サヤに収まる)このお話から自分が読み取れたものを反芻するにもなんだか難しいな〜…

劇団員の皆さまの絡みというか小野川さん秋元くんがカップルなのあぁ〜ってなっちゃうし(赫い月を思い出す)、みっちーさんとひかりさんがニコイチなのも可愛くてニコニコしちゃう(天使は瞳を閉じてでもニコイチな役だった)

天草四郎の説明パートを天草四郎を演じるために勉強中の役者(みっちーさん)に説明するマネージャー(ひかりさん)というのも無理がなく天草四郎の説明を入れるパートとしてうまいなぁと思った。

 天草四郎について作中でだいぶ解説されるのでにわかに天草四郎に詳しくなるし、天草四郎とは虚像だったのではないかという気持ちになった。色んな人がイメージする天草四郎がいるけれど本当の天草四郎はいない、革命期というか世の中を変えようとした時にそういう心の拠り所となる虚像にすがる事が必要になるのかなとか。それは宗教みたいな事でもあるなと思った。

とりあえず色んな要素がこんがらがって紐解いていくのも難しい感じ。

AIにどれだけ知識を与えても人間らしくならないのはAIが恐怖を感じないからだという話が面白かったしAIは神を越えようとしている主義を持つ新興宗教団体がAIプログラムを破壊しにくるのもなんだかテロ行為みたいなあれの喩えなのかなとか思ったり。そういう細かい部分を紐解くと面白いのかなと思いつつ私には分かりやすく引っかからなかったかなというのが正直なところ。

観る作品と受け入れる自分の精神状態とかそういううまくかみ合わないんだろうなっていう部分があると残念だからもうちょっとフラットな気持ちで見たい…